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栄養価の減少を煽るものに御注意(日本食品標準成分表に見る誤ったデータの使い方)

ライターさん(最終更新日時:2015/12/28)投稿日:

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 序論

 ネットを見回すと、日本食品標準成分表の過去のデータを比較して、栄養素が激減と煽っているサイトを多数見かけます。専門家でも同じことを書いている人が多数います。それらは本当に正しいのでしょうか?

そうした情報に危機感を抱いた専門家の方々の中には様々な情報を発信してくれている方々がいます。下記は一例です。
栄養価の減少を煽るサイトでは、主にビタミンCビタミンAを取り上げることが多いようです。
しかし、これら栄養素は、後述のように日本食品標準成分表の過去のデータをそのまま用いることは出来ません。つまり、栄養価が激減しているとする根拠に、間違いがあるということです。

 総論

日本食品標準成分表は、最新の情報に基づき、食品成分に関する基礎データを提供することが目的です。その為、他の様々な統計データと異なり、過去との比較は考慮されていません。

三訂日本食品標準成分表には下記のように書かれています。

注意

  • ・・・各項目の数値は、多数の分析値の中から信頼できると思われるもののみを選び、総合的に整理して表示した。したがって数値の大きは、分析値そのままもしくは単なるその平均値ではない。・・・
  •  従来の数値を整理するにあたり、また新たに分析を行なうに際し、各成分の定量法は当然比較検討されねばならない。数値は統一した定量法に基づくことが望ましいが、実際問題としては、食品によって定量法もある程度変えざるを得なかった。また、文献値にしても、その年代によって、分析方法が必ずしも完全には一致していない。各成分の定量法は、最近ますます進歩し、古い分析値のなかには、精度の劣るものも少なくない。
  •  今回の改訂にあたり、この間の事情は十分に考慮して、数値の整理を行った。したがって、本表の成分値の精度は、改訂前のものに比べて大幅に高まったと信じているが、なお一部には十分でない面もあるだろう。たとえば、これらの数値を研究あるいは生産上の特定の目的などに使用する場合、そのおそれが少なくない。しかし、これは本表の目的からみて、やむをえないものと考えている。
日本食品標準成分表2010にも下記のように書かれています。

(注)食品成分表の策定に当たっては、初版から今回改訂に至るまでのそれぞれの時点に おける最適な分析方法を用いて分析を行っている。よって、この間の技術の進歩等に より、分析の方法等に違いがある。また、分析に用いた試料についても、それぞれの 時点において一般に入手できるものを選定しているため、同一のものではなく、品種 等の違いもある。このため、食品名が同一であっても、各版の間における成分値の比 較は適当ではないことがある。

改訂日本食品標準成分表には、下記のように限界がある旨が書かれています。

  • ・・・従来わが国においても幾多の研究がなされ、一応のデータはえられているのであるが、新しいビタミンの発見や分析方法の進歩などによって新補再検討の必要にせまられたのである。
  •  
  • 改訂 日本食品標準成分表について
  • ・・・しかしながら、さきの成分表については、数値の再検討ならびに食品項目の増加など、幾多改訂されるべき点があったので、・・・
  •  この改訂食品標準成分表は、できるだけ食品成分値の妥当性と完ぺきとを目標として検討されたのであるが、もとより短時日のことであり、改訂の実をあげたとしても完全無欠とはいえない。・・・

データについては、改訂日本食品標準成分表には、データの収集方法は明記されていないようですが、様々な研究者のデータを集めたようです。

ヒント

  • 三訂日本食品標準成分表によれば、改訂版にはFAOが上梓した国際食品成分表の増補版の数値も採用したそうです。


他にもデータに影響を与える要素があります。

分析技術の進歩の影響は結構大きいです。最新の分析技術を用いるほど、値が小さくなる傾向があるそうです。これは、最新になるほど、選択性が高く、精度も上がる為でしょう。これについては各論ビタミンCでも論文を紹介しています。

ヒント

  • 測定といっても、物質により、目的の物質だけを測定できるわけではありません。
  • 選択性の高い分析方法ほど、目的外の物質が誤差に含まれることを避ける事が出来ます。


表示単位が変わっていることがあります。又、同じ表記であっても、研究の進歩でより中身がより相応しい物質に置き換えられていることがあります。
日本食品標準成分表が該当するかどうかは調べられませんでしたが、古い資料の場合、鉄分が第2酸化鉄の重さで表記されている場合があります。

