北朝鮮の核に関して、一時はもしかして戦争が起きるのではないか、という雰囲気があったけれども、結局どうやら北朝鮮が何をしようが戦争が起きることはなさそうだ。
アメリカ人の発言も、もう現実的には軍事行動は不可能であることを認めるようなものになっている。
ICBMがあってもなくても、核というのは例えば空母などに落とすというような使い方もできるので、北朝鮮が核の開発に成功したらそれで終わりなのである。
そういうわけで、戦争が始まるかわりに極東アジアで始まったのは核による冷戦状態、つまり世間では「平和」といわれるもので、状況は急速に鎮静化し始めているように見える。
ニュースで話題になっているのもアメリカが地球温暖化の協定から脱退するというニュースや、ロンドンでテロが起きて7人が亡くなったというようなことで、一部の人を除いては、もうだれも北朝鮮の核兵器なんて気にしていない。
アメリカ人が長いこと北朝鮮の核を放置しておいたのも、初めからこうなる事がわかっていたからだろう。
それにしても、こういう風に事態が沈静化してみると、いったいどういう意味で北朝鮮の核が問題なのかよくわからなくなってくる。
核ならば中国やロシアだってもっている。
これらの国は簡単に日本を殲滅するだけの核兵器を持っているが、日本人はこれらの国が核兵器を持っている事を完全に忘れてしまっている。
たとえば近年、日本と中国との間では領有権をめぐって緊張状態が続いているが、領土問題が原因で中国が東京に核兵器を投下するだろうと考える日本人はいないだろう。
つまり、日本にとって中国は明らかに脅威なのだが、中国の核兵器は脅威であるとはみなされていない。
なのに、なぜ北朝鮮の核は脅威なのだろうか。
北朝鮮がいろいろと迷惑な事をしているのは確かだけれども、北朝鮮が世界の脅威であるというのはちょっと表現がずれているような気がする。
北朝鮮が世界に要求しているのは体制の存続だけで、ほかには何の要求もしていない。
日本や西側諸国との間に(核兵器の問題は別として)大きな争いがあるわけでもない。
別に北朝鮮が核を持ったからと言って、そのうちに北朝鮮が侵略をしてくるわけでもないのである。
たしかに北朝鮮が核を持った事で複雑な話がますます複雑になるかもしれない。
しかし、よく考えてみると、北朝鮮の核のために何が変わるかというと変わりそうな事はあまりないというか、ある意味では状況がそのためにますます変わらなくなったとも言える(そしてそれが北朝鮮の狙いである)。
もちろん、北朝鮮がこれからどうなるかは中国人の意向次第だが、結局は、厳しい経済制裁と引き換えに北朝鮮の体制の存続は認める、という、国際社会がこれまで演じてきたプロレスが続くだけのように思える。
各国の政治家が北朝鮮の核の脅威を大声で言うのもこのプロレスの一環であるという側面が大きいのではないだろうか。
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