所有者不明地、公共事業に活用へ新制度 ー 国交省 ~ 大都市で6.6%、放置せず公共事業に ~

政府は、「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に盛り込み、来年の通所国会に関連法案を提出する方針だ。

内容は、所有者が分からずに放置されたままになっている土地について、道路や公園整備等の公共事業に活用できる新制度を創設するとしている。

所有者不明の土地が増えている

今回の背景には、所有者不明の土地の増加がある。

法務省が全国10市町村で行なった調査によると、50年以上登記の変更がなく、所有者が不明になっている可能性がある土地は大都市で6.6%、中小都市・中山間地域で26.6%に上る(「不動産登記簿における相続登記未了土地調査について」(法務省))。

要因の一つとして考えられるのが、土地の相続登記が任意という点である。土地を相続したものの、登記をしないまま、その土地を放置。その状態が長年続くと、所有者不明の空き地となるケースが多い。

「利用権」の設定により、事業可能に

こうした土地で、災害復興事業や道路整備などで必要な事業をおこなうためには、所有者を探したり、複数の地権者と交渉したりする必要がある。しかしながら、そのための時間や費用がかかるため、自治体のまちづくりなどが進めにくい。

具体的には、所有者が分からない土地について、国や地方自治体などに「利用権」を設定し、事業を行えるようにする方針だ。