長崎県ダム事務所が「ダムを活用した地域おこし」をテーマに講演会を開くそうです。
これは行政が作ったダム建設推進の御用団体「石木ダム建設促進川棚町民の会」の総会に合わせ
た企画で、昨年の佐世保市水道局長の講演がぱっとせず、総会参加者も年々減少しているという
現状を打開するための取り組みかと思われます。
半世紀前に計画されたダム計画が、今なお付け替え道路の建設さえ、地権者の反対でままならない
状況なのに、「ダム完成後の未来について考えてみませんか?」だって、なんだかな~。
講演者の宮島咲氏はネットで「ダムマニア」http://dammania.net/
というサイトを運営しています。
世の中には、鉄道マニア、橋梁マニア、骨董マニアなど様々な分野でいろんなマニアがいるので
ダムマニアがいても全然不思議ではありません。歴史好きな「歴女」ならぬダム好きな「ダム女」
が増殖中という記事も見ました。
しかし、石木ダムの問題は長年にわたって、水没予定地の地権者と行政が激しく対立しており、
単純な問題ではないのです。
そこで、「ダムマニア」のサイトから宮島氏へ下記のメールを送ってみました。
「建設中の石木ダムで講演を行う」ということですが、石木ダムは計画から半世紀が経っても付け替え道路の建設さえ地権者の反対にあって遅々として進まず、「建設中」どころか本体工事に至ってはいつになるか分からないという状況にありますがこのような状況はご存じですか?
ダム建設に伴う水没予定地では今なお13世帯、約50人の家族が暮らしており、生まれ育ったとふるさとにいつまでも住み続けたいという一心で長年、ダム建設に反対しています。
石木ダム建設計画は当初は佐世保市の針尾工業団地(いまのハウステンボスの場所)への水源確保が目的でしたが、団地への企業誘致がうまくいかずダム建設計画だけが残りました。しかし、ダム建設をあきらめたくない行政は、今度は佐世保市の利水のために必用だ、と理由を変え、その後川棚川の治水がつけ加えられました。行政は、「利水・治水のために必要不可欠」と言い、右肩上がりの水需要予測を何度となく立ててきましたが、実際は予測を大きく下回って右肩下がりで水需要は減少しています。水が足りなくて生活に支障を来している佐世保市民は皆無です。治水も「川棚川の河川改修が完了すれば今までの水害は防ぐことができる」としており緊急性の根拠がなくなっています。
地権者は、やみくもに反対しているのではなく、「必要性について納得すれば協力する。必要性についてもっと説明して欲しい」と言っているのですが、県は「事業認定されており、これ以上説明の必要なし」として、土地の強制収容を強引に進めるなどしたため、事業認定の不当性などについて地権者などから裁判に訴えられ、係争中です。http://ishikigawa.jp/blog/cat01/2557/(石木川まもり隊ブログ参照)
石木ダム本体の建設に無理やり進もうとすれば、まず地権者のすべての土地・家屋を無断で名義変更して強制収容したあとに、長年住み慣れた家屋に立てこもる住民、老人、こども、女性を暴力的に引きずり出し、建物を重機でたたき壊し、愛着を持って耕作してきた田畑を、作物が育てられていようと関係なくブルートーザーで埋めるなど、とんでもない人権蹂躙をしなければならなくなります。また、地権者は「必要のないダム建設には命がけで反対する」「死んでもふるさとを離れない」と言っていますので、強行すれば流血の事態になりかねません。
ダムに責任はありません。しかし、このような水没予定地の大きな犠牲の上に建設されるダムはダムにとっても不幸であり悲しいことだと思いますが、ダムをこよなく愛するダムマニアの皆さんはどう思われるのでしょうか。「状況をよく知らないものが何をノー天気な話をしているのだ」と宮島さんが言われることのないように、情報提供の一環として長々と書き連ねましたが、上記のようなことはすでにリサーチ済みであり、よく調べた上で講演を引き受けた、というのであれば私がとやかくいう立場ではありません。このメールは削除して下さい。
当日の講演を楽しみにしています。
宮島氏から返信がありました。
*当初は宮島氏の返信全文を公開していましたが、氏がツイッターで「勝手に公開された」
などと騒いで、いや、つぶやいておられるようなので非公開とします。(管理人)
はじめまして。
ダム紹介サイト「ダムマニア」を運営しております宮島と申します。
情報ありがとうございます。
小生のサイトのトップページのイントロの文章はお読み下さったでしょうか。
私の気持ちは全てその文章に集約されています。
お察し下されば幸いです。
なお、今回の講演は石木ダム要・不要のお話ではありません。
チラシにも大きく書かれています通り、「ダムを活用した地域おこし」のお話です。
建設の是非のお話はいたしません。
それを求めているお客様におかれましては「状況をよく知らないものが何をノー天気な話をしているのだ」と感じることでしょう。
今一度、小生のサイトの趣旨、今回のチラシをご熟読下さいませ。
p.s.
