(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年6月7日付)

解任されたコミー前FBI長官、米上院公聴会で証言へ

ロシアの大統領選疑惑について米下院情報特別委員会の公聴会で証言するジェームズ・コミー氏(2017年3月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/Nicholas Kamm〔AFPBB News

 米連邦捜査局(FBI)の前長官が8日、5月9日に解任されるまでの数カ月間にドナルド・トランプ米大統領と交わした会話について上院情報委員会で証言する。

 ホワイトハウスが5日、大統領行政特権を行使してジェームズ・コミー前長官の証言を阻止することはないと発表した後、テレビ局は一斉に、普段はヘビー級のプロボクシングの試合にだけ向けられるような熱意で当日計画している生放送について番組の宣伝をし始めた。

 米議会から北へ2マイルほど行った場所にあるショーズ・タバーンは、5ドルのロシア産ウオッカを飲みながら議会証言の生放送を観たい常連客のために早く店を開けると話している。

「ジム・コミーはスポットライトを好む」。元司法省広報官のマシュー・ミラー氏はこう話す。「そこが彼のいたがる場所だ」。

 コミー前FBI長官のキャリアはたびたび、派手なパフォーマンスで注目されてきた。例えば昨年は、ヒラリー・クリントン氏の私用メール利用問題に対するFBIの捜査について異例の記者会見を行い、2007年にはブッシュ政権の令状なしの監視プログラムを頓挫させた一件で自身が果たした役割について上院で証言している。

 恐らくコミー氏にとって最大の試練が目前に迫っている。委員会では今回、トランプ陣営とロシアの共謀疑惑に対するFBIの捜査に関係し大統領と交わした会話について質問される。