測定値から表記の値に変換する時に、最新の研究に基づき、個別により相応しい変換式を用いていることがあります。蛋白質などはそうです。

ビタミンA

  • βカロテンがどの程度ビタミンAとして作用するか、昔から議論があるようです。その為、訂によって換算値が変更されていることがあります。
  • 日本食品標準成分表2010では、下記のようになり、以前(1/6)の半分に減っています。
  • レチノール当量(μg)= レチノール(μg)+1/12×β-カロテン当量(μg)



最近の日本食品標準成分表は栄養素の吸収率を考慮して値を表示していることがあります。

第4訂以降、様々な野菜が通年で出回ることが多くなりました。野菜は旬の頃が一番栄養素が多く、影響が少ない栄養素もありますが、旬でなければ数分の一まで栄養素が減少することもあります。その為、第5訂以降は通年で値を測定して表記しています。その為か、第4訂から第5訂への改訂で20%以上値が変わった野菜も多いそうです。

野菜の品種が変わっていることは多いでしょう。又、測定部位が変わっていることもあります。

天候、土、品種、その他野菜の栄養素に影響を与える要素は多数あるため、同じ年代でもサンプルによるばらつきは大きいです。もし、そうした要素や測定方法による誤差等を考慮せずに比較している資料があれば、その内容は疑った方が良いです。

 日本食品標準成分表の性格の違い

1947年 暫定標準食品栄養価分析表
1950年   日本食品標準成分表
1954年 改訂日本食品標準成分表
1963年 三訂日本食品標準成分表
1982年 四訂日本食品標準成分表
2000年 五訂日本食品標準成分表
2010年 日本食品標準成分表2010

 暫定標準食品栄養価分析表

 当時、様々なデータから栄養量を算出する際、様々な人が作成した栄養分析表を利用していたそうです。しかし、栄養分析表には信用できないものもある、他と比較したりする際、栄養量計算の基準となる栄養分析表が異なれば、様々な問題が生じる等、様々な問題が生じた為、一義的に利用できる、信頼のある栄養分析表が早急に必要とされたそうです。
この栄養価分析表は、正式な栄養価分析表が出来上がるのに時間を要するため、暫定的に作成されたものです。

 日本食品標準成分表

正式に発表された、日本初の日本食品標準成分表です。

 改訂日本食品標準成分表

食品数の増加と、文字通り、日本食品標準成分表をより正確に改訂するのが目的です。
初訂を作成するのに利用したデータと、その後に出たデータを合わせて作成しているものと思われます。

  • ・・・新しいビタミンの発見や分析方法の進歩などによって新補再検討の必要にせまられたのである。・・・

改訂 日本食品標準成分表について

  • ・・・しかしながら、さきの成分表については、数値の再検討ならびに食品項目の増加など、幾多改訂されるべき点があったので・・・

 三訂日本食品標準成分表

 改訂日本食品標準成分表と目的は同じです。
食品数の増加、新たな栄養素の記載、そして、日本食品標準成分表をより正確に改訂するのが目的です。

1.成分表の作成について

  •  本表の数値は、これまでの改訂日本食品成分表(1954年)を含めた各種成分表の記載値をもととし、これにこの成分表のために新たに分析した数値を大幅にとりいれ、さらに内外の多数の文献値を参照して、決定した。・・・

 四訂日本食品標準成分表

本当の意味での、初の全面改訂です。

科学技術庁資源調査委員会報告より要約

  • 近年、国民の食生活は大幅に変化し、さらに医学・栄養学・成分分析技術等が著しく進歩した。これに対応して三訂食品栄養成分表について、すでに収録されている食品の成分値の見直し、新たな食品および新たな成分項目の追加等を行うことが強く要請された。
  •  (四訂食品成分表 香川綾/監修 女子栄養大学出版部発行 より引用)

2.四訂成分表作成上の留意点

  • ③ 成分値の決定は、できるだけ標準的なサンプルから得られた分析値を基に既存の各種文献・資料等も参考に評価して行う。・・・
  • ④食品の分析は、社会技術庁が社会技術調査資料作成委託費により財団法人日本食品分析センターに委託実施するとともに、補足データとして国立栄養研究所、農林水産省総合研究所等から提供された分析値を用いる。
  • ⑤食品の分析に当たっては、食品分析に用いられる一般的な方法のうち、より精度の高い方法を統一的に用いる。
  • ⑥我が国独自のエネルギー係数等、成分算定の基礎的諸元は最新の科学的知見による。

