奨学金600万円を抱え困窮する22歳女性 「親が自己破産してバイト漬けで鬱に、婚約も破棄されるかも」

柏木さんの「貸与奨学金返還確認票」(一部画像を加工しています。)

柏木さんの「貸与奨学金返還確認票」(一部画像を加工しています。)

いまや大学生の2人に1人が借りている奨学金。借入総額の平均は312.9万円だが、人によっては600万円を超えることもある。

社会人1年目の柏木優花さん(22、仮名)は、大学在学中の4年間、入学金50万円に加え、毎月12万円を借りていた。総額で626万円になる。

今年の秋ごろから返済を始める予定だ。返済開始時に利子率がわかる「利率変動方式」のため、まだ正確な返済額はわからない。もし上限利率の3.0%を課されると、返済総額は843万6847円にまで膨れ上がる。毎月3万5152円の返済を20年間続けてやっと返済できる金額だ。(※)

4月から神奈川県内の病院で胚培養士として働き始めた柏木さんは、「18万円ほどの手取りで1人暮らしをしていますが、この給料で毎月3万円以上返し続けるのは辛いです」とこぼす。

「いまでも生活に余裕があるわけではありません。もし虫歯などで通院する必要が出てきたりしたら、お金が足りなくなるでしょう」

奨学金によって生活が圧迫されるだけでなく、結婚にまで影響が出てしまっているという。

「これだけ借りていると結婚相手やその親に嫌がられるのではないかとずっと心配していました。それが最近、現実になってしまいそうなんです。何年も交際して結婚の話までしていた相手から『奨学金や家庭環境のことがちらついてしまう』と言われ、関係が冷え込んでしまっています」

アルバイト漬けの生活で心療内科へ 家が貧しく保険証すらなかった