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ニュートンと林檎の樹 アリスルート オリジナルアフターストーリー

作者:imperial
二次創作が苦手な方はお控えください。
ニュートンと林檎の樹のアリスルートの最後を、こうだったらいいなという追加シナリオを描いてみました。
文章拙く、誤字脱字が多いかもしれません。

   ***
 お互いに背を向けてそれぞれの向かうべき場所に歩き出した。でも、私はやっぱり諦めきれなくて振り返ってしまった。
アリス「しゅう……じ……」
 無意識にこぼれた言葉。
 しかし、その小さなつぶやきは届かず、修二は振り返ることなく地下に潜っていった。
 最後の瞬間まで傍にいたくてあの焼けた林檎の樹に背中を預ける。その数秒後、周囲の景色が一瞬歪んだ。
 たった今、修二と四五が未来に帰ったのだ。
アリス「げんき、で、な……」
 再び温かいものが頬を伝う。ぬぐわなくても自分の涙だということはわかる。
アリス「うぅぅ、やだよぉぉ、しゅうじぃ……」
 おさまったばかりだった涙は、修二がいなくなった寂しさから再びあふれ出す。
アリス「こんなことなら……本当のことなんて知らなきゃよかった……
未来から来たなんて知らなかったら、希望を捨てずに日本に行くために頑張れた     のに、三三〇年後の未来なんて」
 遠い、遠すぎる。どんなにお金を積もうと絶対に行くことのできない場所。死んでも修二に会えない。
アリス「こんな絶望、生まれて初めて味わった。
もっと抱きしめてもらえばよかった……もっと、すごいってほめて頭をなでてほしかった……もう、会えないんだな……
うわああぁぁぁぁぁん‼」
 恥をかくことすら忘れて大きな声で泣き叫んだ。泣いてどうにかなることじゃないけど、泣いてすべてを吐き出さないと頭がどうにかなりそうだった。
 一人でどのくらい泣いていただろうか? 五分? 十分? 一時間?
 嗚咽を漏らしながら呼吸を整えた。
???「モウ泣かなくてもいいのカ?」
 ふと頭上から聞きなれた声が聞こえる。
アリス「ラビ……」
ラビ「ラビもすごく寂しいゾ。」
アリス「ラビは、修二が未来から来たことを知っていたのか?」
ラビ「ウム、一目見ただけでコノ時代の人間じゃないことは見抜けたからナ」
 私よりも先に、しかも修二から聞く前に気づいていたなんて……
アリス「お前に何がわかるんだ……あたしは修二と恋人だったんだ。」
ラビ「……ラビだって修二とつながったんだ、わからないワケがない」
 ラビが小声で何かをつぶやいた。
アリス「ラビ?」
ラビ「なんでもナイ」
アリス「そうか、なら今すぐここからいなくなってくれ。今は一人になりたいんだ」
ラビ「アリス……いや、アイザック・ニュートン。お前はその程度ナノか? 何もせずに諦めるのカ?」
アリス「諦めるも何、方法が無いじゃないか!」
ラビ「無いこともナイ」
アリス「なんだって……?」
ラビ「ニヒ」
 ラビが含みのある笑いを浮かべる。
ラビ「ラビは修二たちと一緒にタイムマシンを直してタ。部品もいくつか提供シた。絶対
   ではなナイが、作れる可能性はあるゾ」
アリス「タイムマシン……そうか、あたしがタイムマシンを作って未来に行けば歴史が変わることはない」
ラビ「希望が見えてきたナ」
 あたしは、ラビと二人でタイムマシンを作ることを決心した。
   ***
 それから私はすぐに寮に戻った。
アリス「ただいま」
エミー「おかえりなさい、お別れ……できた?」
春「アリスちゃん、朝永君達は帰っちゃったけど、私たちも研究を完成させて日本に行こ
  うよ。」
 エミーと春が私を気遣うように声をかけてきた。
アリス「春、ありがとう。でも、もういいんだ。私はこの世界を驚かせるような研究を続
けてやるさ」
春「アリスちゃん……」
 春が瞳を潤ませた。
春「うん! 一緒に頑張ろうね!」
 春が飛びついてくる。春、私は絶対に修二のところに……
エミー「お姉ちゃん、明日からまた研究頑張ろうね!」
アリス「ああ、頼むぞエミー。
あ~でも、今日は疲れたからもう眠らせてくれ」
春「あ、そうだよね……おやすみ、アリスちゃん。今日はゆっくり休んでね」
エミー「おやすみなさい」
 あたしは部屋に戻ると、いつもならまず机に向かっていたが、今日は本当に眠るつもりでベッドに横たわった。
アリス「修二……待っていろ。絶対に会いに行くからな!」
 その後、あたしは深い眠りに落ちた。
   ***
 次の日から、エミーと研究を進めながらも早速ラビとタイムマシンの開発を進めた。
 午前中にエミーとニュートンの論文を進めて、夕方から夜までラビとタイムマシンの開発を進める。
 ニュートンの論文は順調に進んでいった。
エミー「お姉ちゃん、ここの方程式はどうする?」
アリス「こっちにはこの式を当てはめればいいんじゃないか?」
エミー「あ、そうか、さすがお姉ちゃん」
アリス「あと、そこの解説を削ったら少しわかりにくくなる」
エミー「うん」
 しかし、タイムマシンはなかなか進まなかった。もしかしたらカメの歩み寄りも遅いかもしれない。
ラビ「ウムム……やっぱりエネルギー源がナ。エネルギーを増幅させる鏡はアルんだけど」
アリス「う~ん、どれも時間軸座標の移動に役に立ちそうにないな……」
 そんな楽しいような、辛いような日々が長く続いた。

