トップ > 富山 > 6月7日の記事一覧 > 記事

ここから本文

富山

カラス被害5000万円超 呉羽ナシ 13年比で2000万円増

ワイヤで対策 追い付かず?

 富山市の呉羽丘陵で生産される「呉羽ナシ」のカラスによる昨年の被害額が、2年連続で5000万円を超えたことが分かった。過去5年で最も低かった2013年と比べると、約2000万円の増加。6日の県議会農林水産委員会で、県が報告した。(山中正義)

 県によると、カラスによる農作物への被害は、イノシシなど主要鳥獣による被害の半分近くを占め、その大半が呉羽ナシへの被害。一五年は五千四百四十万円(百四十九トン)、一六年が五千六百四万円(二百五トン)だった。

 生産者は被害を防ごうと、一四年から、つやを消した黒色ワイヤを果樹園に張るなど対策を講じてきた。整備前の実証試験で、ワイヤを張った場所では被害が八割減ると証明されたが、被害が高止まりしていることに、県農村振興課の担当者は「ワイヤを張ったところは被害が減少したが、対策をしていない所にカラスが動いた可能性がある」と推測する。

 ワイヤ対策の資材費には国の交付金を充てることができ、これまでに作付面積百三十八ヘクタールのうち三七・九ヘクタールに設置。二〇年度までに七六・八ヘクタールに拡大して対策を強化する。

 果実に黒い斑点ができる「黒星病」は一昨年に深刻な被害をもたらしたが、今年五月中旬の発病率は、5・1%で昨年並みにとどまった。

 呉羽ナシの生産を巡っては、担い手不足の問題も深刻化し、作付面積は昨年までの十年間で三十ヘクタールも減少。生産者は三百四十二戸から二百九十一戸に減った。担い手の高齢化も進み、六十歳以上の生産者が占める割合は五割から七割に増えている。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索