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前FBI長官が書面証言、トランプ氏「捜査手放していい」

2017/6/8 5:27 (2017/6/8 9:42更新)
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 【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領周辺とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」で、コミー前連邦捜査局(FBI)長官は7日、上院情報特別委員会が8日に開く公聴会向けに、書面で証言を事前提出した。トランプ氏が2月、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の捜査に関し「フリン氏はいいヤツだ。この捜査はもう手放していい」と述べたことについて、コミー氏は捜査中止の要請だと受けとめたことを明らかにした。

 この発言は2月14日の大統領執務室での会議後、トランプ氏が人払いをしてコミー氏に一対一で直接伝えた。コミー氏は書面で「フリン氏が昨年12月の駐米ロシア大使との会話について虚偽申告をしたことに関する捜査を、トランプ氏は中止するよう要請していると理解した」と表明した。

 ロシア疑惑全体や、フリン氏以外のトランプ陣営への捜査の中止をトランプ氏が求めたとは受けとめなかったという。ただコミー氏は「独立した捜査機関としてのFBIの役割を考えると、非常に懸念される」と強調。セッションズ司法長官に対し、大統領と一対一で話すのは今後避けたいと訴えたとしている。

 両氏の会話内容の一部は米メディアが報じていたが、5月9日に突然解任されたコミー氏が公式に認めたのは初めて。ロシア疑惑では、トランプ氏に司法妨害の意図があったかどうかが焦点となっており、疑いの声は強まりそうだ。

 コミー氏はトランプ氏から繰り返し「忠誠」を求められた経緯も明らかにした。トランプ氏は1月27日、コミー氏をホワイトハウスでの夕食に招き「忠誠が必要だ。忠誠を期待している」と要請した。コミー氏は直接返事をせず、FBIの独立性がなぜ必要か説明したが、トランプ氏は夕食の終わりにも忠誠を再度求めたという。

 夕食の席でトランプ氏は、コミー氏に長官職にとどまりたいかも尋ねた。この質問にコミー氏は「FBIは伝統的に政権から独立しており、強い懸念を抱いた」という。

 3月30日の電話では、トランプ氏はロシア疑惑の捜査を雲にたとえ「(政権の)暗雲を払ってほしい」と要求した。コミー氏は速やかに捜査を進めると応じた。トランプ氏は自身がロシア疑惑の捜査対象になっていないことを「公表する必要がある」と繰り返し求めてきたという。

 トランプ氏との会話は4カ月間で計9回。うち6回は電話だった。オバマ前大統領との会話は3年半の間に2回だけだったという。トランプ氏とコミー氏の会話はコミー氏が解任される前の4月11日の電話が最後といい、解任を妨害と受けとめたかどうかは書面では触れなかった。

 ロイター通信によると、トランプ氏が選任した外部弁護士のマーク・カソウィッツ氏は7日「大統領がロシア疑惑を巡る捜査対象ではなかったと公に確認したことを大統領は喜んでいる」との声明を発表。「大統領は完全かつ完璧に疑いが晴れたと感じている」としている。

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