カタールとほかのGCC諸国、特にサウディ、バハレン、UAEとエジプトとの関係が悪化していることは、これまで何度も報告してきましたが、ついにこれら4国はカタールとの外交関係の断絶を発表しました。
時系列的には、バハレンが先頭を切って断交を発表し、これにサウディが続き、エジプトが続き、UAEが続いたことになっていますが、こんな重要なことをバハレンが主導する(できる)はずはなく、おそらくはサウディかなという気もしますが、何しろ具体的に何が問題で、具体的にどの問題をきっかけにここまで来たのかが皆目わからないので、誰が中心となって、カタールと断交することになったのかも不明です。

これを報じるal qods al arabi netとal jazeera net は、断交の理由について特に説明していませんが、al arabiya net (サウディ系)は、サウディ政府は声明で、カタールは長いことサウディの内政に干渉し、その安定を損なう行為をしてきて、ムスリム同胞団、IS,アルカイダ等をかくまって、情宣等を通じて彼らの活動を扇動してきたし、またイエメンのhothy連合を支援してきたと非難した由。

他方カタール系のal jazeera net も含めて、現在までのところカタール政府の反応等は伝えていません

またこれら4国は、自国の外交官、領事官を引き上げるとともに、カタールの外交官にも引き上げを要求し、特にサウディはカタールとの陸、海、空の交通を停止するよし。

またカタールに対しては、イエメンにおけるアラブ連合軍の活動から排除することになった由
http://www.alquds.co.uk/?p=730171
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/6/5/السعودية-والبحرين-والإمارات-ومصر-تقطع-علاقاتها-بقطر
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2017/06/05/السعودية-تعلن-قطع-العلاقات-الدبلوماسية-مع-قطر.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/gulf/2017/06/05/قيادة-التحالف-العربي-تنهي-مشاركة-قطر.html
これまでもムスリム同胞団やリビア政策に関して、カタールとサウディ、UAE,エジプト等との政策が真逆のことが少なくなく、特にトランプのサウディ訪問の際のGCC首脳会議あたりから、カタールとほかの国の関係が、表面的にも対立していることが明らかにされてきましたが、少なくとも私の知っている限りでは、GCC首脳会議等の場面で本当に何があって、ここまで対立が深刻になったのか、詳しい報道もなく、あえて言えば藪の中です。
サウディの声明から見れば、やはりムスリム同胞団等との関係も一因かと思いますが、これは何も昨日今日の話ではなく、ここにきて何があったのか首をひねっています。
最近はサウディ系統の報道では、カタールがイランと接近しているとの非難もあったように思いますが、それも具体的なことは不明で、宣伝の要素が強いかと思っていました。
(確か、カタール通信だったかが、カタール首長の発言として、イランを称揚するような発言を伝えたが、これはカタール通信がハッキングされたものだとか言って、かなりの騒ぎになっていたことがあったかと思いますが、もちろん真相はやぶの中です)
これで、エジプトを除けばGCCの中で、カタールと3国が対立、断交したことになりますが、残りのうちオマーンは昔からイランと近かったところ、最近のGCCの緊張の中でクウェイトがカタールに同情的であるかのような報道が散見されましたが、クウェイトの立ち位置は不明です。

以上、わからない、わからないという言葉の羅列で、はなはだ申し訳ないが、とりあえず