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ジビエ入門に最適? ウシガエルを捕って食べてみよう

COVER
2017.06.07
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ジビエ入門に最適? ウシガエルを捕って食べてみよう

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2017.06.07
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平坂 寛

Monsters Pro Shop 編集長
「五感を通じて生物を知る」をモットーに各地で珍生物を捕獲しているライター。
生物の面白さを多くの人々に伝え、深く学ぶきっかけとなる文章を書くことを理念としている。

著書:「外来魚のレシピ〜捕って、さばいて、食ってみた〜」
「深海魚のレシピ〜釣って、拾って、食ってみた〜」(ともに地人書館)

万能食材ウシガエル
近年、狩猟やジビエ料理への注目度がにわかに高まってきている。
しかし、狩猟免許を得て猟銃や罠で鳥や獣を狩るという行為はやはり一般人には敷居が高い。
だが資格も道具も必要としない、誰でも手軽にチャレンジできる狩猟採集活動が世の中にはある。
今回は誰でも手軽に獲れて、しかもどう調理しても美味い「ウシガエル(Rana catesbeiana)」の捕まえ方、食べ方について紹介したい。

これから春を迎え、空気が暖かく湿りだすと、カエルたちの声で水辺がにわかに騒がしくなる。その声質や唱法は種によってさまざま。しかし、その中で明らかに異彩を放つ「グゥーッ!ムゥーッ!」という奇声を発するものがある。この声の主こそがウシガエルだ。
ウシガエルは田園地帯に多く見られる。いれば夜間に大きな鳴き声が響くので、生息の確認は容易だ。

水田につながるため池もホットスポット。

「牛蛙」なる和名はこの鳴き声が牛のそれと似ていることからついたものである。実際、初めてこの声を聴いて本物の牛と勘違いしてしまう都会っ子も珍しくないという。

他のカエルたちとは比較にならないほど圧倒的な声量と巨体を誇るウシガエルだが、実は元から日本にいた生物ではない。北米から20世紀初頭に食用目的で持ち込まれ、野外に拡散・定着したいわゆる外来生物である(『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)』により特定外来生物に指定されているため、生きたままの輸送や飼育は原則禁止)。ちなみに原産国での呼び名も“bull frog(牡牛蛙)”だったりする。
まだトノサマガエルほどしかないウシガエルの子ども。うっかり在来のカエルと間違えてペットにしたりしないよう気をつけよう。

で、そもそも導入の理由が食用目的であることからも察しがつく通り、このカエルは文句なしに美味い生物である。…信じられない?なら、ためしに獲って食べてみよう。

少数なら網でもよし。手づかみでもよし。陸にいる個体に網をかぶせて捕まえるのが正攻法。虫捕り網だと暴れて壊されてしまうこともあるから要注意。


手づかみだっていい。ただし、すぐにちゃんと手を洗おうね。

陸にいる個体にそっと近づき手づかみするもよし。無難にタモ網を被せるもよし。捕まえ方は様々だが、ここでは最も効率よく、確実に捕らえることができる「釣り」による捕獲法について触れてみたい。

ウシガエルを釣ってみる
ウシガエルは口に入るサイズで、かつ動くものであれば何にでも食らいつく習性を持っている。
よって、昆虫やミミズといった本物のエサを用意する必要はない。消しゴムのかけらでも紙切れでも、目の前で上手く動かしてやれば十分に疑似餌として機能する。
だが、ここでは操作性と手返しの良さを考え、軟質ビニール製のソフトルアーをおすすめしておく。おう、どうせやるなら本格的にいくぞ。
たくさん捕まえたいなら釣りが高効率。軟質ゴムやソフトプラスチック製のルアーを使うのがベストではある。だけど、ぶっちゃけかまぼこでも消しゴムのかけらでもなんだって釣れることは釣れる。要は鼻先で針のついた何かを動かしてやればいのだ。