   ***

 修二が未来に帰ってから長い年月が過ぎた。なんていったって五年だ。これは、タイムマシンを完成させるのにかかった時間だ。でも、たった五年で三百年以上の時を超えることができるならそれは短すぎるようにも思える。
 その間に、私はいくつもの研究と論文を出した。エミーと二人で知恵を振り絞って、世界を震わせるようなものが完成したと思っている。
 春は、あたしの考えた名前で研究成果をあげた。ラビもなんだかんだですごい奴だった。ナントカという名前で有名になんていた。
 今では寮にいる全員が歴史に名を刻む有名人となっている。
 一つだけ残念なのが全員偽名なところか。
 あたしは感傷に浸りながら、旅に出る準備をしてエミーに声をかけた。
アリス「エミー、あたしはこの時代でやれるだけのことはやった。発想力だとお前の方が
上だ。これからはエミーが一人でニュートンとして研究を進めてくれ」
エミー「え、お姉ちゃん⁉ ど、どういうこと!」
アリス「修二に……会いに行くんだ。あたしはそのために頑張ってきたようなものだ。
頼む、お姉ちゃんのわがままを、聞いてくれ!」
エミー「お姉ちゃん……まだ修二さんのことを想っていたんだ。
せっかく前よりもきれいになったのに男の人と付き合わないと思ったらそうい
うことだったんだね」
アリス「い、言っとくがなぁ! あたしは修二のことを一度も忘れたことはないぞ!」
 まぁ、毎日のようにタイムマシンの開発をしていたのだから当たり前だ。
エミー「そうだよね……
うん、わかった。私、お姉ちゃんの分まで頑張るよ。それで、お姉ちゃんと修二
さんにニュートンの名前を、成果を届けるよ!」
アリス「ありがとう、エミー。お前は最高の妹だ……」
 私はエミーを抱きしめた。すると、エミーは微笑みながら涙をこぼした。
エミー「お姉ちゃん、大好きだよ。これからは、未知の場所だと思うけど頑張ってね。」
 長い抱擁を交わし、離れた。
アリス「そろそろ、行くよ」
エミー「行ってらっしゃい」
 エミーに見送られながら家を出てラビのもとに向かった。
 余談だが、春は既に日本へと旅立っていた。一年前に研究を全て完成させて、貯めたお金で日本へ向かった。あの時もエミーと春とあたしの三人で、泣きながら抱き合って別れを惜しんだ。我ながら今となっては笑ってしまう。
 そんなことを考えているうちにラビラボラトリーにたどり着く。
ラビ「やっとキたな。準備はできてるゾ」
 ラビラボラトリーに並ぶ装置。これの全てがタイムマシンだ。ラビ曰く、修一郎と修二の二人のタイムマシンの仕組みを合わせて完成させたそうだ。
 タイムマシンに関しては、私はほとんど口を出せなかった分、部品の作成や組み立てはあたしがメインでやった。
アリス「いよいよ、今日が旅立ちの日だな……」
ラビ「長かったナ。でも、これでヤっと修二に会いに行けるナ」
アリス「ラビ、今までありがとう……お前には一番感謝してる」
ラビ「気にするな、ラビがヤりたくてヤっただけダ。感謝されるとむず痒い」
アリス「でも、本当に行かないのか……?」
ラビ「ラビがヒロインのお話はもう終わったンダ。次はアリスの番。
   修二のヒロインはいつも一人だから……」
アリス「ラビ? 何のことだ?」
ラビ「気にするナ。アリスがメインヒロインなんだから、最高のハッピーエンドを迎える
   べきナンだ。ほら、早く準備するんダ」
アリス「ラビ、今までありがとう。本当に感謝してる。
それじゃ、行ってくるぞ!」
ラビ「修二によろしくナ」
 ラビに見送られながらタイムマシンを起動する。
 徐々に部屋中をまばゆい光が包み込み、景色が歪み始める。
 春、エミー。この五年間だましていて本当にすまなかった。二人に会えなくなるのは寂しいけど、あたしはやっぱり修二の隣にいたいんだ!
 意識にもやがかかっていく中、心の中で二人に懺悔をしていた。そのままあたしは意識を失った。

