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【社会】「国会審議は不条理」 「共謀罪」広がる音読 再現劇を6・11全国一斉開催
「共謀罪」法案をめぐる国会審議を音読する北陸発の活動が、全国に広がっている。質疑を声に出して読むことで、国民の理解を置き去りにして進む法案審議の問題点を浮き彫りにする試みだ。十一日には全国の市民グループらが各地で一斉に開催。「国会で何が起こっているかを体験しよう」と参加を呼び掛けている。 (中山洋子) 衆院予算委や法務委の攻防を、金田勝年法相や民進党の山尾志桜里議員らになりきって再現する音読劇は、先月十五日に石川県で始まった。 金沢市の主婦小原美由紀さん(52)が書き起こした国会質疑を「声に出して読んでみよう」と数人で始めたところ、その手軽さと面白さが共感を呼び、後に続く人たちが相次いだ。これまでに北海道から鹿児島まで全国十四都市の二十二カ所で同様の「音読」が自発的に催されてきた。 「『そもそも』という意味にはですね」と、辞書にない解釈を披露した安倍晋三首相を演じたり、「告発された場合でも、嫌疑がなければ捜査の対象にはなりません」と犯罪捜査の基本を逸脱する金田法相の珍答弁をしどろもどろに読み上げたり。各会場で繰り広げられる喜劇のようなやりとりが、現実の国会審議と知って驚く参加者は少なくない。 活動を紹介するホームページ「コッカイオンドク!」には各地の開催予定のほか、実際にやってみた人たちの報告や音読劇の動画、これから試みる人たちのためのコツなども掲載。台本となる国会審議の書き起こしも続々追加されている。 「全国一斉実施」の呼び掛けへの呼応も早く、全国十カ所(六日現在)での実施が決まっている。参加地域はまだまだ増える見込みという。 先月末に神奈川県藤沢市の駅前広場で音読劇を行った弁護士の太田啓子さん(41)は「こんなに簡単に、こんなに少人数で共謀罪の問題点を可視化できるアクションはなかなかない。どんな不条理劇よりも不条理を感じられる国会審議の音読をぜひ各地でやってみてほしい」と呼び掛けている。 ◇ 十一日の全国一斉実施は首都圏では、神奈川県藤沢市のJR藤沢駅北口サンパール広場で午後四時から、東京都調布市若葉町一の市東部公民館で午前十時からそれぞれ行われる。調布の会は定員二十人(先着順)で資料代三百円、申し込みはEメール=chofu-mums@excite.co.jp=へ。 ◆反対署名144万人「共謀罪」創設に反対する署名が六日正午現在で、百四十四万三千五百五十人分に達した。共謀罪に反対する市民や法律家、労組関係者らでつくる市民団体「共謀罪NO!実行委員会」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼び掛け、三月から全国の街頭やインターネット上で集めた。五月十二日の約五十五万三千人分から一カ月足らずで八十九万人分増えた。今週末に再集計した分を加え、十二日までに参院に提出する予定。 PR情報
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