はじめに
辞書的には、マルチ商法=連鎖販売取引ですが、異なるとしている人もいます。
そこで、幾つかまとめてみました。
参考までに
連鎖販売取引 - Wikipedia英語では"Multi-level marketing"(マルチ、マルチレベルマーケティング、MLM)あるいは"network marketing"(ネットワークマーケティング)と呼ばれていますが、下記、オーストラリア訪問販売協会のFAQより、"Multi-level marketing"は(マーケティングのシステムではなく)多段階報酬システムを意味し、"network marketing"は販売システムを意味しているようです。
FAQ's - Direct Selling Association Australia 8.What is the difference between network marketing & multilevel marketing?(インターネットアーカイブ)
ついでに、たまに、マルチレベルマーケティング=”drect selling”という関係者がいるようですが、”drect selling”はマルチレベルマーケティングを含む訪問販売全体を指します。
マルチ商法と連鎖販売取引は異なるとするもの
例:http://www.nblink.jp/base/◆マルチ商法って違法なの?
- 'マルチ商法'とは、MLMの仕組みを悪用した悪徳商法が横行した頃(1970年代)につくられた造語。当初は、「マルチレベル・マーケティングを模した悪徳商法」という意味で、'マルチまがい商法'と呼ばれていたが、いつしか省略されてこの呼称になったと思われる。
- もちろん、マルチレベル・マーケティングそのものは違法ではない。しかし、マルチ商法との境目を理解できない人が多いため、今だに混同されることがある。
曖昧な記載をしているもの
特定商取引法とは | 公益社団法人日本訪問販売協会公式WEBサイト<マルチ商法とは>
- 「マルチ商法」という言葉に法律上の定義はありません。一般的には特定商取引法の連鎖販売取引において、法規制を守らない悪質な商行為を「マルチ商法」と呼ぶことが多いようです。
注意
- マルチ商法と連鎖販売取引が異なるとは書かれていません。
マルチ商法と連鎖販売取引が同じとしているもの
ポイント
- この連鎖販売取引業者は、国会答弁を引用して、連鎖販売取引=ネットワークビジネス=マルチ商法、としています。
- 又、「(連鎖販売取引が)マルチ商法ではない」等と回答したりすると、不実告知として罰せられる旨、記載されています。
ヒント
- 本文では「このように、「マルチ商法」が違法なビジネスや悪質商法を指している場合は、アムウェイとは全く異なるビジネスです。」と書かれていますが、脚注に「※1「マルチ商法」については法令上の定義はありませんが、アムウェイ・ビジネスのような「特定商取引に関する法律※2」で規定されている「連鎖販売取引」に該当するビジネスや、連鎖販売取引に類似した形態で不適切な勧誘などを行う不公正な取引を総称して「マルチ商法」という使われ方が多くされています。」と書かれています。
注意
- マルチ商法と何が違うのですか?|Amway(日本アムウェイ合同会社)
には、2016年10月1日現在、上記のような説明はなく、アムウェイがマルチ商法に該当するかどうか、曖昧な記載がなされています。
ヒント
- (1)・・・の全趣旨によれば、社会における一般的な用法として、 マルチ商法という用語は、連鎖販売取引とほぼ同様の意味で用いられており、一部ではねずみ講式販売法ともいわれることが認められる。例えば、広辞苑(新村出編、岩波書店発行、第四版)によれば、マルチ商法とは、「商品販売方法の一つ。物品販売業者とその商品を再販売する者が次々に他の者を再販売組織に加盟させて、組織内の地位昇進から得られる利益を餌に商品の購入や取引量の支払いの負担を約束させる形でする商品の販売取引。ねずみ講式販売法とも呼ぱれ、投機性が強く弊書が大きいので法律で厳しく規制。違鎖販売取引」とされているほか、国民生活センター発行の「たしかな目」(乙第241号証、第242号証)及び「くらしの豆知識」(乙第243号証)には、「マルチ商法(連鎮販売取引)」あるいは『連鎖販売取引(マルチ商法)」との表現が数多く用いられていることが認められる。
- (2)他方、・・・の全趣旨によれば、新聞、雑誌等のマスコミにおける連鎖販売取引とマルチ商法という用語の使用方法は、必ずしも統一されていない。
- 例えば、「ネズミ講(マルチ商法)」(甲第23号証)とするものや、「連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法」(乙第281号証)とするものなど、状況や使用される媒体に応じて様々に用いられていることが認められる。
- (3)右認定事実によれぱ、マルチ商法という用語の一般的な用法、定義は、一義的なものではないが、前述したその商法自体の持つ特徴やマスコミ等における従来の使用例などから、マルチ商法という用語は、訪問販売法における連鎖販売取引とほぼ同義で使われる一方、悪徳商法あるいは悪質商法という意味を含み、社会的評価を損ねる用法で使用される例もあるなど使用される場所、使用者の主観などに左右される極めて多義的な語であるということができる。
ポイント
- 第34条第1項 不実告知
- また、当該事業者の勧誘者は、連鎖販売取引を行っているにもかかわらず、「マルチ商法とかねずみ講じゃないよ。」「ネットワークビジネスをやっていて、ねずみ講やマルチ商法とは違う。」などと告げ、判断に影響を及ぼす重要なものについて不実を告げていた。