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年の瀬に 職をなくしてしまったみね子。
つい 足が向くのはやっぱり ここなんですね。
(みね子)よし 食べちゃおう!
あら?何だか すてきな男の子ですね。
(小銭が落ちる音)すみません!ごめん ごめん!
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
大丈夫?はい 大丈夫です。
ありがとうございました。ごめんね。
♪~
あれ?
1枚 足んねえ… えっ?
えっ?
♪~
あれ?
♪~
はい。えっ?
あっ!そこにありました。
すみません。ありがとうございました!
いえ。いがったぁ!
あの…。はい?
余計なお世話かもしれないけど。はい。
君が悪いんじゃないかな。えっ?
こんな往来の真ん中で 財布しかもがまぐちを開けてたりしたらこういうことになるでしょう?
んですね。
しかも今回は そうならなかったけど泥棒に ここに財布がありますよと教えているようなものだ。
<お父さん。知らない人に怒られました…>
あと ずっと見てたんだけど物を捜す時に君のやり方だと見つからないと思うんだ なかなか。
はぁ…。つまりね。
例えばここに何か 物を落としたとする。
はい。そしたら…。
まず この一角を絶対にないと言い切れるまで捜す。
で 次に…。
分かるかな?はい。
君の場合 こっちかな?いや あっちかな?
ないな こっちかな?
全部が中途半端。
あれだと見つからないと思う。分かるかな?
んですね…。うん 今度から気を付けて。
はい…。じゃ。
あっ ありがとうございました。
<お父さん…。確かに おっしゃるとおりだとは思いますが最初から見てたのかよ。だったら 一緒に捜してくれたっていいじゃないのかという…。すみません…>
でも いがった あって。
この大学生の名前は島谷純一郎さん。
慶應大学の学生さんです。皆さん 覚えておいて下さいね!
あっ!
また やっちまった…。
このさ タマネギさ 自動で むけたらいいと思わない?
思いません。
思わないな お前は何にも。
はぁ~発展しないよ 科学が それじゃ。
あっ ごめん ごめん間違えちゃった。 じゃ 最後。
どうも!
(元治)おっ 来たな 月末コロッケ娘!ハハハ!
ちょっと 何ですか それ。
すんごいお金ない感じがすんですけど。
(秀俊)確かに。♪「今日もコロッケ」
♪「明日もコロッケ」だろ? ハハハハ!
(秀俊)あっ どうしたの?あっ あの…。
あっ そうか 準備中だった?はい。
入れるよ みね子ちゃんなら。あっ いいんです いいです。
あの 悪いですし休み時間ですから。
正しいぞ コロッケ娘。
だから それ やめて下さい。
確かにな 開店5分前なのにさ俺たち まだ休憩時間あんのになって時にさ「いいかな?」って入ってくる客な。あれ やだよな~。なぁ?(秀俊)そうですか?
あと 閉店間際ね 絶対 入んない。
まぁさ 飲食店で働く人間のマナーみたいなもんなんだよな。
手 止まってますよ。
あ?
あの…私 今 すんごく思うんですけど働ける場所があるということはとってもありがたいことなのではないかと。
ですから 大切にした方がいいですよ 本当に!
だよね!はい!
分かりましたよ!
(五郎)あ~ 疲れた疲れた。おう ご苦労さん!
おう!お疲れさまです。
どうも。ん?
あっ お客さんで あの…月に一度。
あぁ 給料日娘か。
アハハ…。(五郎)あれだろ?
最後は ビーフシチューを注文するのを目標にしてるって子だろ?
はい。(笑い声)
(安江)炒飯~!
(五郎)うるせえな またかよ!お前 わざとやってねえか?
俺が炒飯 作り終えて出したあとにわざと炒飯 注文取ってきてんだろ。
炒めるの 1回でいいように注文取ってこいよ。
気が利かねえな 全くな!(安江)はぁ?
言ってやれ ほら さっきの。働くとこがってやつ 言ってやれ。
あの…働く場所があるということはとっても ありがたいと思うんです。
ですから 大切にした方がいいですよ 本当に!
えっ?本当に…。
そうだよねえ!はい!
誰?
ほら あの 月末に一度だけ来るほら 一度だけな 一度だけの。
一度で すみませんね。
あぁ! 茨城娘!あっ はい。
あ~ そう!
言ってることはごもっともだけどな 違うんだよ。
このバカ女房はな 亭主が額に汗して炒めてることへの感謝ってもんが足りないんだよ!