 五訂日本食品標準成分表

新たな栄養素と新たな食品の記載が目的です。
又、野菜が通年流通する等、環境の変化に合わせて、改めて成分値を定めています。

ヒント

  • ・・・四訂日本食品標準成分表公表後、食品生産、流通等の変化により栄養成分値も変化してきていると考えられることから・・・

 日本食品標準成分表2010

五訂日本食品標準成分表発表後に出た様々な成分表を纏めた。
蛋白質等、一部を除き、五訂日本食品標準成分表から、根本的にデータが改正されたわけではない。
多分、ほとんどのデータは五訂日本食品標準成分表と変わりません。

 日本食品標準成分表の歴史から見えること

初訂の僅か4年後に改訂版が出ています。改訂の目的は初訂の訂正にあります。その為、初訂と改訂で数字が異なる場合、栄養価が変化したのではなく、より相応しい数字に改訂された可能性の方が高いでしょう。
三訂は新たに三訂の為に測定したデータを加えていますが、初訂、改訂で参考にしたデータも利用しています。どちらかというと、栄養価が変化しているというより、より相応しい値に訂正したという感じでしょう。

幾つか見た感じでは、初訂から三訂迄はあまり数値が変化しないことも多いです。
初訂から改訂で大きく変化したものは、その性格上、栄養価が変化したのではなく、別の理由があると考えるのが妥当でしょう。後述する鉄などはその例です。

 各論その1 鉄は減ったか?

ネットを見ると、野菜の鉄の含有量が激減したと書いているサイトが多数見られます。本当に鉄分は減少しているのでしょうか?

じつは、その事に触れた論文 数値からみた食生活の変化 国民健康・栄養調査に基づいて(PDFです) があります。表4に過去の日本食品標準成分表の鉄分の量が書かれています。

例えば、ほうれん草を抜き出します。
mg/100g
日本食品標準成分表1950年13
改訂日本食品標準成分表1954年3.3
三訂日本食品標準成分表1963年3.3
四訂日本食品標準成分表1982年3.7
五訂日本食品標準成分表2000年2.0葉、生

初訂と改訂の間の僅か4年で鉄分含有量が激減しています。実は、他の食品でも同様の変化が見られます。
普通に考えれば、食品の栄養素が減少したのではなく、他の要素で値が変わったと考えるのが妥当でしょう。上記論文内で、その事に触れています。

第五訂の場合、通年で測定するように変わった影響も大きいかもしれません。葉と書かれている事も影響があるかもしれません。測定方法もより選択性が高く、精度の高いものへ変更されたようですので、その影響も十分考えられます。

各論その2 ビタミンCは減少した? 

消費者の好みが、酸っぱくないものへと変化した事により、より酸っぱくない品種へと変わったものがあります。
トマトに関しては、そうした品種の変化により、ビタミンCが減少したそうです。


では、良く引き合いに出される、ほうれん草はどうでしょうか?

四訂日本食品標準成分表:65mg
日本食品標準成分表 2010:35mg

この数字だけを見れば、確かにビタミンCは激減しています。しかし、ほうれん草のビタミンC含有量の変動が大きい為、第五訂以降、夏季、冬季の含有量が別書きされています。

夏季:20mg
冬季:60mg

この数字を見れば、旬のビタミンC含有量は減っていないと判断できると思います。
四訂が発行された後、野菜が通年で出回るようになりました。その為、五訂からは旬あたりだけでなく、通年の値で表記しています。その為、数字の上では栄養価が下がった野菜があります。

分析方法の進歩による影響が非常に大きい野菜がある

分析方法による影響を省くと、ビタミンCの値の変動が小さい野菜も多いようです。良く引き合いに出されるほうれん草、人参などが該当します。

 各論その3 ビタミンAは激減?

