2017年現在、沖縄バブルに伴いリゾート物件の建設ラッシュも始まっており、沖縄への移住者や観光客も年々増加傾向にあります。そんな沖縄の不動産を購入する投資家の中には投資目的としてだけでなく、自身の別荘代わりとして使うケースもあるようです。沖縄の物件にはリゾート地ならでは独自の需要や特徴がありますので、読みながら理解を深めていきましょう。
沖縄県の投資用物件の利回り
一般的に大都市圏ではなく地方都市での不動産投資をする場合、利回りの高さが魅力となります。地方は地価が安いので取得した物件を賃貸に回せば、家賃を低額にしても投資額が少ないため回収しやすいからです。しかし残念ながら沖縄の地価は昨今上昇を続けているため、この例に当てはまりません。これは沖縄が島の集まりであり自然が豊かであり、居住範囲が少ないため投資用の物件も限られているといった要因があるからです。
このため土地を新たに購入して貸したり、賃貸用の物件を建てるとなるとトータルの費用が高くなってしまい、利回りも低くなるのでおすすめできないのが現状です。沖縄で不動産投資を考えた場合、必然的に賃貸用建物を購入したほうが利回りが良くなると言えそうです。
特に那覇市には投資用マンション物件が多くなっており、沖縄県全体の投資用物件の内、およそ半分が那覇市に集中している状況です。沖縄全体の投資用不動産物件の利回りを見た場合、概ね4~11%台とかなりの幅があると言えます。また一棟丸ごとを売りに出しているものは少なく、そのほとんどが部屋ごとに売りに出されるケースが多くなっています。
こういった区分タイプのものは初期費用を安くできるものの、仮にその部屋に入居者が入らない場合は家賃収入がゼロになりますので注意が必要です。一方、一棟ものの物件を所有しておけば、入居者が1人でもいれば少ないながらも家賃収入が得られます。区分所有タイプで築年数の経った物件であれば200万円台から購入できますので、そういった意味では比較的参入しやすいと言えそうです。
沖縄県内の交通事情や客層、投資物件の特徴
先ほど沖縄で不動産投資を行う場合は、マンションタイプの物件が多いと述べました。次はどのような客層がマンションを求めているのかについて見ていきます。
まず沖縄県について特筆すべきなのが、全国一とも言える出生率の高さです。このため若者層に向けたマンションの需要は今後も高いと言えますし、人気があるのはやはり国際通りに出やすい立地の物件です。
次に興味深い点は沖縄には「鉄道網がない」ということです。このため、在来線というよりはモノレール近やバス停近といった物件が扱われることになります。ですが沖縄県では自家用車での移動が多いため、駅やバス停からの距離についてはあまり重視されません。物件に駐車場があり、その広さや料金が手頃なのかどうかで判断されることの方が一般的であると言えます。
もう1つ特徴となるのが、沖縄県が国内屈指のリゾート地であるということです。そのため、アパート物件よりもホテルやマンションタイプの建物が主流となります。マンションのタイプも普段の生活に便利なタイプとリゾート地にふさわしいタイプに2極化される傾向が見られます。
リゾート地に近い場合、民泊可能と謳っている物件もあります。一つの方法として沖縄にバカンスをしに来た層に向けて、長期滞在先としてマンスリーまたはウイークリータイプで貸します。まとまった期間、確実に家賃収入を得るといった使い方もできるのが沖縄での賃貸経営の特徴もあります。この場合、シーズンが限られてしまうので利回りが減少しますが、内装に凝って家賃を上げることで利回りを多少上げることは可能です。沖縄の物件に不動産投資をする場合には、客層も考慮することが重要となってきます。
沖縄での投資はリゾート物件がおすすめ
沖縄への不動産投資を考えた場合、リゾートタイプの物件を選んだ方がメリットが多いでしょう。都市部は競合も激しく、家賃の値下げ競争に巻き込まれることもあります。出生率が高いため若年のシングル層や若い家族などが客層として考えられますが、まだ収入が少ない層でもあるため家賃の低い物件を選ぶ傾向が強くなります。
リゾート地に近い物件であれば、リゾートでお金を使いに来た層への賃貸がメインとなり、ある程度家賃を上げても「ホテルよりは安い」と納得して利用してくれます。エリアにもよりますが、バケーション期間中のウイークリー・マンスリーマンションの稼働率は8割を超える場合もありますので、比較的空室リスクは低いと言えます。
リゾート向けのマンションと言ってもさらに2パターンが考えられます。完全に富裕層に向けた広くて豪華なものと、学生が長期休暇でリゾートに来た時に滞在するようなリーズナブルなものです。後者の場合、学生以外であってもシーズン中のみリゾート地で働くために出稼ぎに来たという労働者も客層になります。ここでも2極化が発生するので、投資するマンションがどちらのタイプなのか、立地や間取り、内装などから判断することが大切です。前者のタイプであれば初期投資が大きいですが、家賃を高めに設定できるため利回りも高くなります。
また、「収益が低い場合は自分で使う」と割り切っている投資家も多いようです。沖縄を単なる投資先ではなく長期滞在先として考えているのであれば、そういった選択肢もアリと言えます。沖縄の不動産に投資をする場合は、他県とは違う視点も持って考えることが大切です。
まとめ
沖縄で投資用不動産を選ぶ際には、一般的な地方の物件とは違った特徴があります。沖縄には他の県にはないリゾート地ならではの特徴がありますので、そういった事情も踏まえてよく検討する必要がありそうです。
もし、沖縄でのアパート経営を検討されている方は、こちらの記事「沖縄県でアパート経営をする際に知っておきたい沖縄特有の事情」もぜひ参考にしてみてください。