あの店だってな俺がいないと できないんだぞ。
料理だって この腕がないと。それが分かってないんだよ。
なぁ?(元治)なぁ!はぁ?
私が 店の料理ができるようになったらねあんたは クビだかんね。分かってる~?
ゲ… ゲンちゃん…おい ヒデ おい!あの~。
炒飯…。あっ!
あ~ 痛っ! 痛い痛い痛い!(安江)炒飯!
(五郎)分かったよ!
隣の中華屋さん 福翠楼さん。
へぇ…。(ドアが閉まる音)
何か ここ 面白いですね。
そう?はい。
(物音)また来たぞ。
あぁ やってらんねえ。
よっ 御曹司!
(舌打ち)ふざけんな 何が御曹司だ。
あそこの和菓子屋さんの息子。へぇ…。
(秀俊)ちなみに甘いものが大嫌いなんだって。
えっ? もったいねえ。
悪いか?あんこ屋の息子だからってな甘いもんが嫌いで悪いか?
いえ すみません…。
言ってやった方がいいんじゃないか?
さっきの ほら働く場所がってやつ ほら。言ってやれよ バ~ン!
あの 働く場所が…。
うるせえな! 余計なお世話だ。
すみません…。
♪「あんこづくりは」
♪「あんこづくりは」
♪「ああん ああん あん」
♪「勘頼み」ちょいちょいちょいってな!
(元治)よっ 日本一!ハハハハ!
和菓子屋の社長 彼のお父さん。へぇ…。
ヤスハル! お前 何 サボってんだよ!
小豆 煮るぞ 小豆!はぁ…。
分かってるよ。小豆 小豆 うるさいんだよ!
和菓子屋なんだから当たり前だろう。
小豆のおかげでお前は大きくなったんだよ。
お前の体はな小豆で出来てるようなもんだろうが… な?
確かに! よっ 小豆王子!小豆 小豆 うるさいんだよ!
売れ残った豆大福みたいな顔しやがって!
(元治)うまい!(笑い声)
なっ うまいよな。
「売れ残った」ってつけるところが気が利いてるだろ うちの息子。
天才だよ 天才!だろ?
(ヤスハル)あ~あ やだやだ。甘々で やだやだ。
また出ました。和菓子屋だけに甘々ってか!
(元治)うまい! 1枚!(笑い声)
誰?あの 私…。
あっ いけねえ 小豆だよ!小豆 小豆!
♪「あんこづくりは」
変な親子だろ?
(五郎)あぁ 疲れた 疲れた。(安江)ほら 炒飯!
(五郎)いたたたた! 痛い痛い!(ドアが閉まる音)
<お父さん…。東京には いろんな人がいますね>
(鈴子)転んじゃダメよ。またね!
(ドアベル)
うんめえ…。
また来られっかなぁ。
おいしい…。
どうしたの?
そう…。
大変だったわね…。
はい 激動の年末です。
でも 話したら すっきりしました。
そうか…。はい。
ん?ん?
えっ?えっ?じゃ…。
仕事 まだ決まってないの?はい。
今日も 舎監さんが探してくれてるんですけど…。
あ… そう…。
そうか…。
はい。
うちで働く?
えっ?
おかげさまでちょっと忙しくなってきててねホール係をね 1人 探そうかなって思ってたとこなのよ。
え~! えっ? 本当ですか?
まっ 住み込みってわけにはいかないんだけど。はい。
裏のアパート 大家さん仲よしで借りられるし。
エヘヘヘヘ! そうする? みね子。
いいんですか? 本当に?本当に?
じゃ そうするか。はい!
あんたなら 身元も確かだし。
私って 身元 確かですか?
あんたのお父さんと お母さんの人柄は知ってるからね。
これ以上 確かな身元はないからね。
すんごい幸せもんだ 私…。
どうしよう…。アハハ!
ありがとうございます! 本当に!
喜んで! アハハハ!
あっ そうだ!(手をたたく音)
すみません!谷田部みね子 ワン 入ります!
はいよ!谷田部みね子 ワ… あ?
ん?は?
というわけなので。あっ!
どうか よろしくお願いします!
参ったな…。
あら? せっかくの展開なのに何か 問題あるんですかね。
(高子)いち子 今日も かわいいね。「高ちゃんも かわいいよ」。もう!
「高ちゃんは きれいだよ」。もう!
もしかして この人が何かを?
もう いち子! いち子~!