医者にかかるたびに常々感じることがあります。それは、医師はきわめて確実なプロジェクト管理を行っている、ということです。
医師は患者(=自分)に向き合う際に、必ずカルテを傍らに置き、会話を交わしながらペンを走らせています。
- 患者がどんな症状を訴えているのか?
- その症状はいつからどれぐらいの頻度で発生しているのか?
- 過去に同じような症状はあったか?
- 何か薬を飲んだか?
といった質問を投げかけ、返答内容をサラサラとカルテに書き込んでいきます。
それをもとに、どんな治療を行うのか、どんな薬を処方するのかをその場で考えながら書き足していくのでしょう。
何度か通院することになると、患者としてもこのカルテの“効き目”を実感することになります。
「前回はこういう症状があったみたいですが、今日はいかがですか?」
という質問が医師から発せられるとき、「あぁ、ちゃんと覚えてくれているんだな」と当たり前のことながら安心感を覚えます。
医師としてはカルテに書かれているから思い出せているのでしょう。でも、書いたのは医師自身なので、それまでは忘れていてもカルテを見ることで前回の診察がどうであったかを、カルテに書かれていないことも含めて再現できているはずです。
同じことは我々の仕事においても当てはまります。
特に、取り組む頻度がまちまちの複数の仕事を抱えている状況においては、医師にとってのカルテにあたるものがないと、たちまち混乱を来してしまうでしょう。
久しぶりに取り組むことになった仕事を前に「あれ、前回はどこまでやったっけ?」「次は何をやるんだっけ?」といった状況把握に時間を取られては、肝心の仕事が前に進みません。
これは、医師が患者を前にして「すいません、前回はどんな治療を行いましたっけ? そもそもウチに来ているのはどういった経緯なんですか?」といった質問をするようなものです。「この病院は大丈夫だろうか…」と患者を不安がらせてしまうでしょう。
医師にとってのカルテにあたるものは、我々にとってはプロジェクト管理ツールということになります。
2日以上にわたる仕事(=プロジェクト)を遅滞なく進めていくために
仕事は大きく2つに分けると、タスク実行管理とプロジェクト進捗管理から成ります。
タスク実行管理とは、日単位でのタスク実行をスムーズに運ぶためのものであり、タスクシュートの担当分野と言えます。
一方、プロジェクト進捗管理とは、2日以上にわたる仕事(=プロジェクト)を遅滞なく進めていくためのものであり、さまざまなツールがあります。
医師がカルテというツールをを駆使するのは、多くの患者の治療が2日以上にわたる「仕事」になるから、と言えます。
タスク実行管理とプロジェクト進捗管理は小さな歯車と大きな歯車が噛み合うように連動しており、この連動をいかにスムーズに行うかが常に課題となります。
言い換えれば、タスク実行管理という小さな歯車を回すだけでは成果は限定的であり、この歯車にプロジェクト進捗管理という大きな歯車をしっかりと噛み合わせる必要があるわけです。
さる5月13日(土)に開催したタスクカフェはまさにこの「プロジェクト進捗管理」、とりわけ「プロジェクト管理ツールの活用法」がテーマでした。
具体的には、以下の3つのツールについて、実際の使用例をご覧いただきながら、それぞれをどう使い分けるかについて解説。
- Evernote
- WorkFlowy
- Scrapbox
テーマは「ツールの活用法」ではありますが、この活用法を通してプロジェクトというものにどのように向き合えばいいのか、その考え方をお伝えしました。
このときのレクチャー内容を収録した動画が完成しましたので、以下ご案内します。
プロジェクトを効率よく進めるためのツール活用法
以下のようなトピックを収録しています。
- プロジェクトの定義
- プロジェクトのキモである「封じ手」とは?
- プロジェクト化の要件は▲▲を滞りなく引き継ぐこと
- プロジェクト管理ツールを選ぶときのたった1つの基準
- Evernoteの使いどころ
- WorkFlowyの使いどころ
- Scrapboxの使いどころ
- Scrapboxのデモ
- EvernoteとScrapboxとWorkFlowyをそれぞれどう使い分ければいいか?
直接ご購入または「タスク管理トレーニングセンター」でご覧いただけます
↓以下のページにて、ご購入いただけます。
» タスクカフェ・レクチャー動画:プロジェクトを効率よく進めるためのツール活用法
あるいは、タスク管理トレーニングセンターにご入会いただければ、過去のレクチャー動画と合わせてご覧いただけます。
現時点で、今回の「プロジェクトを効率よく進めるためのツール活用法」含め以下6本の動画をご覧いただけます。
- 1.TaskChute Cloud入門動画
- 2.重要な仕事を先送りすることなく少しずつ確実に進める方法
- 3.意志力を発揮して仕事を少しずつ確実に進める方
- 4.「やる気」の効果的な使い方
- 5.残業ゼロのタスクシュート入門
- 6.プロジェクトを効率よく進めるためのツール活用法NEW!