   ***

アリス「う、ん……」
 あたりを見回すと、そこはボロボロの小屋になっていた。
アリス「成功……したのか?」
 今にも崩れそうになった小屋を出て外に出た。
アリス「こ、ここが……未来」
 私は目を疑った。今まで見てきた常識を全て塗り替えられるようだった。
 私は、戸惑いながらも道行く人に日本への行き方を聞き、『飛行機』という乗り物に乗った。
アリス「空を飛んで海を越える乗り物……完成したんだな」
 自分の研究がこうして未来に生かされているのを改めてみると、やはりこみあげてくるものがある。しかし、浮かれてはいられない。あたしはこれから修二に会いに行くんだ。
 長時間飛行機で飛んで、日本へと足を付けた。
アリス「ここが日本か!」
 イギリスにはないような景色を目の当たりにして、私は心が躍るのを抑えられなかった。
 気が付いたら普通に観光しそうになっていた。
アリス「いやいや、あたしは何をやっているんだ! 修二を探さないと……
そういえばあたし、修二の居場所を知らなかった」
 未来にタイムトラベルして、日本に来て、ここまで来たのに居場所がわからないなんて。
アリス「はぁ、出身地くらい聞いておくんだった。」
 途方に暮れていたが、あたしは諦めずに道行く人に修二を訪ねては知らないと返された。
 あたしはトウキョウという場所にホテルを取り、そこを拠点に修二を探すことにした。
 寝る間も惜しんで探し回り、夜遅く人が少なくなったら諦めてホテルに戻る。そんなことを一週間ぐらい続けた。
アリス「はぁ、今日はもう休むか」
 七日目が空振りに終わり、あたしは少し早いがホテルに戻った。シャワーを浴びてベッドに横になると、ドッと疲れが出たのか、体がずしりと重くなる。
アリス「そういえば、タイムマシン作り始めてからはあんまり寝ていなかったな……
今日は今までの分をたっぷりと寝てやるのもいいな。
……修二、早く会いたいよぉ」
 毛布をかぶると、修二の温かさを思い出してしまい、思わず涙を流してしまった。
 数十分もすすり泣いていたら、睡魔が襲い掛かり、あたしはそのまま意識を手放した。
   ***
 翌朝、全身の疲れがきれいさっぱりと取れ、また修二探しへと繰り出した。
 今日はホテルから少し離れて、ある理系の大学の周辺を探し回ることにした。
アリス「修二が科学をちゃんとやっていればもっと目印になるようなものも探せたのだが」
 道を歩きながら考えていると、ふと数メートル先に人影が見えた。
 瞬間、あたしは思わず走り出していた。
   ***

