Appleが2017年末にiMacのフラグシップモデルとなるiMac Proをリリースすると発表しましたが、これは通常のiMacと何がどう違うのか比較してみました。分かりやすいように通常のiMacをカスタマイズしてiMac Proの仕様に近づけたバージョンで比べてみたいと思います。
iMacとiMac Proのスペックを比較
27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデルの標準モデルとカスタマイズモデル(Core i7、32GB RAM、1TB SSDにカスタマイズ)とiMac Proのエントリーモデルのスペックです。
iMac Retina 5K | iMac Retina 5K CTOモデル |
iMac Pro | |
ディスプレイ | 27インチ(対角)Retina 5Kディスプレイ 5,120 x 2,880ピクセル、十億色対応 500ニトの輝度 、広色域(P3) |
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CPU | 3.4GHzクアッドコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.8GHz) | 4.2GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大4.5GHz) | 8コアIntel Xeonプロセッサ (Turbo Boost使用時最大4.5GHz) CTO:10コア/18コア |
GPU | Radeon Pro 570 4GB VRAM |
Radeon Pro 580 8GB VRAM |
Radeon Pro Vega 56 8GB HBM2メモリ CTO:Radeon Pro Vega 64(16GB HBM2メモリ) |
RAM | 8GB 2,400MHz DDR4 ユーザーで交換可 |
32GB 2,400MHz DDR4 ユーザーで交換可 |
32GB 2,666MHz DDR4 ECC 64GB/128GBに変更可能 ユーザーで交換不可 |
ストレージ | 1TB Fusion Drive | 1TB SSD | 1TB SSD 2TB/4TBに変更可能 |
FaceTimeカメラ | 720p | 1080p | |
外部ディスプレイ | 1台:5,120 x 2,880ピクセル 60Hz 十億色対応 2台:3,840 x 2,160ピクセル 60Hz 十億色対応 2台:4,096 x 2,304ピクセル 60Hz 数百万色以上対応 |
2台:5,120 x 2,880ピクセル 60Hz 十億色対応 4台:3,840 x 2,160ピクセル 60Hz 十億色対応 4台:4,096 x 2,304ピクセル 60Hz 数百万色以上対応 |
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オーディオ | ステレオスピーカー、マイクロフォン、3.5mmヘッドフォンジャック | 強化されたステレオスピーカー、4つのマイクロフォン、3.5mmヘッドフォンジャック | |
接続と拡張性 | SDXCカードスロット USB 3(USB-A) x 4 Thunderbolt 3(USB-C)x 2 10/100/1000BASE-TギガビットEthernet ケーブルロック用セキュリティスロット |
SDXCカードスロット(UHS‑IIに対応) USB 3(USB-A) x 4 Thunderbolt 3(USB-C)x 4 1Gb、10Gb Ethernet(Nbase-T Ethernetは1Gb、2.5Gb、5Gb、10Gb Ethernetに対応) |
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サイズ | 高さ:51.6 cm、幅:65.0 cm、スタンドの奥行き:20.3 cm、重量:9.44 kg | 高さ:51.6 cm、幅:65.0 cm、スタンドの奥行き:20.3 cm、重量:9.7 kg | |
キーボード | Magic Keyboard | スペースグレイ Magic Keyboard | |
マウスとトラックパッド | Magic Mouse 2 or Magic Trackpad 2 | Magic Mouse 2 or Magic Trackpad 2 | スペースグレイ Magic Mouse 2 or Magic Trackpad 2 |
カラー | シルバー | スペースグレイ | |
価格 | 198,800円 | 420,600円 | 4999ドル(約550,000円) |
通常モデルの27インチiMac 5KをカスタマイズしてiMac Proに近づけると42万円という驚きの価格になるので、それならCPUやGPUの性能が大幅に強化されているiMac Proを頑張って買ったほうがいいのかもしれませんね。
iMac Proの特徴
カラーがスペースグレイのみ
iMac Proのカラーはスペースグレイを採用しています。本体だけではなく、Magic Keyboard、Magic Mouse 2、Magic Trackpad 2もスペースグレイ!これはカッコイイ!!