 ビタミンAの値の比較は間違いの宝庫です。

昔に比べ野菜のビタミンAが激減と書いてあるサイトを結構見かけますが、中身を見ると、間違っている事が多いようです。人参、トマトなどは計算上は逆に増加しています。

下記に各訂の日本食品標準成分表のデータを書き出します。
#初訂は手に入らなかったので省略します。おそらく、改訂版と値は変わらないと思います。
#下記野菜にはカロテンのみでビタミンAが含まれないのでビタミンAは省略しています。
#各値の計算後最後に上位3桁目で四捨五入している為、左右の値に誤差があります

ほうれん草ビタミンAβカロテン当量
改訂ビタミンA8,000IU
三訂ビタミンA効力2,600IUカロチン8,000IU
四訂ビタミンA効力1,700IUカロチン3,100μg
五訂レチノール当量 700μgカロテン4,200μg
2010レチノール当量 350μgβカロテン当量4,200μg
にんじんビタミンAβカロテン
改訂ビタミンA13,500IU
三訂ビタミンA効力  1,300IUカロチン4,000IU
四訂ビタミンA効力  4,100IUカロチン7,300μg
五訂レチノール当量1,500μgカロテン9,100μg
2010レチノール当量  760μgβカロテン当量9,100μg

実際のビタミンA効力等の計算式は、各訂で下記のように書かれています。

  • 改訂(カロテンの効力は1/2で計算されています)
    野菜  表記のビタミンAの値を半分にして使用
    ○植物性食品のみ、この訂のビタミンA三訂でのカロチンの値に該当します。
    単純に他の訂と比較するには三訂~五訂の場合はで、2010のばあいはで割る必要があります
    動物性食品でカロテンを含むものはカロテンの値を半分にしてビタミンAを計算しています。
  • 三訂(カロテンの効力は1/3で計算されています)
    ビタミンA効力(IU)=ビタミンA(IU)+1/3×カロチン(IU)
  • 四訂
    ビタミンA効力(IU)=1/0.3×レチノール(μg)+1/0.6×1/3×カロチン(μg)
  • 五訂
    レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+ 1/6×β-カロテン(μg)
  • 2010(カロテンの効力が以前の半分に計算されるようになりました)
    レチノール当量(μg)レチノール(μg)+ 1/12×β-カロテン当量(μg)

 日本食品標準成分表の値を比較しやすいように表にしました。

βカロテンの値を利用効率を考慮しない素のビタミンA効力に換算したものを”βカロテン A効率換算”、当時の利用効率に基づく換算率で計算したビタミンA効力を”ビタミンA効力 当時の換算値”、最新の利用効率に基づく換算式でビタミンA効力を計算した値を”ビタミンA効力 現在の換算値”として記載しています。
又、にんじんに関して、上記には書きませんでしたが、注記があったり、別記されていたものも併せて記載しています。
ほうれん草βカロテンレチノール当量βカロテン
A効力換算
ビタミンA効力
当時の換算値
ビタミンA効力
現在の換算値
単位  μg   μg   IU    IU    IU
改訂  (4,800)    (1,200)   8,000    (4,000)    1,333
三訂  (4,800)       (780)   8,000     2,600    1,300
四訂   3,100       (510)  (5,167)
     1,700      850
五訂   4,200       700  (7,000)    (2,333)    1,167
2010   4,200       350  (7,000)    (1,167)    1,167
人参βカロテンレチノール当量βカロテン
A効力換算
ビタミンA効力
当時の換算値
ビタミンA効力
現在の換算値
単位  μg  μg   IU   IU    IU
改訂  (8,100)    (2,025)  13,500    (6,750)    2,250
三訂  (2,400)      (390)    4,000     1,300      650
三訂
(濃橙色)
  (6,000)    (1,000)  10,000    (3,333)    1,667
四訂   7,300    (1,230)  (12,167)     4,100    2,050
五訂   9,100    1,500  (15,167)    (5,000)    2,500
五訂
(きんとき)
   5,000       830    (8,333)    (2,767)    1,383
2010   9,100       760  (15,167)    (2,533)    2,533
2010
(きんとき)
   5,000       410    (8,333)    (1,367)    1,367
太字の黒字日本食品標準成分表の値です。( )内は、日本食品標準成分表の値から計算した値です。
おそらく、三訂の頃は、きんとき人参が主流で、現在の主流の人参は三訂の濃橙色であるのだろうと思います。

例えば、「ほうれん草 "ビタミンA" 激減 日本食品標準成分表」等で検索すると色々と出てきますが、結構間違っている人が多いようです。又、初訂(又は改訂)と最新の数字のみ比較している人もいます。

