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作業員の肺から2万2000ベクレル検出 原子力機構
管理体制焦点に

2017/6/7 13:26 (2017/6/7 16:04更新)
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 日本原子力研究開発機構は7日、茨城県大洗町にある「大洗研究開発センター」の燃料研究棟で男性作業員5人が被曝(ひばく)した問題で、1人の肺から最大約2万2千ベクレルの放射性物質が計測されたと発表した。原子力規制委員会の田中俊一委員長は同日の定例会見で「注意深く放射性物質を取り扱うのは基本だ。(原子力機構は)経営陣も含めて真剣に反省すべきだ」と批判した。今後、管理体制の不備などが問われそうだ。

記者会見する日本原子力研究開発機構の担当者(7日午後、文科省)=共同

 原子力機構によると、肺から検出された放射性物質はプルトニウム239。他の放射性物質も含めて5人のうち、3人から検出された。内部被曝している可能性が高いものの、現時点で健康影響は出ていないという。

 5人は被曝医療施設のある量子科学技術研究開発機構(千葉市)に搬送された。放射性物質を体内から排出する薬剤の投与を受けているという。

 2万2千ベクレルが計測された作業員は50代で同機構の職員。原子力機構は「将来的に健康影響が出る可能性を否定できない」との見解を示した。

 この作業員について放射性物質が体内にとどまった場合、最初の1年間の被曝量は暫定で1.2シーベルト、50年間では12シーベルトに達する計算になるという。緊急時の作業員の被曝線量の上限は年50ミリシーベルトと決められており、その値を大幅に上回ることになる。

 被曝した作業員は6日午前11時15分ごろ、実験で使ったプルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末が入った袋の取り扱い中、袋が破裂したという。破裂した原因は現在調査中だ。

 原子力機構は文部科学省傘下の国立研究開発法人。事故や安全管理上のトラブルが相次ぎ、昨年末に廃炉が決まった高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)の運営主体でもある。

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