はじめに
神経を抜いた歯は、時間とともに茶色~黒っぽく変色してきます。通常の表側から行うホワイトニングではほとんど白くすることができませんが、変色の程度や歯の状態によってはホワイトニングで白くできる場合もあります。神経を取ってしまった歯は、セラミックを被せなければいけないと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、その前に試してみる価値がある方法です。
1.ウォーキングブリーチ
神経を取った後の歯の中にホワイトニング剤を入れて、1週間くらいかけて白くする方法です。変色度合いによって、数回行います。以前は保険適用でしたので、一般の歯科医院でも取り扱っているところがあります。最近では歯の根や歯の周りの骨に悪い影響があるためにあまり行われていません。
費用 1本1万円前後
2.インターナルブリーチ(インオフィス)
神経を取った後の歯の中にホワイトニング剤を入れて、ライトやレーザーなどで白くする方法です。ブライトスマイルやティオン、ズームなど効果の高いホワイトニングと組み合わせて行うことで、一回でもかなり白くすることができます。
費用 1本1万円前後(他のホワイトニングと組み合わせて行う場合は、その料金+1万円前後)
注意
- ホワイトニングは歯の状態によって、白くなり方に個人差があります。また一度白くしても数か月~数年で再度変色してきますので、メンテナンスのホワイトニングが必要です。
3.マニキュア
市販されているものではなく、歯科医院で行うマニキュアは、変色してしまった歯をマスキングして白くしますので、一回で確実に白くすることができます。2~3ヶ月保つものから、5年くらい保つものまであります。
費用 2~3ヶ月のもので数千円、数年保つもので1本1万円前後
4.ダイレクトボンディング
変色してしまったを薄く削って、硬質樹脂を歯に接着して白くします。マニキュア同様、一回で確実に白くすることができます。
費用 1本5万円~10万円前後
5.歯のスカルプチャー
歯を削らずに歯の型を採って、技工所で極薄のスカルプチャーを作製してもらい、歯に貼るいわゆる歯の付け爪です。材質は硬質樹脂とセラミックがあります。ある程度の凸凹は改善することができ、歯も真っ白にすることができます。通常2回で完了します。
費用は1本あたり樹脂製で3万~5万円、セラミックで3万~10万円です。
注意
- 樹脂製のマニキュアやスカルプチャーは、完全に外す際に樹脂専用の器具を使用して歯を削らずに外すことが可能ですが、セラミック製のスカルプチャーは外す際に歯の表面が若干削れてしまいます。
6.セラミッククラウン
上記の方法でも白くすることができない場合や、天然の歯がほとんどなくなっている場合は、土台を立ててセラミックなどを被せます。
費用 10万円~20万円前後
ポイント
- 神経がない歯には、歯の表面を薄く削ってセラミックのシェルを貼るラミネートベニアは向きません。
ヒント
- 歯は削ってしまうと元に戻すことができません。特に変色があるいだけで自分の歯がかなり残っている場合は、大きく削ってしまうことに抵抗がある人も多いと思います。4、5の方法の前に1~3を試してみて、満足がいかなければセラミックにしてみてはいかがでしょうか。