間違い例

  1. 初版、改訂版のビタミンAの値をそのまま現在のビタミンA効力の値と比較している
    これらの訂の植物性食品ビタミンAは他の訂のカロテン(カロチン)に該当します。
    単純に比較するには、三訂~五訂までは値を3分の1に、2010では値を6分の1にする必要がある。
  2. 単位が変わった事に気が付いていない(例:IU=>μg)
  3. 2010版ではβカロテンの効力が半分に減っている事に気が付いていない
各訂には様々な注記が為されています。

三訂以降共通として
ビタミンA効力1I.U.=レチノール0.3μg=βカロテン0.6μg

βカロテンの実際の効力が各訂で問題となっています。

  • 改訂版では、植物性食品に関しては、素の数字を記載して、実際に栄養価を計算する際に値を半分にするように記載されています。つまり、この訂の植物性食品のビタミンAの値は三訂でのカロチンの値に該当します。
    動物性食品に関してはカロチンの値を半分にしてからビタミンAの値を計算しています。
  • 三訂~五訂では実際の効力を1/3としています。
    ビタミンA効力(I.U.)=1/0.3×レチノール(μg)+1/0.6×1/3×βカロテン(μg)
  • 2010では、更に少なく、実際の効力を1/6の値としています。
    ビタミンA効力(I.U.)=1/0.3×レチノール(μg)+1/0.6×1/6×βカロテン(μg)

表示が紛らわしい為か、三訂以降はカロテンの素のビタミンA効力値(カロチン)と、ビタミンAの値と両方を合計した値(ビタミンA効力)の3つが表記されています。

四訂ではβカロテン量は重量表記に変わりました。

五訂以降はビタミンA効力(国際単位:IU)の表示ではなく、レ チノール当量(μg:マイクログラム)で表示するように変わりました。
又、βカロテン以外にもα-カロテン及びβ-ク リプトキサンチンを測定して合計してβ-カロテン当量を出しています。
五訂ではβ-カロテン当量をβ-カロテンと表記し、2010ではα-カロテン、β-カロテン及びβ-クリプトキサンチンを表記した上でβ-カロテン当量を表記しています。

測定方法は、三訂までは記載なし。
四訂では453nmで吸光測定
五訂以降は高速液体クロマトグラフ法

 あとがき

”数字は嘘をつく”、という言葉があります。
多くのデータを集めれば、その中から、自身の望むデータを選別することが出来るかもしれません。今回のように、その数字の背景まで考察しなければ、大きな過ちを犯すこともあります。

もっとも、”数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う”という言葉の方が有名なようですが。

我々に必要なのは、現在の野菜の栄養素が減ったのか?ではなく、現在、十分栄養素が摂取できているか?です。残念ながら、統計データを見ると、特に若者の間で野菜や果物の摂取不足が言われています。

一部の専門家等はサプリメントを勧めることがあるようですが、サプリメントに無関係な多くの専門家は食生活の見直しを勧めています。効果不明なサプリメントを買うぐらいなら、出来合いのお惣菜を買ってきて食卓に加えたり、野菜ジュースを飲む方がよっぽど効果が大きいでしょう。

前世紀に良く調べた結果、昔から食されている普通の食品に、結構有害物質が含まれているそうです。それでなくても、食品には未知のリスクが潜んでいる可能性があります。サプリメントについても、医薬品と異なり、十分な安全性試験を行っていないことがあります。
その為、同じ食品を食べ続けるより、異なる食品を食べた方が良いとされています。

そうした意味でも、余り同じサプリメントを摂取し続ける事はお勧めできないでしょう。


以前、日本では余り話題にはならなかったようですが、通常農法による食品と比較して、オーガニック食品の栄養学的優位性は認められず、健康影響についても特に良い影響があるとは言えないとの結果が英国を中心として大反響を呼んだそうです。
日本では、このようなデータ(PDFです)を公表している生産者の方がいます。(真摯な姿勢は応援したいです)、野菜工場の野菜は、有機栽培の栄養価を上回る事もあるそうです。

有機野菜の優位性を語るのに、慣行野菜や野菜工場の野菜を屑のように書いている人を見かけますが、概念的な話ではなく、数字を押さえた上での判断が重要ですね。


ついでに、前記 数値からみた食生活の変化 国民健康・栄養調査に基づいて(PDFです) に砂糖類の摂取状況が書かれています。日本では諸外国に比べかなり少ないようです。
これは、海外で砂糖の摂取量を減らせという議論がありますが、(砂糖に限りませんが)諸外国の情報をそのまま日本に適用できないことがある、ということを意味します。

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