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日本食品標準成分表にみる、ビタミンAの変化(増加又は微減)

ライターさん(最終更新日時:2015/10/19)投稿日:

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 過去の栄養表との比較において、ビタミンAの比較は間違いの宝庫です。

 前提条件として、他の知恵ノートに書きましたが、そもそも、日本食品標準成分表は、各訂間の比較をする為のデータではありません。各種研究その他の為に、その時々で最善と思われる統一したデータを提供する目的です。
 その為、データを比較する為に必要な、前提条件の統一などはされていません。

 その前提条件を無視して、あえて、各訂のビタミンAのデータを比較しているサイトが多数あります。
 そうしたサイトにおいて、深刻な間違いが多々見受けられます。間違ったデータの取り扱いによって、ビタミンAが激減したとの誤った結論を出しています
 
 他の知恵ノートに書くとデータが大きくなる為、こちらのほうにビタミンAのみ纏めて、改めてデータを記載したいと思います。

 良くある間違い

 改訂版までのビタミンA(IU)は、三訂以降のカロテン(IU)に該当

 カロテンは人間の場合、利用効率が悪いです。その為、カロテン量(μg)からビタミンA効力(IU)を計算した後、利用効率に併せて再計算が必要です。

 改訂版において、植物性食品の場合、ビタミンAの値は、利用効率に併せて再計算する前の値が書かれています。
 この値は、第三訂に於いては”カロテン”の値(IU)に該当します。この事に気が付かずに比較しているサイトが多数見受けられます。

 おそらく、暫定、初訂も同様だと思います。私の読んだ暫定版にはカロテンの利用効率に関する注意書きは無かったです。

ヒント

  • 一部動物性食品にもカロテンが含まれていますが、その際は、カロテンの国際単位(IU)の値を(当時の利用効率である)1/2にして加算※しているそうです。

  • ※改訂日本食品標準成分表 社団法人資源協会編 昭和35年改編3版より

 単位の取り違え

 ビタミンAは、四訂までビタミンA効力(IU(国際単位))を用いていました。五訂以降はレチノール当量(μg)を用いています。
 カロテンの場合、三訂のみ国際単位(IU)ですが、四訂以降は重量(μg)で表示しています。

例えば、ほうれん草で、初訂のビタミンA 8,000IUと、五訂のレチノール当量 700μg の数字を見て、8,000IUから700IUへ減少などと書いてあるサイトがありました。
人参で、初訂のビタミンA 13,500IUと、五訂のカロテン 9,100μgの数字を見て、13,500IUから9,100IUと記載してあるサイトもありました。

 利用効率の換算値が変わっている

レチノールやβカロテンとビタミンA効率の換算値

  • ビタミンA効力1I.U.=レチノール0.3μg=βカロテン0.6μg
前述のように、βカロテンは、食品に含まれている量、全てが利用されるわけではありません。そこで、実際に利用される割合が重要となります。

  • 改訂版の頃まで、成分表には(利用効率を考慮しない)素の値を記載しています。
    改訂版には、植物性食品の場合、実際にビタミンAの栄養価を計算する際は、値を半分にするように注意書きがなされています。
  • 三訂 1/3
    ビタミンA効力(IU)=ビタミンA(IU)+1/3×カロチン(IU)
  • 四訂 1/3
    ビタミンA効力(IU)=1/0.3×レチノール(μg)+1/0.6×1/3×カロチン(μg)
  • 五訂 1/3
    レチノール当量(μg)レチノール(μg)+1/3×カロテン(μg)
    ビタミンA効力(IU)=1/0.3×
    レチノール(μg)+1/0.6×1/3×カロテン(μg)
  • 2010 1/6
    レチノール当量(μg)レチノール(μg)+1/6×カロテン(μg)
    ビタミンA効力(IU)=1/0.3×
    レチノール(μg)+1/0.6×1/6×カロテン(μg)

 暫定、初訂、改訂のビタミンA値と実際に比較するには

野菜の場合、四訂以降はカロテンの量(μg)を0.6で割って、素のビタミンA効力(IU)を計算してから、そのまま比較するのが一番簡単確実でしょう。その訂でのカロテンの利用効率を調べる必要がありませんから。

  • 三訂
     
    カロテン(IU)の値とそのまま比較
  • 四訂
     
    暫定、初訂、改訂の値をで割った値と、ビタミンA効力(IU)とを比較
  • 五訂
     
    暫定、初訂、改訂の値をで割った値と、レチノール当量(μg)からビタミンA効力(IU)を計算た値とを比較
  • 2010
     
    暫定、初訂、改訂の値をで割った値と、レチノール当量(μg)からビタミンA効力(IU)を計算た値とを比較

    ヒント

    • ビタミンA効力(IU)=1/0.3×レチノール当量(μg)
間違った事例として、、ほうれん草で初訂版のビタミンAの値(三訂以降のカロテン(IU)に該当) 8,000IUと、四訂のビタミンA効力の値 1,700IUをそのまま比較しているサイトがありました。

 各論

 注記

  • 初訂のみ手に入らなかったので記載していない。
  • ()内の値は、各訂に記載の値から計算した値です。
    ただし、”ビタミンA効力 現在の換算値”は計算値である事が自明である為()を付けていません。
  • カロテンの値は、五訂以降は、αカロテン及びクリプトキサンチンを含めた値です。
    日本食品標準栄養表 2010ではαカロテン及びクリプトキサンチンの値も表記した上で、カロテン単独ではβカロテン、合計はβカロテン当量と記載されています。
  • ヒント

