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五輪経費、なぜ招致時の倍に? 甘い試算 都に説明責任

2017/6/1 0:39
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 招致段階で約7300億円だった大会経費は、なぜ約2倍の約1兆3850億円にまで膨らんだのか。巨額の都税を支出する都は都民への丁寧な説明が求められる。

 Q 大会経費が膨らんだ最大の理由は。

 A 招致段階の試算にはすべての経費が含まれていなかった。例えば競技会場の整備費は建物の本体工事費のみ。東日本大震災の復興需要による人件費や資材費などの高騰もほとんど考慮されていなかった。

 Q 過去の大会も同じか。

 A ロンドン大会の経費も当初の約7500億円から約2兆1千億円に膨らんだ。国際オリンピック委員会(IOC)に低コストをアピールし、招致活動を有利にしたい思惑から、立候補時の甘い試算は慣例化している。

 Q 競技会場の見直しもあったが。

 A 都は会場の大半を選手村から半径8キロ以内に収める「コンパクト五輪」を強調し、13年に招致に成功した。しかし、試算の甘さに資材費などの高騰も加わり、会場整備費は当初の3倍の約4500億円に。当時の舛添要一知事は14年に会場計画を見直し「広域五輪」に転換した。会場新設をやめたり都外の既存施設を使ったりして2千億円以上を削減した。

 Q それでも不十分だったのか。

 A 都内外の既存施設を活用することにしたが、既存施設を五輪仕様にするための仮設整備費が、当初の約720億円から約2800億円に膨らんだ。

 Q 小池氏は5月11日、都外の仮設整備費も都が全額負担すると表明した。なぜ都が都外分まで負担するのか。

 A 都側が12年にIOCに提出した立候補ファイルは「仮設整備費は組織委が負担する。組織委が払えなければ都が補填する」としている。組織委の予算では仮設整備費まで賄えず、同ファイルに基づいて都が負担することになった。

 Q 都外支出に法的な問題はないのか。

 A 自治体予算はその自治体内で使うとする地方財政法に抵触する可能性も指摘されたが、総務省は「都の事務と整理されれば問題ない」との見解を示している。

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