1982年公開の『ランボー』から3年、さらなるヒットを見込んでアクション満載で作られた続編『ランボー/怒りの脱出』。
主役のシルベスター・スタローンの極限まで鍛えられた筋肉もアクションも飛ばしたヘリコプターも、使用された重火器さえ前作に続いて本物という徹底した本物志向(当時は現在ほどVFXが一般的ではなかったこともあり)の作品でした。
劇中に「自分はエクスペンダブルである」という台詞があることから、世界的な大ヒットを記録した一方でラジー賞4部門を受賞したものの、還暦を過ぎたスタローンが再びアクションスターとして返り咲いた『エクスペンダブルズ』にも影響を与えたと思われる本作は、アクション映画を語る上で欠かすことのできない名作です。
若き日のスタローンがまぶしい、そんな『ランボー/怒りの脱出』の撮影風景が公開されています。今の時代、舞台裏映像といえばグリーンスクリーンやブルースクリーンが一般的なので、リアルなセットにリアルなヘリは新鮮に感じるかもしれません。
アメリカのプライドを守るために捕虜救出を反対したCIAのマードックに対して怒りを爆発させたランボーが、タイの米軍基地に戻ってきたシーンからはじまります。ストレッチして準備万端。カメラチェックに余念がないスタローンをなめるように映すカメラ。盛り上がる胸筋にドキドキします。ヘリから黙々と上がる煙、今ならCGで後付けしそうな描写です。
続いて、マードックの裏切りによってベトナムに置き去りにされてしまったランボーが、ロシア兵によって拷問されるシーン。拘束されたランボーの体にナチュラル・レンズフレアです。
お次はベトナムからヘリで脱出するランボーたち。ヘリを実際に飛ばしています。この頃の映画はこれが当たり前だったんです。そして、怒りで爆発寸前のランボーが憎きマードックの元にやってくる緊迫のシーン!
マシンガンでマシンを次々と破壊からのサバイバルナイフでグサリ! 銃もナイフも本物ですから……。すごい迫力です。
この映像ではマシンを破壊するシーンが俯瞰で撮影されていますが、映画だとマシンガンの振動に合わせてスタローンの筋肉が揺れるんです。あれは良かったなぁ……(ウットリ)。
ちなみに、『ランボー/怒りの脱出』はすべてメキシコで撮影され、連日暑い日が続いていた様子。スタローンだけでなく、撮影クルーも上半身裸なのは高い湿度に耐え切れなかったからでしょう。
今のアクション映画と比較すると派手さはあまりありませんし(爆発物の数に対して爆発箇所が多いといった謎な派手さはありますが)、アクションも遅く感じます。しかし、それは本物志向だからこそ。改めて観るとすごい映画なので、空前の80年代ブームの今、「80年っぽい」映画ではなく、本当の80年代映画として『ランボー/怒りの脱出』楽しでみてはいかがでしょうか?
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(中川真知子)