はじめに
歯の白いしみ(白斑)は、正式名称をエナメル質石灰化不全症といいます。エナメル質ができるとき(幼少期)に全身の状態が悪かった場合や、その時期に飲んだ高濃度のフッ素、初期虫歯、乳歯のときの虫歯などが原因でできます。丸く点状にできたものを”ホワイトスポット”、帯状になったものを”ホワイトバンド”と言います。
いずれの場合も、歯のホワイトニングや乾燥によって白い部分が目立ってしまうことが多く、特にホワイトニング直後は、白さがかなり強くなりますが、歯に水分が戻ってくる24~48時間で少し落ち着いてきます。
1.ペーストによる歯のトリートメント
初期虫歯や、軽い石灰化不全の場合は、MIペースト(リカルデント)を長期間使用することで、完全に消すことはできませんが、目立たなくなってくることがあります。
費用) MIペースト 1本 1,700円
2.ホワイトニング
しみが薄い場合、しみの部分以外をホワイトニングをすることによって、しみを目立たなくすることができます。しみの部分を消すわけではなく、目立たなくする方法です。
注意
- ホワイトニングにはオフィスホワイトニングとホームホワイトニングがありますが、白いしみがある場合は、しみの部分を避けてホワイトニングが可能なオフィスホワイトニングを選択したほうがいいでしょう。
3.エナメルマイクロアブレージョン
しみが小さく、薄い場合はエナメルマイクロアブレージョンという方法によって、歯を削らずにしみを取ることができます。ただし、しみがエナメル質の深くまで及んでいる場合は、完全に消すことができません。
専用の薬剤が必要なため、一般の歯科で行っているところは少なく、審美歯科でも一部のみで取り扱っています。下の写真はエナメルマイクロアブレージョンでしみを取り除いた例です。
費用) 1本数千円~1万円前後
4.マニキュア
歯を削らずに、歯の表面にマニキュアを塗ることによって、しみを隠すことができます。歯を削らずに樹脂を塗るため、若干の厚みが出ます。数か月もつものと、数年間使用できるものがあります。
費用) 1本1万円前後
歯のマニキュアって何?
5.樹脂の詰め物
しみが深い場合はその部分を削り取って高分子樹脂をつめます。一般の歯科医院でもできますが、病気ではないため、保険はききません。
費用) 1本1万円~3万円
6.ラミネートベニア
しみの範囲が広く深い場合は、歯の表面を薄く削り、セラミック製の歯を貼ります。一部の歯科や審美歯科で扱っています。歯を削らなければならないということと、料金が高いという欠点があります。
費用) 1本10万円~20万円