shi3zの長文日記

■時間よ止まれ 05:40

　ゴールデンゴールドという漫画があって、これが大変面白い。

　なんていうか、ホラーでもSFでもなく、しいて言えば少し不思議(SF)な感じの作品なんだけど、全編に渡るリアリティが異常な状態に妙な説得力をもたせる。

　ただ、ゴールデンゴールドはなかなか新刊がでないので、「うーん、まだ続きが読めないのか」とジリジリしていたのだが、同じ作者が書いた別の作品が完結しているらしいので大人買いしてみた。

　この作品「刻刻」は、漫画史上まれに見る「短い」、作品である。

　我々の世界では一瞬にも感じられないような、ある瞬間だけを切り取った作品だ。

　主人公らは日常生活から離れ、一瞬の瞬間に存在する止界(しかい)に紛れ込み、世界の謎を解きあかす。

　ごく普通のニートや犯罪者、普通の女の子が実際にひょんなことから(よく「ひょんなことから」という出だしで始まる作品はおおいがひょんなことがなんだったのか説明されることは少ない)止界に紛れ込み、さまざまな闘いを通じて成長していく。

　引き込まれて圧巻のラストまで一気に読めてしまう。そして爽やかな読後感。すごい。こういう物語を書ききる技量があるからこそゴールデンゴールドのような物語が書けるんだなあ。

　というわけでお薦めです。刻刻

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