2017年6月4日05時09分
「与党内を説得できないのに、『自民党の憲法改正草案がいい』と言っているのは護憲運動をやっているのと同じだ」。安倍晋三首相は5月中旬、都内であった会合のあいさつで訴えた。実現できない案にしがみつくのではなく、賛同を得やすい形で憲法改正をめざす姿勢を鮮明にした。
首相は、こうも語った。「自民党で一番の保守強硬派の私が言うのだから、『それならば仕方がない』となる。何とか党内をまとめたい」。悲願とする憲法改正への決意表明だった。
その約2週間前。5月3日の憲法記念日にあった憲法改正を求める集会で、首相は戦争の放棄などを定めた9条1、2項は残し、別途自衛隊の存在を明記するという新たな考えを公にした。持論だった戦力不保持を定める9条2項の改正論は封印。公明党や民進党内にも提唱者がいる「9条加憲」に軸足を移し、改憲論議のウィングを広げる狙いをにじませた。
村山談話など歴代内閣の歴史認…
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