WWDC2017で新しい「iPad Pro」が発表されました。詳細は他へゆずるとして、筆者が驚いたのは「iPad Proでここまでできるのか?」というデモンストレーションの内容です。Photoshopが要らないのではないかと思わせるようなデモをご紹介します。
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「iPad Pro」とアプリの組み合わせ
デモンストレーションではポスターの作成が行われました。まずは、波をワープ機能で作り、爆煙をレイヤーで重ねます。
次に光源を自由に動かしてライトを当てます。
驚いたのはこの後です。ジャックスパロウの背景をマスクし、髪の毛の境界線を「Apple Pecil」でなぞります。
そして、境界線を確定させると、髪の毛の一本一本まで切り抜きがされます。
この髪の毛の切り抜きは、以前Photoshopユーザーがよく苦心する部分だったのですが、最近になって「境界線調整ブラシツール」という機能で実現できるようになりました。それでも手間がかかります。しかし、デモではほんの数秒でできてしまったのです。
これはiPad Proのスペックが高いことも大きいですが、アプリの発展も大きいでしょう。おそらくデモで使われていたのは「AFFINITY PHOTO」(3,600円)です。Photoshopの全ての機能はないでしょうが、ポスター制作程度の加工なら充分に使えるレベル。そして出来上がったポスターがこちら。
このポスターが数分のうちにできてしまいました。もちろん、デモンストレーションのために練習されたはずですが、ライブ会場であっという間に出来上がったのです。
「iPad」の再発明
iPadは「タブレット端末」という分野を作り出しました。しかし、現在ではWindows10がタブレットで動作し、iPadの売り上げは減少しています。今回のデモでは、マルチタスキングやドラッグ&ドロップ、さらには「Files」でファイルを管理するなど、ほとんどMacと言っていいような「iOS11」の機能追加が紹介されました。
以前のiPadは「iPhone以上、Mac未満」といった中間を埋めるようなポジションでしたが、そうではなく一つの「新しいデバイス」として押し出していこうという姿勢がみえます。これが市場に受け入れられるかどうかは試されるところですが、デモをみた限り、全く新しい体験ができそうです。