    • βカロテン当量(μg)
    •     =βカロテン(μg)
    •       +1/2×αカロテン(μg)
    •       +1/2×クリプトキサンチン(μg)
  • レチノール当量(μg)は、レチノール(μg)とβカロテン(μg)を合わせた値です。
  • ヒント

    • 同じ重量の場合、ビタミンAの効果を見ると、βカロテンはレチノールの半分の効果しかありません。その為、利用効率を無視すれば、
    •  レチノール(μg)=1/2×カロテン(μg)
    • となります。

    • ただし、野菜にはレチノールが含まれませんのでレチノール当量(μg)を計算するに当たり、レチノール(μg)の加算はしていません。

    • ・暫定から改訂まで
    •   レチノール当量(μg)=1/2×1/2×カロテン(μg)

    • ・三訂から五訂まで
    •   レチノール当量(μg)=1/3×1/2×カロテン(μg)

    • ・2010
    •   レチノール当量(μg)=1/6×1/2×βカロテン当量(μg)
  • ”βカロテン A効力換算”は単にβカロテン(μg)から利用効率を考慮しないビタミンA効率を計算した値です。

    ヒント

    • ビタミンA効力(=βカロテン A効力換算)(IU)=1/0.6×βカロテン(μg)
  • ”ビタミンA効力 当時の換算値”はその訂が発行された際のカロテンの利用効率から計算したビタミンA効力です。

    ヒント

    • ・暫定から改訂まで
    •   ビタミンA効力 当時の換算値(IU)1/2×βカロテン A効力換算(IU)

    • ・三訂から四訂まで
    •   ビタミンA効力 当時の換算値(IU)1/3×βカロテン A効力換算(IU)

    • ・五訂から2010まで この訂はレチノール当量の記載があるため、レチノール当量から計算しました。 
    •   ビタミンA効力 当時の換算値(IU)1/0.3×レチノール当量(μg)
  • ”ビタミンA効力 現在の換算値”は2010版での利用効率を元に、過去のビタミンA効率を再計算した値です。

    ヒント

    • ビタミンA効力 現在の換算値(IU)1/6×βカロテン A効力換算(IU)

    • ただし、下記表に関しては、”ビタミンA効力 当時の換算値”から計算しています。

 ほうれん草

ほうれん草βカロテンレチノール当量
当時の換算値
βカロテン
A効力換算
ビタミンA効力
当時の換算値
ビタミンA効力
現在の換算値
単位μgμgIUIUIU
暫定(4,200)(1,050)7,000(3,500)1,167
改訂(4,800)(1,200)8,000(4,000)1,333
三訂(4,800)(780)8,0002,6001,300
四訂3,100(510)(5,167)1,700850
五訂4,200700(7,000)(2,333)1,167
20104,200350(7,000)(1,167)1,167

 人参

人参βカロテンレチノール当量
当時の換算値
βカロテン
A効力換算
ビタミンA効力
当時の換算値
ビタミンA効力
現在の換算値
単位μgμgIUIUIU
暫定(5,400)(1,350)9,000(4,500)1,500
改訂(8,100)(2,025)13,500(6,750)2,250
三訂(2,400)(390)4,0001,300650
三訂(濃橙色)(6,000)(1,000)10,000(3,333)1,667
四訂7,300(1,230)(12,167)4,1002,050
五訂9,1001,500(15,167)(5,000)2,500
五訂(きんとき)5,000830(8,333)(2,767)1,383
20109,100760(15,167)(2,533)2,533
2010(きんとき)5,000410(8,333)(1,367)1,367
五訂以降では、αカロテンが2,800μg(きんとき250μg)含まれる為、αカロテンの影響で値が増えている可能性がある。
古い測定データでは、αカロテンとβカロテンを纏めて測っていることも多いです。

 トマト

トマトβカロテンレチノール当量
当時の換算値
βカロテン
A効力換算
ビタミンA効力
当時の換算値
ビタミンA効力
現在の換算値
単位μgμgIUIUIU
暫定(120)(30)200(100)33
改訂(240)(60)400(200)67
三訂(240)(39)40013065
四訂390(66)(650)220110
五訂54090(900)(300)150
201054045(900)(150)150

みかん

みかんβカロテンレチノール当量
当時の換算値
βカロテン
A効力換算
ビタミンA効力
当時の換算値
ビタミンA効力
現在の換算値
単位μgμgIUIUIU
暫定(900)(225)1,500(750)250
改訂(1,200)(300)2,000(1,000)333
三訂(72)(12)1204020
四訂120(20)(200)6533
五訂1,100180(1,833)(600)300
20101,10092(1,833)307307
暫定:温州みかん
改訂:温州(早生、普通)
三訂以降:温州(普通)果皮及びじょうのう膜を除く

五訂以降はβ-クリプトキサンチンが1,800μg含まれる為、βカロテン当量が激増した可能性が高いと思われる。

暫定、改訂版で、カロテン量が多い理由は分かりかねる。β-クリプトキサンチン等のβカロテン以外の物質を含めて測定した等、測定方法の影響の可能性もある。

 キャベツ

キャベツβカロテンレチノール当量
当時の換算値
βカロテン
A効力換算
ビタミンA効力
当時の換算値
ビタミンA効力
現在の換算値
単位μgμgIUIUIU
暫定(6)(2)10(5)2
改訂(0)(0)0(0)0
改訂
淡緑色部
(30)(8)50(25)8
三訂 (60)(10)1003317
三訂
白色部
(0)(0)0(0)0
四訂18(3)(30)105
五訂508(83)(27)13
2010504(83)(13)13
改訂の淡緑色部、三訂の白色部は備考欄に記載
改訂の値は、三訂の白色部、三訂の値は改訂の淡緑色部に該当すると思われる。



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