「貧困は社会のせいだ!」と信じて、生活保護申請随行のボランティアをしたら、クズばっかりだった話

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 人並みにマルクスなんか読みまして「貧困は社会問題だ!政府のせいだ!国家の責任だ!」と考えておりました若かりし頃の「えらいてんちょう」。もやいTENOHASHIでボランティアの経験を積むと、てんちょうに頼めば生活がなんとかなるらしい、と噂を聞きつけた若い生活困窮者が集まるようになりました。今回はそんな彼らのケーススタディー。

 先に断っておきますが、生活保護者の大半は真面目につつましい生活を送っていることも存じており、生活保護は全員クズだとか、そういったことを言いたいわけではありません。貧困は社会問題といっても、大半は本人の責任で、国家は立派にその役割を果たしている、というのが今回の趣旨です。

 【S(当時22歳)のケース】
 Sは北海道出身で、私と同級生。北海道の大学を親に無断で中退した廉で勘当され、単身上京して職を転々としていました。住み込みの職が給与未払いで、住んでいたマンションにもいられなくなったため、生活保護を受給することになりました。

 【大きな買い物をするわけではないが、普段の支出に無頓着】
 総じて、金の使い方がおかしいのが生活保護受給者の特徴のひとつです。
 生活保護のお金が支給されます。まずいくのは、コンビニです。タバコを2箱と、レッドブルを2本買います。また、酒を買います。ウィスキーの中サイズです。これでおよそ、2500円くらいです。腹もすいています。オリジン弁当にいき、690円の弁を買います。道中で喉が渇きました。自動販売機で130円のジュースを買います。一日4本くらい買います。新宿にいて、居候先の池袋の私の家に帰ります。一日歩いて疲れたし、タクシーを使って帰ります。4000円ですこんな調子で、支給日から数日は1日に10000円ほど支出します。生活保護の支給金は、単身男性の場合、家賃別で80000円強です。当然お金がなくなります。1日に支給され、残高が3万円くらいになると、さすがに危機感を覚えるのか、支出のベースが1日5000円になります。それが3000円になり、2000円になりますが、結局、月の真ん中、15日には一文無しです。それから2週間は文無しで過ごします。

 【このケースに対する私の見解】
 水とおにぎりで過ごせとは言わないが、レッドブルでなく、イオンのエナジードリンクで我慢するとか、ジュースは缶ではなく、スーパーで2Lのものを買って、水筒に詰めていくとかすればいいのに。自炊しろとまではいわないから、オリジン弁当でなく、街の350円弁当とかにすればいいのに。タクシーではなく、バスを使えばいいのに。生活保護ならば、都営バスは無料なのに。まぁ、それができないから生活が破綻するわけです。やむをえません。

 【その後
 Sはその後、得意なプログラミングの技能を生かして就職し、現在も就労しているそうです。めでたいことです。

 【T(当時22歳)のケース】
 Tは中学校の1つ後輩。典型的なチンピラですが、薬物中毒が強く、双極性障害を併発しているため、ヤンキーコミュニティでも相手にされません。親に紹介された肉体労働も続かず、家で脱法ドラッグを吸っていたため、親に追い出され、ホームレスに。私に助けを求めてきました。

 【なまじ前の仕事で稼いでいたため、自尊心が高く、基本的な倫理観が欠如している。】
 前職は「金の押し買い」の仕事で、年収600万円ほど。なまじ稼いだだけに、「自分はやれば稼げる男」どころか、現在でも稼いでいる男ばりの勢いで、ほかの生活保護受給者をバカにしてかかります。
 基本的なパターンは、前ケースと同じ。普段の支出が無駄に多いです。追加して脱法ハーブです。彼はSくんより賢い部分があり、自分の自己管理能力のなさを自覚し、「てんちょう」にお金の管理を依頼していました。私は、毎日2000円ないし3000円を彼に渡すことで、ぎりぎりのラインで生計を維持していました。しかし、ちょこちょこてんちょうの財布から1000円札が消えます。隙を見て盗んでいるわけです。
 チンピラは基本的に倫理観がありません例えばヤクザは、倫理観が皆ないからこそ、形式的な儀礼を重視し、上下関係を絶対にすることで、何とか秩序を保っているわけです(いわば、法の支配)。チンピラのコミュニティから外れた彼は、もはや一匹の野生動物です。
 数か月経ったある日、てんちょうの貴金属を盗んだことが明るみになった彼は、姿を消しました。

