三重名張のダム内部を公開 出水期対策が本格化
東海地方が梅雨入りした七日、水資源機構木津川ダム総合管理所は、名張市内に二カ所ある比奈知ダムと青蓮寺ダムの内部を報道機関に公開した。洪水を防ぐ水がめの役割を果たすため、貯水池の水を少なくし、降水量が増える夏から秋にかけての出水期に備える。 木津川上流のダム五カ所のうち、名張川上流の比奈知ダム、青蓮寺川上流の青蓮寺ダムは水の供給以外に、両河川が合流する名張市街地の洪水を防ぐ役割がある。 六月十六日〜十月十五日の出水期に備え、両ダムは貯水池の水位を段階的に下げ、比奈知ダムは九百万トン、青蓮寺ダムは八百四十万トンの水をせき止めるだけの余裕を確保する。
二〇〇九年十月の台風18号襲来時には、宇陀川上流の室生ダム(奈良県宇陀市)を含め、合わせて毎秒千二百八十トンの水が下流に押し寄せるのを食い止め、三河川が合流する市街地での氾濫を防いだ。総合管理所の染谷健司所長は「下流の木津川や名張川にとって、ダムの洪水調節機能は重要」と話す。 大量の水をため込んだダムが容量を超えてあふれ出さないための備えもある。 比奈知ダムでは通常、導水管から毎秒一・五〜二トンの水を下流に供給し、洪水時は毎秒三十トンまでの水を流すことができる。それでも足りない場合は、堤防の中腹に二カ所ある放水門を開放。最大で毎秒九百四十トンの水を放出する。
洪水を防ぐダムの貯水機能を発揮するためには、日常の水位管理が欠かせない。比奈知ダムには四カ所、青蓮寺ダムには五カ所、周辺に雨量計があり、気象庁の予報と合わせて災害時に必要な貯水容量を計算する。特に貯水池の水位計は重要で、「ダムの心臓」(染谷所長)と称される。 (帯田祥尚) PR情報 |
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