お店でクレジットカード払いを利用しようとすると、『お客さん、すいませんがこのレシートのここの部分にお客さんの連絡先を記入してもらえますか?』と電話番号の記入を求められたのは今からまだ20年くらい前の話。
現在だと想像できないかもしれませんが、当時はクレジットカード決済時に端末から排出されるレシートにはちゃんと「電話番号記入欄」が設けられていて、そこにボールペンを使って連絡先を書く仕様だったので、それがまぁ、普通だと思っていたものです。
レシートには16桁のカード番号がすべて印字:
また、クレジットカード決済をした証拠としてもらえるレシートにも、自分のクレジットカード番号がしっかり印字されていた時代もありましたね。
- 20年前:カード番号すべてがレシートに印字
- 現在:カード番号は一部のみ印字
これはインプリーター(通称:ガッチャン)と呼ばれる原始的なクレジットカード決済機を利用した場合はもちろん、電話回線を利用したクレジットカード決済でもカード番号が隠されることなく印字されてしまっていたので、昔は『クレジットカードのレシートはシュレッダーにかけて細かく刻んでから捨てなさい』なんて言われたものです。
現在ではお店とお客さん両方で16桁を保有:
では現在ではどうか…というと、クレジットカードの16桁番号の末尾4桁のみが手元に残る仕組み。この4桁に加え、お店側に残っている前12桁と照らし合わせることで、16桁のカード番号が成立するパズルような形になっています。
- お店側が保管:前12桁のカード番号
- 私たちが保管:後ろ4桁のカード番号
要するに双方が保管しているレシートがなければ16桁が完成しないので、クレジットカードのレシートをそのまま捨ててしまっても悪用される心配はほとんどなくなりましたし、店舗側による二重請求等の不正も防げるように。
従来は16桁まるまるがお店側にも残ってしまっていたので、まぁ、様々なクレジットカードの不正利用があったようです(よく二重請求されていないか確認しろと言われました)*1。
今考えるとコワいコワい過去:
しかし、ほんのちょっと前の時代まで、お店でクレジットカード決済をすると16桁のカード番号、有効期限、カード名義、サイン(漢字のフルネーム)、電話番号などなどの個人情報を残していたわけです(苦笑)
これって今考えると凄いセキュリティが甘い事案ですし、不正利用されても仕方ない…と言われちゃうくらいのザルさ加減なので、こういったものが改善されてほんと良かったなぁと思いますね。
そりゃ現金払いのほうが安全…という考え方が出来上がるわけです。
現代ではだいぶ進化したクレジットカード:
そう考えるとクレジットカードって、昔と比べてかなり進化はしましたよね。
磁気ストライプによる決済からICチップ決済へと変更になって偽造等の心配も劇的に減りつつありますし、サインレス決済などスムーズなカード利用が出来るようになったのも現代ならでは。
しかし、まだまだ電子マネーと比べて決済スピードが遅いのは問題ですし、カード番号&有効期限のみで好き勝手に買い物できてしまうネット通販なども残っているので、カード業界関係者としては悩みは常に尽きない感じなのでしょう。
- カード決済スピード:旧式の端末などだと決済までに1分近くかかることも
- ネット通販:カード番号と有効期限だけで支払いにつかえてしまう(セキュリティコードや3Dセキュアがまだ普及しきれていない)
引き続き、業界全体の改善&進化に期待したいところです。
以上、クレジットカードを使ったら電話番号を記入させられたり、レシートにカード番号がまるまる印字されていたのは、まだほんの20年前の話である…という雑談でした。
さてさて、10年後、20年後の未来ではクレジットカードがどうなっているか、今から楽しみにしておきたいと思います(たぶん、プラスチックカードの発行自体がなくなっていると予測)。
参考リンク:
クレジットカードを使う上での疑問や不安がある…という方は、下記記事もあわせて参考に。クレジットカードの基礎知識を身につける上での、役立つ記事をまとめていますよ。
*1:最近じゃ二重請求があるかどうか確認しろ…と言われることもないですし、そもそも二重請求ってなに?というレベルかもしれません(二重請求とは例えば1万円の買い物をした時に、1万円が2つ、請求されて2万円になっている請求のこと)。