中国・習近平政権の「弱腰」が、北朝鮮を率いる金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を増長させ、核・ミサイル開発を促進するかもしれない。国連安全保障理事会は2日、北朝鮮に対する制裁決議案を採択したが、制裁対象の拡大にとどまり、北朝鮮にとって痛手となる中国からの石油供給制限は盛り込めなかった。北朝鮮の反発だけを呼び、さらなる威嚇行動の「誘い水」となる可能性もある。
「これまでも言ってきたとおり、さらなる挑発行動に対処するため、あらゆる選択肢がテーブルの上にある」
安保理の会合で米国のニッキー・ヘイリー国連大使はそう述べた。だが、言葉の勇ましさとは裏腹に、全会一致で採択された決議は、資産凍結や渡航を禁止する制裁対象の追加という中途半端な内容にとどまった。
新たな制裁対象には、北朝鮮の工作機関「偵察総局」の幹部ら14人のほか、核兵器やミサイルの運用を担当しているとみられる朝鮮人民軍の「戦略軍」、正恩氏の秘密資金を扱う「朝鮮労働党39号室」と関連がある高麗銀行など4企業・団体が含まれる。