はじめに
イェロー・ジャーナリズムに限りませんが、注目を集める安易は方法の一つは、極端に危険性を煽ることです。
”危険性”は最も注目を集めやすい話題の一つです。
その為、注目を集めるために必要以上に危険性を煽ることがありますし、ありえない危険性を煽っていることもあります。
又、”危険商法”と呼べばよいのでしょうか?
必要以上に、若しくは存在しない危険性を煽って、自社商品を売るケースも結構見られます。
極端な話は、まず疑え
大抵、針小棒大のことが多いです。
根拠はしっかりしているか、誤魔化しはないか等を見れば、見極めやすいと思います。
一次情報を確認する
理解不足や悪意により、内容が変わっていることも結構あります。
ただ、専門家向けの情報の場合、専門外の人は、内容を勘違いをしてしまうこともあります。
その為、様々な立場の人の解説を確認することも重要です。
利害関係を考える
自社製品を売るために、危険性を煽っていることは良く見られます。
本当に危険性があって、自社商品を薦めていることは多いですが、自社製品を売るために、過大に(若しくは、存在しない)危険性を煽っていることもよく見かけます。
過大に(若しくは、ありえない)危険性を煽っているものが良く使用しているキーワードはいくつもあります。
私が今すぐ浮かぶのは、”水道水”、”経皮毒”等です。
以下各論
ネットに実例が山ほどありますが、ここには、私が気になる例があった際に書きます。
水道水
水道水も、結構、必要以上に危険性を煽ったり、存在しない危険性を煽ったりされています。野菜はビタミンが壊れるから水道水でなく、浄水器の水で洗え
パセリについて同様です。
パセリについて
- 大阪市立環境科学研究所報告調査研究年報
第44集 亀井正治他 次亜塩素酸ソーダ加温溶液浸漬による生野菜の消毒について より
21℃又は50℃のNaClO(100ppm)溶液に10分間浸漬ののち10分間水道水で流水洗浄後の測定値で、ビタミンCの値に大きい変化は見られず、ビタミンCの分解はほとんどおこらないと考えられるそうです。
水道水の残留塩素
注意 WHO 飲料水水質ガイドライン 第 3 版より
- 塩素
- 効果的な消毒のためには、pH <8.0 で少なく とも 30 分接触後の遊離残留塩素濃度が 0.5mg/L 以上であるべきである。
ポイント
- この手の話では、都合の悪い情報を伏せていることが良くあります。
- 例えば、オランダは水道水に残留塩素が存在しませんが、その為に、高度な浄水・配水システム(当然コストもかかります)、日本より恵まれた環境(日本は細菌が繁殖しやすい気候です)に加えて、努力目標として年間1万人に1人という水道水による病気への感染リスクを許容しています。
- ドイツでは、給水栓で0.1mg/L以上の遊離塩素の残留が定められています。もっとも、条件を満たせば残留塩素は不要で、残留塩素が存在しない場所が多いです。スペインの場合は0.2~0.8mg/Lの残留塩素が定められています。
日本では、水道局によっては、水質検査結果や給水栓での残留塩素量等が公開されています。
ヒント
- 参考までに、ドイツ連邦環境庁(UmweltBundesAmt=UBA)のサイトのPDFファイルの下の方の表 Teil I c: Aufbereitungsstoffe, die zur Desinfektion des Wassers eingesetzt werden に残留塩素等の規制値が掲載されています。
遊離塩素で、最低 0.1mg/L、最大0.3mg/Lです。
ネットで検索すると、ドイツの残留塩素規制値は、最大0.1mg/Lや0.05ppm等、誤った数字がかなり広まっているようで、本当に酷い有様です。
ドイツのトリハロメタンの規制値も0.025mg/L、0.01mg/L等の誤った数字が広まっているようです。
Trinkwasserverordnung等様々なドイツのサイトをを見ると、飲料水の上限値は0.05mg/Lです。ただし、(ドイツ語も苦手ですので自信は無いですが)浄水場の出口で0.01mg/L以下であれば、給水網での測定は不要のようです。
#トリハロメタンは給水管内で増加します。