 現代に戻ってきてから一年の時が流れた。
 その間はめまぐるしいほど忙しかった。科学をもう一度やると決めた俺は、東京のある理系の大学に進学して勉強した。つくづく思ったが、ニュートンはやっぱりすごい奴だった。、大きく発展させたのはやはりニュートンなのだ。教材を見ていても、どれだけ歴史を動かしたかわかる。
 このすごいおじさんが可愛い女の子だったなんて誰がわかるか、答えは否。
 しかも、短い期間であるが、自分の恋人だったとなると、もう現実離れしすぎている。
「はぁ、アリスはあれからどんな人生を送ったんだろう。」
四五「あの光景を見た後ですと、もう史実通りにはいきませんからね。
   アリスさんは誰かと結婚されたんでしょうか?」
「な⁉」
 俺は四五の何気ない一言に心臓を貫かれたようだった。
「四五、一年間恋人に会えない気持ちって考えたことある?」
四五「朝永くんの方こそ、片思いしていた相手に七年会えなかったのに、ずっと思い続けて勇気を出して想いを伝えて振られた人の気持ちを考えたことがありますか?」
「ごめんなさい……胸が痛いです。まじで許して。」
???「しゅうじ!」
 あ、ほら、幻聴が聞こえてきたよ? アリスが俺を呼んでる。
四五「あ、朝永君!」
「うん、だから、反省したから許して?」
四五「違いますよ! あっちを見てください!」
 四五が声を荒げるなんて珍しい、と思いながら指し示す方を向いた。
「え、そんな、嘘だろ⁉」
 金髪のツインテールを揺らす美少女がこちらに走ってきていた。
 最初は幻覚を疑った。目を擦って見えたから夢を疑った。でも俺は走り出した。
「アリス!」

   ***

 未来に帰った時とほとんど変わっていない修二の姿をとらえた時、あたしの体は動き出した。
アリス「しゅうじ!」
 名前を呼びながら修二に駆けていくと、向こうも気が付いたようだった。最初は驚いた表情、次に冷静になって、やっぱり驚いて、こっちに向かって走ってきた。
「アリス!」
 やっと名前を呼んでくれた。愛しいあの声が。また聞けた。
アリス「修二!」
 あたしはそのまま修二の胸に飛び込んだ。
アリス「しゅうじぃ、しゅうじぃ‼ あいたかったよおおぉぉぉぉ!
うあああぁぁぁぁ」
 やっと修二に出会えた安堵からか、涙が止まらなくなった。
「アリス……俺も会いたかったよ。まさか会いに来てくれるなんて思わなかった」
 泣きじゃくるあたしを修二は優しく抱き寄せて撫でてくれた。
アリス「五年間、ずっと辛かったよぉ……修二がいなくなってから、胸に穴が開いたみたいだったし、変な男にばっかり声かけられたりしたし」
「五年……か。長かったな。アリス、すごくきれいになったな。背も伸びたし、その、胸も少し大きくなった」
 修二が五年で成長したあたしの姿を見てつぶやいた。
アリス「でも、五年頑張ってよかった。修二と会えたし、こうやって抱きしめてもらえて、声も聴ける……でも、変態なところは変わらないな。小さいほうがよかったか?」
 せっかく感動の再開なのに、雰囲気をぶち壊す台詞だったけど、これはこれであたしたちらしくていいかな。
「いや、今はアリスに会えただけでもうれしい」
 あたしはその言葉を聞いただけで胸がいっぱいだった。満たされた。
アリス「あたしはもう過去に戻るつもりはないんだ。修二、これからはあたしとずっと一緒にいてくれるか……?」
「アリス、それって⁉」
アリス「三百年の時間を飛ぶ時点でもう覚悟はできている。
修二……あたしと、これからもずっと一緒にいてくれ。もう離れたくない」
「アリス、俺もだ。もう、君を離したくない。ずっと一緒にいよう!」
 そして、あたしと修二は二〇十八年から、また新たな人生をスタートした。
個人的にアリスが好きで、主人公と一緒に居られないアリスがとてもかわいそうだったので、ハッピーエンドルートを作りたいと思って書きました。
もしかしたらこんなこともあったかもしれませんね。
自己満足ですので、恐らく受け付けない方もいらっしゃるかと思います。

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