 【その後】
 音信不通です。さすがに私も面倒を見るのは無理なので、どこかの宗教家が拾って世話していることを望みます。

 【その他の事例をさわりだけ紹介】
・動物を飼うのが趣味で、生活保護支給日に毎回高い動物を買って一文なしになり、1か月間廃品回収をしてしのぐ40代男性。
・生活保護支給日に腕時計を大量に買い込み「俺って買い物うまいよなァ」としきりにいう50代男性。

その他、あげてもあげてもキリがありません。この辺でまとめます。

 【生活保護の支給金額をあげても無意味。下げても問題はない。大半は支出に問題有り】
 見てきたとおり、生活保護受給者には支出に問題がある人間が少なからずおり、支給金額が倍額になれば倍額使うだけである。一方、15日に全額使い切っても、残りの15日間で餓死しているわけではない。なんだかんだ生き延びている。よって、支給金額を下げてもあまり問題は生じないと思われる。

 【制度を変えるとすれば・・・】
 彼らのような人間を、私人で面倒を見るのは、不可能だと思われる。反面、日本国は立派にその義務を果たしており、えらい。
 制度に改良の余地があるとすれば、理想的には毎日日割りで2500円の支給にすること。事務は煩雑になるので不可能だとしても、週1回20000円の支給にできれば、改良といえると思われる。

 【貧困は個人の責任】
 社会の責任だと思って頑張ってきたが、数々のケースにあたるうちに、これは社会の責任ではない、無駄に貧困になって無駄に死んでいく人間は一定の割合でおり、これに寄り添うことになんらの意味がない、という結論に至った。自民党は正しい。





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【追記】2017.6.5
好評のため、続編を書きました。ご高覧くださいませ。
「これは家賃です」と渡されたお金を家賃として振り込むことは、限られた人間だけができる特殊能力です。

コメント

  1. 実際に社会福祉協議会で家計管理をしてくれていますね。
    家賃光熱費差し引いて、週1万くらい小遣い(といっては失礼ですが)渡してくれます。
    支出に応じて緊急時対応用の貯金も作ってくれますし、(管理する側としては)大変助かる制度です。

    とはいえ基本的には知的障害や精神障害を原因として金銭管理ができない方向けの制度ですし、
    根本的に自堕落な方ですと根本的救済は難しいところですね。

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  2. 私も実際にグループで生活保護者向けのボランティアとして弁当の配布や生活用品の支給などを行っていました。
    「金が無くなっても何とか食いつないでいる」のは、こう言ったものも利用しているのかも知れません。
    しかし、この手のボランティアの宿命として、基本的な生活態度の向上や金銭管理には踏み込むことは出来ず
    ややもすると「お金を使っても何とかなる」と言う負のサイクルに加担しているのではないかと言うジレンマがありました。
    使い込んでしまう原因としてはやはり酒・煙草・パチンコ・宝くじなど、若年者の場合だと、彼らは意外とスマホなど持っていることが多いので
    ソーシャルゲームにつぎ込んでしまったなどと言う話も珍しい事ではありませんでした。
    娯楽まで奪われてしまうと閉塞感が─と言う意見もよく聞かれますが
    他に精神的な逃げ道がないからこそ、そこに金銭を投入してしまう心理もあります。
    支給の額面を減らしたとして、国の支出は減るでしょうが彼等の金銭の使い道はさして変わらず
    根本的な問題解決にはならないのではないかと思われます。
    減額した予算を社会更生に向けた何らかのプログラムに回すと言った措置が必要なのではないでしょうか。
    現政権は「ギャンブル依存に真剣に取り組む」と言っているのですから、そこから転用できるノウハウもあるでしょう。

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