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「“地域循環”、“地産地消”はキレイ事」。“地方創生の雄”兵庫県養父市トップに聞く、日本復活の鍵

2016年8月28日 09時00分 (2016年8月31日 09時03分 更新)

 無論、養父市の中にも、「このままではいけない」と奮い立ち、チャレンジしている地元の事業者も存在する。たとえば、“幻の豚”と呼ばれる養父市のブランド豚「八鹿豚」は、養父市でたった1軒となってしまった若手の女性養豚農家が「『最後の一軒』を強みにしたい」と精魂込めてつくり上げたブランドだ。養父市発のブランドを育てるべく、市もサポートを惜しまない。

 とはいえ、養父市の取り組みは順風満帆なわけではない。7月31日、市政に激震が走った。三野氏が、6か月あまりの任期を残して突如副市長を辞したのだ。

 表向きは「健康上の理由」とされているが、やぶパートナーズ株式会社が経営しているローソンの不明朗な会計を理由に三野氏を糾弾するだけ糾弾し、市の改革のために旗を振ろうともしない議会に、ほとほと嫌気が差したのだという。

◆「俺が言うから、正しいに決まってるだろ!」

「僕がよく言うのは、『過去の延長線上に未来なし』なんです。市長があれだけエネルギーを持って改革を進めて来たということは、以前と同じ農業をやっていても意味がないということ。でも、地元の重鎮と呼ばれる人たちはあくまで過去にしがみつきたがるんですよ。『俺が言ってるんだから、正しいに決まってるだろ!』と言わんばかりの態度をとるんですね」(三野氏)

 既得権益からの反発や、市民との意識のズレは、広瀬市長の前にも課題として立ちはだかった。

 広瀬市長は、農業委員会から市長への権限移譲はもちろん、地域の高齢者の生活水準を高めるため、シルバー人材センターに登録している会員の労働時間の制限緩和や、タクシーも利用できないような山間部でのライドシェア(相乗り)を訴えてきた。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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