通常モデルのiMacにはないカラーで、単体販売も行われないのでこれだけでも価値があるのではないかと思ってしまいます。
CPU:Intel Xeonプロセッサ
iMac ProにはIntelのワークステーション向けのCPUプロセッサで、今では当たり前となりましたが先行してマルチコア化をし性能が高いことからハイエンドマシンに搭載されることが多いCPUで、通常モデルのiMacに採用されているクアッドコアのCore i7よりもはるかに性能の高いものとなっています。
- Xeon 8コア
- Xeon 10コア
- Xeon 18コア
8コア、10コア、18コアから選ぶことができるiMac ProのXeonプロセッサですが、採用される型式は不明となっていますが、8コアならE5-4655v4、10コアならE5-4627v4、18コアならE5-4667v4などがあります。 ただ、Turbo Boostの周波数やキャッシュに容量がAppleの発表のものと異なるので最新型のXeonプロセッサが搭載されるのかもしれません。
GPU:AMD Radeon Pro Vega
iMac Proは「AMD Radeon Pro Vega」というグラフィックカードが搭載しています。VegaはGPUのパッケージ内にVRAMの代わりとなるHBM2メモリを搭載しているので最大400GB/sでデータ転送が可能となり、より多くの処理をすることができる優秀なGPU。
Radeon Pro Vegaの性能は単精度浮動小数点が11TFlops、半精度浮動小数点が22TFLOPSとなっています。ちなみにPS 4 Proの単精度浮動小数点は4.2TFlopsです。
- Radeon Pro Vega 56(8GB HBM2メモリ搭載)
- オプション:Radeon Pro Vega 64(16GB HBM2メモリ搭載)
RAM:32GB DDR4 ECCメモリ
iMac ProのRAMには2,666MHz DDR4 ECCメモリーを搭載しています。通常モデルのiMacも2017年モデルで2,400MHz DDR4のRAMを採用しましたが、iMac Proはさらに上を行く2,666MHz DDR4 ECCメモリーを採用。
- 32GB 2,666MHz DDR4 ECC
- 64GB 2,666MHz DDR4 ECC
- 128GB 2,666MHz DDR4 ECC
ECCメモリーはエラーを検出し正しい値に訂正することができるメモリーモジュールでサーバー用途のパソコンで採用されています。iMac ProでECCメモリを採用したことでサーバーとしての利用も可能となるでしょう。
SSDストレージ:最大4TB、3GB/sの高速スループット
iMac Proは最大3GB/sの読み書きが可能な高性能な高性能なSSDストレージを採用しているので、4K動画などの大きなデータもサクサク読み書きすることができるようになります。ちなみに、通常モデルのiMacのSSDストレージは2GB/sのスループットとなっています。
強化されたステレオスピーカー
iMac Proのスピーカーはウーファーとツイーターの2ウェイ構造になっており、音質がかなり良くなっています。
最近のAppleはスピーカーの音質にこだわっていますね。Beats Musicを買収したことがいい影響を与えているのでしょうかね。
UHS‑IIに対応のSDカードスロット
何気に嬉しいのが高速転送ができるUHS‑IIに対応したSDカードスロットを搭載しているところでしょうか。
右のカードがUHS‑IIのSDカードです。UHS‑IIに対応したカードリーダーを使うことで超高速でデータを読む込むことができるのですが、専用のカードリーダーなしでiMacのデータを読み込むことができるのはとても良いですね。
MacBook Proにも搭載して欲しいな...。
まとめ:iMacカスタマイズモデルを買うならiMac Proを選ぶべし
27インチiMac 5Kをガチ盛りでカスタマイズしたモデルを買うのであれば、ちょっと頑張ってXeonプロセッサにRadeon Pro Vega 56のGPUを搭載した8コアのiMac Proモデルを購入した方がいいかもしれません。広色域(P3)に対応した5Kディスプレイに、しっかりとしたスピーカーで音質も良さそうですし、映画を見るのにも適しいているかもしれません。
僕はiMacよりもMacBook Pro派なのですが、iMac Proを見たら普通にほしくなってしまいました。さすがに55万円は高いですけど。
Mac Proと比較するとiMac Proは安い
ただ、Mac Proと比較するとiMac Proは意外と安いようにも感じます。
Mac ProをiMac Proと同じようなスペックにカスタマイズして見たら普通に50万円を超えてしまいました。Noディスプレイ、Noスピーカー、No SDカードスロット、No Thunderbolt 3なのに。
そう考えるとiMac Proは5Kディスプレイを内蔵してこの価格なら意外とお買い得なのかなと思ってしまいますね。
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