今回の講演で、いただいたご意見をご紹介させていただいてもよろしいでしょうか?
時間があればということになりますが、ご検討下されば幸いです。
サイトのイントロの部分、チラシの中身も隅から隅まで熟読したうえで再度メールしました。
辺信ありがとうございました。
イントロの部分も繰り返し読んでいますが、ダム完成後ならまだしも、推進、反対で激しく対峙しているところになぜ推進の立場の方からの講演依頼を引き受けたのだろう、という疑問がわいています。
しかも、チラシの「ダムを活用した地域興し」というタイトルも、吹き出しの「ダム完成後部分も未来について考えてみませんか?」という部分も、いちいち反対地権者を刺激しています。なぜなら、「すでにダム完成後の振興策にまで話は進んでいるんだよ、ムダな抵抗は止めて早く白旗上げた方がいいんじゃない?」というダム事務所(長崎県)の意図が透けて見えるからです。
ダム事務所(長崎県)の目的は、宮島さんの講演を通じて、石木ダム建設推進への地域の理解を得ることだと思います。内容がたとえ、石木ダム要・不要の話ではなくても、講演を聴いた人が「石木ダム建設は地域振興のために必用だ」という感想を持つことになれば、ダム事務所(長崎県)の目的は達成されたことになり、反対している人々にとっては、宮島さんは、結果的に、ダム建設を強行するダム事務所(長崎県)の「お先棒担ぎ」になってしまいます。
しかしせっかく西の果てまで講演に来るのですから後先考えず、ダムの魅力について自由に語ればいいのではないでしょうか。それをどう受け取るかは講演を聞いた人が判断することで、わたしがとやかくいうことではありません。メールの内容も紹介して構いません。
とにかく私は今度の宮島さんの講演を、様々な問題意識を持ちながら、楽しみにしています。
話は変わりますが、私は写真が趣味で、昨年は佐世保市の水源になっている下ノ原ダム、川谷ダムを撮りに行きました。近くで見るとダムって壮大ですよね。以前には、ダムではありませんが100年前に造られた岡本水源地というところにも行きました。円形のコンクリートで造られた貯水池で、当時の建設技術の高さに感動しました。
しかし、多くのダムは関係者以外立ち入り禁止になっているのですよね。川谷ダムは立ち入り禁止を無視して侵入しました。(ここだけの話)。岡本水源地は、観光コンベンション協会の限定ツアーで参加しました。飲み水を供給している場所に、水道管理者は人を近づけたくないんでしょうか。素晴らしい施設なのにもったいない、もっとオープンにして観光資源として活用すればいいのにと思った次第です。
これに対して再度宮島氏から返信がありました。(非公開)
お世話になっております、「ダムマニア」の宮島です。
頂いたご意見の講演での紹介、ご快諾ありがとうございます。
しかしながら、非常に残念なことがございます。
まだメールを数通しか交わしていないにも関わらず、犯罪行為を犯したことを気軽に述べてしまう貴殿の倫理観は理解しがたいものです。
はっきり申しまして、今後貴殿とのお話は精神的にしたくないほどの状態です。
また、頂いたメールを拝見させていただきますと、
「石木ダム建設反対派に不利になる講演はするな」ということが読み取れてしまいます。
小生がおこなう講演は、約8割いらっしゃる石木ダム水没移転者の方々に先行事例を紹介し、将来設計へのアドバイスをおこなうものです。
これは悪いことですか?
ダムに建設に同意した水没者の方々を応援してはいけないのですか?
