はじめに
歯ぐきが黒ずんでいたり、汚いと感じることはありませんか?ホワイトニングでせっかく歯を白くしても、歯ぐきが黒いと白い歯が台無しですよね。健康的なピンク色の歯ぐきは白い歯同様、さわやかな健康的なイメージを与えます。歯ぐきが黒くなる原因はいくつかあり、それぞれ治療方法が異なってきます。この知恵ノートでは歯ぐきの黒ずみの原因とその治療方法について解説しますが、自分で判断せず、早めに歯科医師にご相談ください。
1.メラニン色素による黒ずみ
歯ぐきが全体的に褐色~黒ずんでいる場合は、メラニン色素の沈着による黒ずみが考えられます。メラニン色素は誰にでもありますが、喫煙や紫外線によって褐色化します。一度褐色化してしまうと自然には元に戻りません。
治療法) メラニン色素は歯ぐきのピーリンクを行うことで、ピンク色の歯ぐきに戻すことができます。ピーリングにはケミカルピーリングやレーザーピーリングなどがあります。
ヒント
- メラニン色素の沈着の原因の一つに歯周病があります。歯周病が原因の場合は、歯周病の治療を優先してください。
2.歯周病による黒ずみ
歯周病によっても歯ぐきが黒ずんでくることがあります。歯周病の初期では赤くなってきますが、進行してくると黒っぽく変色してきます。また歯ぐきの奥に歯石が溜まってくると、歯ぐきに黒く映ってくることがあります。
治療法)歯石の除去と適切なブラッシング、歯ぐきのマッサージなど、歯周病の治療によってほとんどの場合、改善します。
3.神経がない歯の根元の黒ずみ
神経がない歯の部分の歯ぐきだけ黒ずんでいる場合は、神経がない歯の変色によって、歯茎に色が映っている可能性があります。神経がない歯は時間とともに黒ずんできますが、これは見える歯の部分だけでなく、歯の根の部分まで変色してくることがあります。
治療法)神経がない歯が変色している場合は、インターナルブリーチという歯の内部から行うホワイトニングで白くすることができます。歯ぐきの黒ずみは、歯の根をホワイトニング(ルートホワイトニング)することで改善することができます。
注意
- 歯の根のホワイトニング(ルートホワイトニング)は特殊な方法です。一般的には行われていませんので、審美歯科などにお問合わせください。
4.差し歯に使用した金属による黒ずみ①
差し歯の根元だけが黒ずんでいる場合、差し歯に使用している金属が歯ぐきに映っている可能性があります。これは主に差し歯の内部にに銀色の金属を使用した場合に起こることがあります。
治療法)差し歯を金属を使用しないオールセラミックスに替えることで、歯ぐきの黒ずみはなくなります。どうしても金属を使用しなければならない場合には、ゴールド色の金属を使用すると、シルバー色に比べて黒くなりにくくなります。
5.差し歯に使用した金属による黒ずみ②
差し歯の根元付近の広い部分、または点状に黒ずんでいる場合は、差し歯に使用した金属のイオンが流れ出したことによってできた可能性があります。この現象は貴金属(金、プラチナなど)では起こりにくく、卑金属(亜鉛、ニッケル、スズなど)で起こりやすくなります。
治療法)歯ぐきに流出した金属イオンは、簡単に取り除くことができません。歯ぐきを切開して黒くなった部分の歯ぐきを切り取るか、レーザーで焼き取る方法があります。また原因となっている差し歯をはずして、金属を使用しないオールセラミックに替えるなどの治療が必要になります。
ピンク色の歯ぐきは若々しく見えるため、アンチエイジングにも効果的です。白い歯とピンク色の歯ぐきを手に入れて、いつまでも若々しく過ごしましょう。