連続テレビ小説 ひよっこ(53)「小さな星の、小さな光」 2017.06.02

(豊子)やだ。
やだ絶対やだ!やだ…やだ…やだ…。
やだ…やだ…。
絶対やだ〜!
(みね子)
お父さん…。
豊子が…豊子が…
・「Ponponpon…」・「愛の言葉をリル」・「シャイなハートがドキドキ」・「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」・「瞼閉じれば蘇る」・「幼い頃の大事な宝物だけは」・「ずっとこの胸に抱きしめて来たのさ…Ahah」・「夜の酒場でLonely」・「あの娘今頃どうしてる?」・「さなぎは今、蝶になって」・「きっと誰かの腕の中」・「肩寄せ合い声合わせて」・「希望に燃える恋の歌」
(愛子)どうしたの?
(幸子)中に豊子が。
・おいどうなってんだよ!
(松下)ちょっと待って!お願いします。
こっちも仕事でやってんだよ。
何時までに運ぶっていうな。
分かってます。
ちょっとだけ待って下さい。
(幸子)豊子どうしたの?開げで。
豊子ちゃんどうしたの?突然。
愛子さんと話そう。
ね?開けて出ておいで。
豊子どうしたのよ?あんた。
(時子)豊子お願い開けて。
(幸子)豊子開げで。
こんなごどしたって…。
分がってる。
分がってるよ幸子さん。
こんなことしたって何にもならねってのは分がってる。
分がってるんじゃ!
(幸子)じゃどうして?しゃべりたいんだよ。
嫌だってしゃべりたいんだよ。
誰にがは分かんねけどおれは嫌だ。
みんなと一緒に働きてえ。
そうやってしゃべりてえんだよ。
(豊子)おれは今まで一度だって嫌だって言ったことはねえ。
高校さ行げねえって両親から言われた時も悔しかったし悲しかったし何で何でおればっかりって思ったけんど…。
でも嫌だとは言わながった。
分がったって言った。
でも嫌だ。
これは嫌だ。
意味がないがもしれないバカだって思うがもしれない。
時間の無駄だと思うがもしれない。
でもおらは嫌だって言いたい。
こったの嫌だ!最初は心ば開けねがったけど時子さんがさ「もういいでしょ」って。
「もう意地張らなくていいでしょ」って。
うれしかったんだおら。
うれしかったんだ…。
豊子…。
ここはおらが本当の自分でいられる所なんだ。
今までそったな所はねえ。
だからこの工場で乙女寮で仲間たちで一緒に笑って一緒に泣いて…。
一緒に悩んでくれて…。
そんなの初めてだったんだ…。
初めてだったのに…。
なして?なして?なしてみんなと一緒にいちゃいげねの?なしてここで働いではいげねの?なして?
(豊子のすすり泣き)
(豊子)何言ってんだか自分でも分がんねよ…。
(豊子)バカだと思うじゃ。
バカでいいじゃ…。
(すすり泣き)豊子…。
(愛子)分かった。
分かったよ豊子。
悪いけどなもう時間だ。
開けないんだったらドア壊しても運ばせてもらうよ。
ちょっと待ってくれと言ってるんだ!あなたたちだってあの子と同じように働く人間だろ。
分からないか?あの子の気持ちが。
中学出たばっかりの女の子。
たった一人で親元離れて初めての職場なんだ。
なくなるのが嫌だっていう気持ちあんただって分かるだろ?そう言われてもな困るんだよ。
俺たちだってそんなことしたかねえよ。
でもそれが仕事なんだよ!
(愛子)大丈夫。
豊子ちゃんは自分で出てきます。
大丈夫。
豊子ちゃん。
(愛子)壊されちゃうよ。
みんなで毎日通ったこの扉。
そんなの嫌でしょう?豊子。
私だって嫌だよ。
大好きだったからそこが。
自分の席に座って仕事すんのが大好きだった。
最初は全然できなかったけどでも頑張って負けなかった場所だからさ。
でもね豊子。
悲しいけどなぐなんないよ。
なぐなんない。
私たちがずっと忘れないでいれば工場はなぐなんない。
ずっと。
ずっとなぐなったりしないよ。
そうでしょ?豊子。
それにさ私たち決めたでしょ?最後まで笑っていようってそれが私たちらしいねって。
約束したでしょう?違う?豊子。
・悪いけどもう勘弁してくれ。
おい!もう時間なんだよ。
(もめる声)分かるけど!分かるけど!
(戸が開く音)このバカぁ!このバカがぁ!バカにバカって言われたくねえ!おれがバカならおめえは大バカだ!
(豊子)んだな。
(すすり泣き)バガ!豊子…。

(幸子)ほんとにもう!やれやれ豊子ちゃんも世話が焼ける子だったんだねえ。
すみません。
こら!痛え!今いい音したねぇ。
(笑い声)こら!何すんだおめ。

お父さん…。
豊子の小さな反乱は時間にしたらほんの何分かのことで歴史に残るようなことではないのかもしれないけど確かに今ここで起きた事件です。
私の歴史年表ではとっても大きな出来事になると思います。
いつかみんなで笑い話にしてやろうと。
何度でも笑い話にしてやろうと思いました
あっじゃあ…。
ご苦労さまです。
よろしくお願いします!よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
すみませんでした。
さっ行こう!
(男たち)はい!
(エンジン音)
(愛子)さっおなかすいたね。
和夫さんのごはん食べに帰ろう。
今日は最後だからカレーライスだよ。
通いの子も特別に入っていいって。
さっ行こう!
(一同)はい!
お父さん…。
お父さんへの心の手紙ではどうしても私の近くにいる人の話になってしまうけどここには大勢の乙女たちがいました。
みんなそれぞれに私とおんなじように物語があります。
何だかそれってすごいなぁと思います。
そんな物語がものすっごくたくさんあるのが東京なのかなって思いました
2017/06/02(金) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 ひよっこ(53)「小さな星の、小さな光」[解][字][デ][再]

工場が閉鎖される日、突然建物に立てこもった豊子(藤野涼子)。驚いたみね子(有村架純)や愛子(和久井映見)は、いったい何があったのかと、その訳を聞き出そうとする。

詳細情報
番組内容
工場が閉鎖される日、突然建物に立てこもった豊子(藤野涼子)。驚いたみね子(有村架純)や愛子(和久井映見)がその訳を聞き出そうとすると、豊子は胸にしまっていた自分の思いをみんなに打ち明ける。外では業者の男たちが工場の機械を運び出すために待っていて、どうして入れないのかと、ライン長の松下(奥田洋平)に詰め寄っていた。男たちのどなり声が飛び交うなか、みね子は窓の外からそっと豊子に語りかける。
出演者
【出演】有村架純,佐久間由衣,小島藤子,藤野涼子,松本穂香,岡部たかし,陰山泰,奥田洋平,和久井映見,【語り】増田明美
原作・脚本
【作】岡田惠和

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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