竿はその辺に転がっている竹や木の棒でもいいが、リール竿を使えれば何かと有利。

ウシガエルごときにそこまで…と思われるかもしれないが、まとまった数を確保するために突き詰めていくとこういう形になってしまうのだ。もちろん、とりあえず一、二匹獲れればいいというのであれば、もっと簡素な仕掛けで構わない。テキトーな釣り針にタンポポの花をくっつけるだけとかね。

釣り方はいたってシンプル。息を殺してウシガエルに近づき、その鼻先へルアーを静かに落としてやる。その場で虫がもがくように小さく動かすと、こちらを警戒していなければ飛びかかるように食いついてくるはずだ。

食い損ねることもままあるし、一口では釣り針をきちんと頬張れないことも多いので焦ってはいけない。しっかりルアーを咥えこんだのを確認したら、竿を鋭くあおって顎に針を掛け、一気に手元へ引き寄せる。
もし上手く食わなかった場合は、もう一度目の前へルアーを落として追い食いを狙おう。

獲れた!その場で解体して持ち帰ろう。

解体・調理
一般的にウシガエルの可食部はほぼ後脚部に限られる。前脚や頭部はほぼ骨と皮、胴体には各種臓器が包まれているばかりで肉がついていないのだ。
そのため、後脚を付け根から切り落とすだけであらかたの解体は終わってしまう。哺乳類はおろか、魚類よりもはるかに簡単だ。皮はタイツを脱がせる要領で…


ずるっと剥がせる。よく下半身のシルエットが人間っぽいと言われるが、気にしてはいけない。皮と肉の間に寄生虫がいる場合もあるので、事後には手と調理器をよく洗おう。


見た目のクセが強くなってしまうので、つまさきは落としてしまった方がいい。平気なら別にいいけど。

だが、残された上半身も皮と内臓を除去すれば利用できる。煮込めばいいダシがとれるので、スープやラーメンに使ってみても面白い上半身にも少ないながら肉はついている。ダシもとれるので、ぜひ捨てずに使ってみよう。

ただ一つの注意点は、先ほども述べた通りウシガエルは外来生物法によって特定外来生物に指定されているため、生きたままの移動や畜養が禁じられていること。野外で捕まえたウシガエルは現地で締めてから持ち帰ろう。
締める際は両脚を掴んで頭を岩や木などに叩きつけるのが一般的。苦しまぬよう、一思いに済ませよう。

鶏肉と思って調理すべし!
解体してしまえば、あとはもう何も難しいことはない。
ウシガエルの肉はまったくクセがなく使いやすい食材である。味も(ほんの少し魚っぽさを感じる場合もあるが)ほぼ鶏肉である。
そう、鶏肉と思って調理してしまって差し支えない。

調理例を紹介しておこう。

ウシガエルの唐揚げ。上は皮つき。皮はもちもちした食感で悪くないが、臭うこともあるので慣れないうちは剥いでしまった方が良い。


ウシガエルのケイジャン風。原産地のルイジアナなどでは実際にケイジャン料理の材料として珍重される。


原産地では「カエルつかみ」なるものまで販売されている。ハンティングの対象として地位を確立している(?)証拠だろう。


中華っぽくバンバンジー風にしてもよし。実際、中華料理でカエルは「田鴨」と称され多用される食材。


洋食にだってもちろん使える。チキンライスならぬフロッグライス。


クリームシチューなど原型がわかりづらい料理にしてしまえばカエル嫌いでも食べられるかも?まあ、苦手なら無理して食べる必要もないと思うが。


スパゲティーにも。早い話がなんでもありなのだ。ほぼ鶏肉だから。


ガラで取ったダシで鍋や


ラーメンにしてもよし!個人的にカエルラーメンで一発当てられるのではという気がしている。

と、こんな具合にウシガエルはどう料理しても美味いのだ。ボンカレーばりに。
しかも捕まえやすいし、さばきやすい。さらには低脂肪高タンパクでヘルシーときている。

梅雨を迎えるこれからの季節、ウシガエルたちはより活発に動きだす。
あなたも今年の夏はウシガエル狩りとカエル料理にチャレンジしてみてはいかが?
今流行りのジビエへの入門に最適ですよ。

いや、冗談抜きで。

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