こんにちは。今日はコールセンターの環境について書いてみようと思います。
- コールセンターって精神的においこまれる職場かな?
- クレームを一人に背負わせるようなところで働いてはいけない
- クレームが少ないセンターだってあります!
- 働くなら、新人層のケアはどうなっているのかを確認するべし
- 働きやすい環境は人が作る
コールセンターって精神的においこまれる職場かな?
少し前に、クレーム対応の仕方についての記事を書きました。
私の10年弱のコールセンター勤務経験を元に書いたものです。
その反響が多くあったのですが「コールセンターは精神的に追い込まれる職業だ」と考えられていることに、違和感を感じました。
私は、オペレーター(電話の受発信をする人)はそれほどきつい仕事ではないと思っています。
もちろん、辛いこともあるでしょう。
私も新人時代にきついと感じたことは確かにあります。
(その気持ちは、オペレーターさんの教育にあたる上で絶対に忘れてはならないものだと思っています。)
でも、コールセンターに限らず、どんな仕事にもある程度の辛さはついてまわるもんじゃないのかな?
ううん。私が思っている以上に辛い思いをしているオペレーターさんがいるのかもしれないですね。残念です。
クレームを一人に背負わせるようなところで働いてはいけない
問題なのは、クレームを一身に背負いこませるやり方です。
今時、あまりそういったセンターは無いのでは(無いと願っています)と思うのですが、クレームは組織で対応するものです。
もし、今読んでいる方が精神的に追い込まれているのであれば、会社をやめてしまった方がいいかもしれません。
問題は会社の組織なのではないか、と思うのです。
自身で「会社の組織を再構築する、社員の意識を変える」そういったアクションを起こせるのならば、会社にいても希望はあるかもしれません。
そうでないなら、もっとあなたを大事にしてくれるところに転職するべきではないでしょうか。
私ならこんなセンターでは働きたくありません。
- 自分がクレームを受けていることを周りの誰も知らない。
- クレーム対応中のサポートがない(資料の用意、指示など)
- 30分同じ話をしているのに立場が上の人が電話を変わってくれない。
- 個人を攻撃されているのに放置されている
- 重篤ないやがらせ(会社の糧にならないクレーム)をオペレーターに任せている。
- 「助けて」のアラートをあげる方法がない(クレームを受けたらヘルプカードをあげるとか、机の上になにか立てるとか…)
クレームが少ないセンターだってあります!
クレームは一身に背負うものでは無いと、上で書きましたが会社のサポートがあってもクレーム電話をとりたくないという方もいるでしょう。
コールセンターというと、クレーム対応ばかりと考えている人が多いようですが、実はそうでもありません。
クレームの多さはそのセンターによってまるで違います。
クレームとはほぼ無縁のセンターもありますし、逆にクレーム対応専門の部署で働いている人もいます。
私が配属されたセンターの範囲でしかお伝えできないのですが、クレームが少なかった業務の例をあげますね。
これからコールセンターで働こうとしている人の、参考になればと思います。
ヘルプデスク
商品の使い方をお客様に教える窓口です。
比較的クレームは少ないように思います。
お客様は「教えて」というスタンスで電話をしてきます。
ここでクレームになるのは「オペレーターさんの応対」や「間違った案内」でしょうか。
マニュアルが整備されていて、オペレーターさんの教育が行き届いているセンターであればクレームは少ないように思います。
もちろん、ここでオペレーターさんの応対に対してのクレームがあったとしても、そんなに気に病むことはありません。
クレームは組織に向けられているんです。
マニュアルやQAの不足、教育の問題、通話時のサポートはどうか?等。
代理店窓口
例えばA会社の電話を売っている代理店をサポートする窓口。
これは、エンドユーザー(商品を使う人)の窓口ではないため、非常識なクレームはあまり発生しません。
世論調査
これは、選挙前に短期間で発生する仕事です。
電話をかけるのはRDD方式といって、コンピューターで無作為に番号を作り電話をする方法を用います。
ですから、こちらにはお客様の情報は何もありません。
電話口で協力をお願いして、断られればそれまでです。
次の人に電話をかけます。
まれに「電話をかけてくるな!」と怒鳴る方もいらっしゃいますが、長引く事はありません。電話を切れば、それっきりです。
「クレームで大変だった」という話は聞いた事がありません。
保険金・給付金の受け取り請求の窓口
私が経験した中で、一番クレームが少なかった仕事はこれです。
怪我をした、病気になったという加入者様から話を伺い、必要な書類を発送するまでのお仕事です。(書類の提出先・審査はこの窓口ではありませんでした。)
50人規模のセンターでしたが、クレームは2ヶ月に1度程度くらいだったと思います。
でも、若い子の重篤な怪我や、家族の死亡の話を聞き取りする時は涙が出そうになります。(もちろん泣いてたら仕事にならないです。)
他にも、クレームの少ないセンターというのはあると思うんですよね。
商品の注文窓口とか(実際、携わったことがないのですが、イメージです。)
テクニカルサポート、料金督促等はクレームとは切っても切り離せないところです。
私の経験では、「一方的なサービス終了の案内・問い合わせ窓口」のセンターがクレームは多かったです。
働くなら、新人層のケアはどうなっているのかを確認するべし
では、クレームが少ない職場を選べば精神的に楽なのでしょうか。
私は、一概にそうはいえないと思います。
クレーム対応について先日は個人の応対方法を書きました。
でも残念ながら、応対方法がうまくてもクレームはおさまるとは限りません。
クレーム対応は「業務知識が豊富なこと」というのが大前提です。
いくら応対が上手くても、業務知識がないとお客様を納得させらせません。
経験が長くなれば業務知識も厚くなり、クレームにも強くなってきます。
クレームに弱い、新人層へのケアは本当に大事だと思うんです。
例えば「入社3ヶ月は新人とわかるように黄色のストラップをつけている(そのストラップの色の人にはクレーム応対をさせない)」「新人は、フォローを受けやすいように前のほうの席配置されている」「入社3ヶ月は自分のお世話係を決められていて相談しやすい」というような対策が練られていると、働きやすいと思いませんか?
クレームが少ない業務でも、いきなり海原に投げ出されるような方法で電話をとらされたのではそちらの方が辛いと思うのです。
要は、やっぱり会社の組織次第だと思うんですよね。
もし、これからコールセンターで働きたいと思う人がいるのであれば、面接時にでも新人のサポート体制はどうなっているのか?というところを確認してみるといいかもしれません。
働きやすい環境は人が作る
私はクレームを受付したオペレーターさんには、必ず声をかけるようにしていました。
「お疲れ様。大丈夫?少し休憩する?」
「さすが○○さん。頼もしいね!いつもありがとう。」
オペレーターさんだけではなく、二次対応をした同僚にも声をかけるようにしていました。
逆に、私がクレーム対応をした後は気遣う一言がありました。
オペレーターさん同士でも、気を使い合うセンターだと、働きやすいですよね。
クレーム対応を一身に背負わされていると、やる気が減少するだけでなくオペレーターさんのモラルまで低下してしまいます。
「昨日、電話してきたバカがさ〜。」
なんてお客様を蔑む会話を当たり前にしているなら、そのセンターってもう末期症状かも。
コールセンターで働いている方、自身の職場の環境はどうですか?
管理者層にとっては環境整備や組織の構築って大きな課題ですね。
働きやすいコールセンターが増えてくるといいな、と思ったのでした。
最後まで、読んで頂きありがとうございました。