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【社会】

取手中3自殺 中学は「重大事態」と報告 市教委「該当せず」と議決

 二〇一五年十一月に「いじめられたくない」と日記に書き残して茨城県取手市立中学三年の中島菜保子(なおこ)さん=当時(15)=が自殺した問題で、学校がいじめ防止対策推進法が規定する「重大事態」として報告したにもかかわらず、市教委が重大事態に該当しないと議決していたことが五日、分かった。市教委が市議会議員全員協議会で明らかにした。

 市教委によると、学校は一六年三月四日付で「重大事態発生報告書」を市教委に提出。いじめの有無や自殺との関連は判断できないとしたが、遺族から「いじめによって自殺した」と申し出があったことから、重大事態として報告した。

 一方、市教委は同月十六日の臨時会で、生徒への聞き取りからいじめが確認できないとして、「重大事態」に該当しないと議決した。

 同法の規定では、いじめの事実が確認できなくても、いじめにより心身に大きな被害が生じた可能性があれば重大事態と認定できる。矢作(やはぎ)進教育長は協議会で「自死につながるいじめかどうかで判断してしまった」と謝罪した。市教委は五月三十日、議決を撤回している。

 菜保子さんの母淳子さん(47)は「このような学校の報告があるとは知らなかった。市教委は何の権限があって『該当しない』と判断できたのか」と憤った。

 

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