今後も順次新しい動画を追加していきますので、ぜひこの機会にご入会ください!
↓タスク管理トレーニングセンターの詳細・お申し込みは以下のページをご覧ください。
06月24日(土) 「やりたいこと」をやるための「やるべきこと」を増やしすぎていませんか?
「やりたいこと」をやるために「やるべきこと」を増やすのではなく、「今やらなくてもいいこと」を見極めてどんどん減らしていくことで、純度の高い「やることリスト」を作り出し、スムーズでスピーディーなスタートのお手伝いをします。
▼次のような方のための講座です
- 会社の仕事とは別に、自分の可能性を発掘し、発揮したい
- でも、なかなか取りかかれない
- ブログを続けているが、いまいちパッとしない
- 注目はされたいが不必要に目立ちたくない(炎上はイヤ)
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- 自分の得意なことで人の役に立ちたい
- 出版してみたい
- セミナーを主催したい
- 個人コンサルティングを始めたい
- 集客の不安を解消したい
- 自分に合った、長く続けられるスタイル(=オウンスタイル)を身につけたい
» 6月24日(土) オウンスタイル・カフェ
「タスク管理トレーニングセンター」のご案内
タスクカフェは東京(渋谷)でのみ開催しているため、地理的にご参加が難しいという方、あるいは日程的に厳しいという方もいらっしゃるかと思います。
そこで、オンラインコミュニティ「タスク管理トレーニングセンター」を開設しました。
▼タスク管理トレーニングセンターとは?
「タスク管理トレーニングセンター」は、タスク管理にまつわる以下のような課題に取り組みます。
- いろいろな本を読んだりセミナーを受けたが自分なりの方法が確立できていない
- こちらの業務環境や状況に合わせて客観的なアドバイスをして欲しい
- 誰に質問していいのか分からない
- どのツールが自分に合うのかが分からない
- TaskChute2で「こういうこと」をしたいが方法が分からない
- たすくまで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
- TaskChute Cloudで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
- この使い方で合っているか不安
- もっといいやり方があれば教えて欲しい
- 他の方とタスク管理に関する課題を共有したい
- タスク管理アプリの開発者とタスク管理のエキスパートがあなたのご質問にお答えします
- 一般非公開のコミュニティで他の参加者の方と課題を共有できます
- タスク管理の考え方・やり方の理解を深めるためのレクチャー動画をご覧いただけます
ご質問にお答えするのは、TaskChute開発者の大橋悦夫、たすくま開発者の富さやか、TaskChute Cloud開発者の松崎純一、そして、タスクシュート歴10年の佐々木正悟の4名です。
また、毎月のタスクカフェのレクチャー内容を動画で公開しています。
これまでにお答えしているご質問や現在公開中のレクチャー動画については、以下のページにて詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
» タスク管理トレーニングセンター
タスクシュート® とは?
» TaskChute2(Windows・Excel)» TaskChute Cloud(クラウド)
» たすくま(iPhone)
» たすくま「超」入門
06月10日(土) 新しいプロジェクトをサッと始めて着実に進める方法
今回のテーマは、
-新しいプロジェクトをサッと始めて着実に進める方法
です。
前回に引き続き、プロジェクト管理について掘り下げます。
前回の続きですが、今回初めて参加する方にも優しく解説します。
タスクカフェ講師の1人、佐々木正悟はこれまでに50冊以上の書籍を執筆していますが、一度たりとも原稿を落としたことがないと言います。つまり、締切に遅れることなく、1冊分の原稿を仕上げているのです。
これは、たとえて言うなら卒業論文を50回連続で期限までに提出しているようなものです。
書籍の執筆という仕事は、一冊ごとにそれぞれにテーマも背景も事情も異なる、言わば定型化しにくいプロジェクトです。もちろん、50回も繰り返していれば、その勘所は押さえられるがゆえに、初めて本を書くという人に比べて圧倒的に効率よくスピーディーに進められるということはあるでしょう。
それでも、佐々木にも1冊目の本の執筆という機会があったはずです。そこからいかにして「今」に至ったのか? これまでの経緯をひもときながら、新しいプロジェクトをサッと始めたうえで、これを着実に進めていく方法をお伝えします。
特に、見通しの立ちにくい仕事になかなか着手できずにお困りの方はぜひご参加ください。
好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。
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