就活「サイレントお祈り」は止めるべき慣習だ

大企業の4社に1社が不合格を通知しない現実

選考の後、不合格の連絡をよこさない、「サイレントお祈り」企業への就活生の不満はかなり大きい (写真:tobe / PIXTA)

就職活動も佳境。選考解禁日の6月1日から1週間が過ぎた。もっとも、5月以前に選考は始まっていたから、多くの学生が面接を受けたはずだ。しかし、不合格の学生に対し、その結果を通知しない「サイレントお祈り」をする企業がかなりある。

サイレント=不合格の連絡さえない

​就活生の間では不合格通知を「お祈りメール」と呼んでいる。選考に落ちた就活生への通知メールの最後に、「今後のご健闘をお祈り申し上げます」という言葉を添えるところから命名された。人を落としても末尾に「健闘を祈る」と書くのが日本社会のマナーだが、通知を受けて悲観した就活生たちが文面を見て、「祈られた」「お祈りされた」と表現するようになったことから、お祈りメールという言葉が広まっていた。

そして、そのお祈りメールすら届かず、学生は不合格かどうかがわからないことから、サイレントお祈り、あるいはサイレントと呼ばれるようになった。

お祈りメールが就職関係者の間で聞かれるようになったのは、10年ほど前だった。さらに、サイレントお祈りという言葉が出てきたのは、ここ数年の話だ。

2013年10月にライフリンクというNPO法人が「就職活動に関する意識調査」を発表しているが、その中にサイレントお祈りについての調査がある。就活生1人あたり4.8回のサイレントお祈りを経験し、5人に1人は10回以上のサイレントお祈りを経験しているという。おそらく、この調査の前年か前々年あたりに、サイレントお祈りという言葉が生まれ、広まっていったのだろう。

次ページ連絡をするのは合格者のみ
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
ジャパンディスプレイ<br>赤字の底なし沼

3期連続赤字に、次期iPhoneの有機EL採用が追い打ちをかける。ソニー、東芝、日立の液晶事業を統合したジャパンディスプレイは厳しい状況が続く。新CEOの下、復活はあるか?