スッケスケ! 波打つ心臓まで丸見えなスケルトンカエル

スッケスケ! 波打つ心臓まで丸見えなスケルトンカエル 1
image: Guayasamin JM, Cisneros-Heredia DF, Maynard RJ, Lynch RL, Culebras J, Hamilton PS (2017) A marvelous new glassfrog (Centrolenidae, Hyalinobatrachium) from Amazonian Ecuador./ZooKeys

スッケスケ!

エクアドルで発見された新種のカエル、学名「Hyalinobatrachium yaku」は、もーのすごくスケスケな体を持つ丸見えカエルです。学名が長すぎるので、ここでは仮にスケスケカエルと呼びましょう。このスケスケカエルは、スケルトンボディが特徴のグラッスフロッグの仲間なのですが、その中でも群を抜いたスケスケ具合なのです。

スッケスケ! 波打つ心臓まで丸見えなスケルトンカエル 2
image: Guayasamin JM, Cisneros-Heredia DF, Maynard RJ, Lynch RL, Culebras J, Hamilton PS (2017) A marvelous new glassfrog (Centrolenidae, Hyalinobatrachium) from Amazonian Ecuador./ZooKeys

スケスケカエルを発見したのは、エクアドルの大学、Universidad San Francisco de QuitoのJuan M. Guayasaminさん。ネタ元のZooKeysに発表されたレポートによれば、スケスケカエルの体長は2cmほど。雄のスケスケカエルは、葉っぱの影からながーい鳴き声を発して、雌のスケスケカエルを惹きつける特徴があるといいますが、自らのボディに比べたらそんな特徴は取るに足りないもの。なにせ心臓を包む心膜すらもスケスケなのですからね。心臓、腎臓、膀胱、生殖器系、何もかもが丸見えです。

スッケスケ! 波打つ心臓まで丸見えなスケルトンカエル 3
image: Guayasamin JM, Cisneros-Heredia DF, Maynard RJ, Lynch RL, Culebras J, Hamilton PS (2017) A marvelous new glassfrog (Centrolenidae, Hyalinobatrachium) from Amazonian Ecuador./ZooKeys

Guayasaminさんの調査チームは、エクアドルのアマゾンにて3つの異なるエリア(110km県内)でスケスケカエルを発見。見た目の特徴は、3カ所それぞれで等しいものでしたが、ライフスタイルが少々異なりました。2つのエリアのカエルは穏やかな流れの川の付近の葉っぱの下にいました。しかし、残りのエリアのカエルがいたのは、人が多く行き来する場所の葉っぱの下。

せっかくの新種・珍種のカエルですが、人間の生活によってその生命が脅かされる状況にあります。水質汚染や道路工事などによって、種が孤立してしまい次世代に命を繋ぐことが難しくなりつつあるのです。もちろん、これはスケスケカエルだけの話ではありませんけれど。Guayasaminさんはレポートの中で、生物多様性の調査において自然がどれだけ大切か、また近年の発展がどれほどそれを脅かしているかなどをエクアドル政府に訴えています。

ちなみに、グラスフロッグが、なぜスケスケボディを持つのか、その理由はまだ解明されていません。

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image: Guayasamin JM, Cisneros-Heredia DF, Maynard RJ, Lynch RL, Culebras J, Hamilton PS (2017) A marvelous new glassfrog (Centrolenidae, Hyalinobatrachium) from Amazonian Ecuador./ZooKeys
source: ZooKeys

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(そうこ)