「口裂け女の噂」とかと同じで、いつ誰が始めた、と特定できるようなものではなく、この日本社会に深く根ざした謎の何か、が伏せ字を好むのだと思います。例えば「意味のない伏せ字」でググってみると、伏せ字を使う人の心理がいろいろわかりますが、ざっくり言えば
1)おもしろいと思って。
2)トラブルの可能性を排除したい。
のふたつじゃないでしょうか。
1について。私も「おもしろい」というのはわからんでもありません。例えば「ゆうべ和田ア○子が」とか「先日マ○ドナルドで」とか書くのが、なんとなく価値観を共有する仲間にのみ通じる洒落の効いた符牒のように感じて使いたくなる、ということです。かつての職場で同僚が、「イズミヤ」という共通の上司のことを「イで始まってズミヤで終わるヤツがよー」と言ったときは私も爆笑したので、まあ、わかります。2chとかで「厨房」とか「ウpする」とか「ガイシュツ」とか書く心理とも共通するものなのかも知れません。
2について。わずかであってもトラブルの可能性を排除したい、という心理も、下らないと思うのですが、わからんでもありません。「クソ」と書くのは不穏当だし、抗議来るかも知れないから「ク○」にしとこう、とか。
「吉野家」「マクドナルド」などは登録商標なので、公開の場で「吉野家」「マクドナルド」などと書いたら、たとえ批判的な文脈でなくても民事で訴えられる可能性があるのだ、「Y野家」「マクDナルド」なら大丈夫。そんなことも知らんのか、と主張する人だってたくさんいます。言霊信仰みたいなものも働いてるんじゃないでしょうか。まあみなさんとにかくなんでもかんでも「ボカす」のが好きなんですね。その方が無難だと思っている。
ちなみに訴訟大国アメリカで、そんなこと言う人はまずいません(少しはいるのかも知れませんが個人的には聞いたことありません)。アメリカ人の書く小説(やノンフィクション)は日本人の書く小説(やノンフィクション)に比べて、圧倒的に固有名詞が多いです。例えば普通の日本人が「コピーをとる」と書くところを、アメリカ人は「ゼロックスする」とか。「頭痛薬」じゃなくて「バファリン」とか。「ティッシュ」と書かずに「クリネックス」とか。「デパート」じゃなくて「ブルーミングデールズ」とか。日本人なら「彼女は二階でピアノを弾いていた」と書きそうなところを「彼女は二階でYAMAHAを弾いていた」と書くとか。
いちおう慎重に「アメリカ人は」としましたが、もしかすると「日本社会以外には」一般的に、固有名詞の使用を避けるなんて風習はないんじゃないだろうか、という心証を持っております。
ご質問の主旨からはどんどん外れる一方で申し訳ないのですが、企業名や商品名の忌避に関しては、マンガの編集者による事なかれ主義のバカバカしい自主規制(の強要)も大きいと思います。「朝日新聞」を避けて「朝毎新聞」とか、そういうヤツ。そのあたりについては、戦う漫画家佐藤秀峰が何度か発言しています。あ、書き直します。佐藤H峰ね。いや、佐藤S峰か。
>僕の場合、編集者から修正の依頼すらなく、雑誌が出来上がって
>みたらセリフが勝手に書き換えられていたり、そのことに抗議すると
>「クレームがあった場合に責任が取れるのか?」などと
>逆に怒られたりしていました
http://ch.nicovideo.jp/shuhosato/blomaga/ar391341
>「マンガで企業ロゴを描いたら本当にクレームは来るのか?」
http://getnews.jp/archives/173454
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