多分、貴殿と小生とは、いくら文字を重ねても分かりあえないと思います。
ご返信は不要です。
怒らせてしまったようです。役人はそつのない回答をしますが、民間人は怒って
感情的になり、つい本音を言ってしまいます。
私の返信です。
返信ありがとうございます。
川谷ダムへの「侵入」の件はジョークです。
湖面が見えるダム上部の方はやはり入り口が鉄門でしっかりと閉じられ、「施設関係者以外は立ち入り禁止」の札がかけてあったので中に入れませんでした。下に回ってみると山中に狭い取り付け道路があり、数百㍍下ってみると、ダムの下に出て、壮大なダムの壁面を観ることができました。観覧者を想定したように周囲が舗装され、環境整備がなされていました。
帰り際、ふと傍らを見ると、もう何年も開けられたままの錆びた門扉が草の中に隠れており、その一部に「関係者以外立ち入り禁止」の消えかかった文字が見えた、という次第です。実は「ここだけの話」ではなく私のブログでも公開しています。
状況説明が不十分で、誤解を与え、不快な思いをさせてしまいすみませんでした。
私は小心者なので、閉められてある門扉を乗り越えて中に入ったり、ダムネーションのようにダムに落書きをするようなことはとてもできません。
「犯罪者」のレッテルを貼られたままでは不本意なので、後日、管理者である佐世保市水道局に「自首」し、入って良かったのかどうか確認したいと思います
講演は、「約8割いらっしゃる石木ダム水没移転者の方々に先行事例を紹介し、将来設計へのアドバイスをおこなうもので」「ダム建設に同意した水没移転者の方々を応援」するためのものなのですね。本音を正直に吐露していただいてありがとうございます。何も悪いことではありませんよ。そういう目的であれば、ダム建設推進派の拍手喝采を浴び、書籍の売り上げもばっちりで、満足して帰途につけることでしょう。
私のメールの内容は、公開を前提にしているので、講演で紹介しようが、ブログに載せて晒し者にしようがかまいません。批判は甘んじて受けますが、条件として、一部を恣意的に取り上げるのではなく、全文をしっかりと紹介して下さい。そして、宮島さんとのやりとりも個人的なものではありますが、小生のブログやSNSで紹介させてもらいと考えていますが都合が悪いですが?ダム事務所(長崎県)とご相談の上、ご連絡下さい。返信がなければご了承いただいたものと判断します。
私は、宮島さんがご自身のブログで発信している、「ダムにより水没した自然や生き物は二度と戻ってこないんだよ」という言葉を大切に受け止め、「どうぞ、より団結し、こうばるのホタルをお守り下さいませ」と言われるまでもなく、こうばるの方々と力を合わせて、全く必用のない愚かなダム建設を止めさせるために力を尽くします。
その後、宮島氏からの返信はありません。
宮島氏は「約8割いらっしゃる石木ダム水没移転者の方々に先行事例を紹介し、
将来設計へのアドバイスをおこなうものです」と言ってますが、移転者はもう
数十年前に破格の補償金をもらって故郷を捨て、別の場所に「ダム御殿」を建
てたりして、将来設計は終了済みだと思うのですが、いまさら何をアドバイス
するんでしょうね。
私がダムをこよなく愛するダムマニアなら、ダム事務所からの講演依頼は引き受け
ませんね。だって、このような大きな犠牲の上に造られるダムなんて、ダムが可哀
想です。
そこに住む人々の大切なものをすべて奪って水の底に沈めて造ったダム湖のほとり
で、美味しく楽しくダムカレーに舌鼓、なんてありえないでしょう。
一応、講演を聞きに行く予定ではありますが、わざわざ川棚まで行って聞く価値が
あるのかどうか・・・。
*ほたる祭りでのワンショット。
私の目の前に降臨した天使。川棚町出身の方が、お孫さんにこうばるのホタルを
見せたくてわざわざ東京から娘さんと3人で来たそうです。
石木ダム建設に関する是非はそれぞれの立場があるでしょうし言及は避けますが、宮島氏の許可なくメールを掲載するのはいかがなものでしょうか。
宮島氏からの
>ご返信は不要です。
というメールに対して返信した上で
>返信がなければご了承いただいたものと判断します。
というのは随分自分勝手な判断をされるのですね。
宮島氏がそのメールを読んだという確認はどのようにされたのでしょう。
他記事にて
>別に紹介されるのはかまいませんが、本人の意思の確認ぐらいはして欲しいものです。
それが民主主義であり、一人一人の人権を大切にするということです。
と言っておいてこれですか。
返信不要で返信したのは、犯罪者扱いされた部分があったのと、「・・・悪いことですか?」との問いかけがあったのであえて返信しました。
「返信がなければご了承いただいたものと判断します」なんて、ほんとに身勝手で挑発的ですよね~。
最近ちょい悪おじさん度が上がってきて自分でも困っています。
私は「勝手に」こう判断しました。
宮島氏は私の最後の返信を読んだ上でダム事務所に相談した。そこで、「今までのやりとりは仕方がない。しかし今後いっさいダム建設反対派からのアプローチは無視して関わらないで欲しい」と言われそのようにすることにした。
しかし、宮島氏の了解は直接本人からもらっていないことは事実ですから、本人から申し出があればこのブログの項目は削除します。また、講演の際、直接本人と話をする機会があれば確認したいと思います。
宮島氏は聡明でまじめな方だとお見受けしましたので、今頃は私のブログを始め、石木ダム関連の情報収集に努め、いかに11日の講演に反映させるか構想を練っていることだと思います。
回答期限を切るべきでしたね。反省。
最初のメールへのリアクションが早かったのですぐ返信があるものと思っていました。
しかし、「然るべきところと相談の上、回答しろ」と言う方も言う方ですよね(笑)
相談しなければ回答できないというのもおかしいような気もしますが・・、実際のところはどうだったんでしょう。