米アップルが、米国でのイベント(6月5日開幕)に韓国メディアを招待しなかったことに衝撃が広がっている。会場入場料などをアップル側が負担するため、接待や贈り物の額を厳しく制限する韓国の「不正請託および金品授受の禁止関連法」(通称・金英蘭=キム・ヨンラン=法)に抵触する恐れがあるのが理由とされる。“招かれざる客”の扱いに法解釈の曖昧さを問題視する声も上がり、新政権の首相に指名された李洛淵(イ・ナギョン)氏は「法律の修正を検討すべき時期がきた」と発言。被告になった前大統領の肝いり法律に未練はなさそうだ。
韓国紙・朝鮮日報(日本語電子版)によると、アップルが韓国メディアを招待しなかったのは、6月5日に米国で開幕した「世界開発者会議(WWDC)2017」。5月9日から世界の主要メディアのIT担当記者に招待状を発送したが、韓国メディアの記者は外されていた。昨年、同じイベントを取材した記者がアップル側に照会したところ、「金英蘭法に違反する可能性があるため、今年は招待できないという回答があった」という。
アップルは毎年6月に開くWWDCでスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の基本ソフトの最新バージョンを発表し、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が基調講演でスマホ技術や新製品の開発動向などについて説明してきた。
WWDCに先立ち世界の主要メディアの記者に招待状を送り、取材を支援。約180万ウォン(約17万9千円)の会場入場料や航空券、宿泊費は全額アップルの負担だった。アップル側は違反の疑いはないという明確な法解釈がない限り、今後も韓国人記者を自社のイベントに招かない方針とされる。
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