イライラや不安が止まらない、身体が疲れやすい、眠れない…。
こんな症状で悩まされているとしたらそれは自律神経の乱れが原因かもしれません。
自律神経は、活動している時に優位になる交感神経と休息するときに優位になる副交感神経があり、これがバランスよく働いていると心身ともに健康に過ごすことができます。
しかし、忙しくストレスがたまりやすい現代社会では活動のための交感神経が活発になりすぎて自律神経のバランスが乱れ、様々な不調を引き起こしてしまいがちです。
これを解消するには、イライラしたり不安になるといった感情を抑えることでもう一方の副交感神経を高めることが必要です。
ですが、忙しいからこそ交感神経が働くのであってその対策に時間がかかるようでは元も子もありません。
そこで今回は、たった5分でできる副交感神経を高めて自律神経を整える方法についてご紹介していきます。
1.ゆっくり歯磨きする
出勤の準備に、朝食に、女性であれば化粧もしなければならず何かと慌てがちな朝。
しかし、自律神経を整え、一日を快適に過ごすためにはこのようにバタバタとする朝を迎えるのは好ましくありません。
朝は睡眠時の副交感神経が優位な状態から活動していくために徐々に交感神経が高まっていく時間です。
しかし、時間に追われながら慌てていると本来少しずつ高まる交感神経が急激に高まり、そのせいで副交感神経も一気に下がってしまいます。
ですので、ストレスがたまる忙しい朝こそ時間に余裕をもってゆっくり過ごすことが自律神経を整えるためには必要です。
すべての動作をゆっくり行い、優雅にコーヒーでも飲みながらゆったり過ごすのが一番ですが、時間がなくてそうもいかない人が大半でしょう。
ですので、誰しも毎朝行う歯磨きだけでもゆっくり丁寧に行いましょう。
歯磨きであればゆっくりやっても5分ぐらいが限界ですので、朝の時間に大きな影響を与えることもありません。
もちろん歯磨きでなくてもかまいません。ゆっくり着替える、ゆっくり顔を洗うといったことでも何かしらのアクションをゆっくり行うだけで交感神経の高まりを抑えることができます。
2.朝起きたらコップ一杯の水を飲む
副交感神経を高めて自律神経を整えるには、ゆっくり過ごすこととともに朝行ってほしいことがあります。
それはコップ一杯の水を飲むことです。
起きたての身体で水を飲むと胃腸にいい刺激を与えることができます。
この胃腸は副交感神経の支配下にある臓器なので、これを刺激することで副交感神経を高めることができます。
また、朝の水分補給は寝ている間に失った水分を補うことができるだけでなく、便秘の解消効果も期待できます
このように朝の水分補給は1分もかからず健康のために大きな効果をもたらすことができるので是非習慣的に行うようにしましょう。
3.意識的に空を見上げる
忙しい朝、納期に追われ焦る仕事など心に余裕がない時、ストレスを感じている時には交感神経が過度に優位になりがちです。
そのようなときには意識的に空を見上げるようにしましょう。
晴れ渡った空、いろんな形に姿を変える雲、まぶしい太陽の光、こうした自然を感じることは心をリラックスさせて副交感神経を高めることができます。
波のように押し寄せる大量の仕事を日々こなしていると、どうしてもそれのみに意識を集中させてしまいます。
しかし、集中力は一時間半が限界ともいわれ長くは続きませんし、張り詰めた精神状態では交感神経が高ぶってしまい、そのせいで血管が収縮し脳に血液や栄養がいかなくなります。
過度に集中しすぎることは逆に効率を下げてしまうこともあるのです。
ですので、張り詰めたときほど適度に小休止をとり、窓から空を見上げて自然を感じてみましょう。
たったこれだけのことでも副交感神経を高めて血流を良くし頭を存分に働かせることができます。
もちろん空ではなくても木々や花でも自然であれば何でもかまいません。重要なのは意識的に自然を感じることです。
忙しい時ほど自然を感じてリセットする必要があることを心にとどめておいてください。
4.深い呼吸をする
自律神経の機能は血液の流れや体温、心拍、消化・吸収など多岐にわたりますが、その名の通り自律的に作動するので意思でコントロールすることは基本的にはできません。
心臓よ止まれ!と念じて心臓が止まってしまっては逆に困ってしまいます。
しかし、自律神経が支配する身体の機能の中でも唯一自分の意志で影響を与えることができるものがあります。
それは呼吸です。
寝ている時でも自律神経のおかげで呼吸が止まることはありませんが、呼吸は大きく吸ったり短く吐いたりと意識的に調節することができます。
大事なプレゼンの前など緊張する場面では呼吸は早く短くなってしまった経験は誰でもあると思います。これは交感神経が優位になっているために起こる現象です。
緊張した時は深呼吸をすると良いとよく言われますが、これは理にかなっていて、深くゆっくり呼吸すると効果的に副交感神経を高めることができます。
副交感神経が高まれば、血管が広がり血流がよくなることで新鮮な血液が脳に巡り、思考や感情を安定させてリラックスすることができるのです。
また、深い呼吸は精神安定作用のある脳内物質、セロトニンの分泌を促す効果も期待できます。
ですので、緊迫した場面、プレッシャーがかかる場面ほど意識的に深い呼吸をするように心がけましょう。
呼吸というと腹式呼吸など特定のやり方があるのでは?と思い方もいると思いますが、副交感神経を高めるためにはそこまで気にする必要はありません。
ただ息を吸った分より長く息を吐くこと、これだけで十分です。例えば吸った分を1とするのならその倍の長さの分だけ息を吐くだけでも効果があります。
この深い呼吸は場所も時間も選ばずいつでもどこでも行うことができます。
緊張した時、焦った時にはこの深い呼吸を思い出して副交感神経を高めましょう。
5.ガムを噛む
野球選手が試合中にガムを噛んでいる姿をよく見かけます。
人によっては態度の悪い奴だ!と思ってしまうかもしれませんが、ただおいしいから、カッコつけたいから噛んでいるわけではありません。
実はこのガムを噛む動作も副交感神経を高める効果があり、精神をリラックスさせることができるのであえて試合中に噛んでいるのです。
ガムを噛むというリズミカルな動作は脳にいい刺激を与えるだけでなく自律神経にもいい影響を与えます。
また、呼吸でも触れたセロトニンもガムを噛むことでその分泌を促すことができることも既に実験で証明されています。
ですので、精神を落ち着かせたいとき、集中したいときにはスポーツ選手のようにガムを噛むことで自律神経を整えるのも一つの手です。
6.無理やりにでも笑う
イライラしている、不安であるといった精神が不安定なときはどうしても交感神経が高まり自律神経のバランスは乱れてしまいます。
そのようなときこそ笑顔をつくり笑うようにしましょう。
笑うことはストレス解消、セロトニン分泌、免疫力の向上など様々な効果とともに副交感神経を高めることもできます。
この笑いは声をあげて笑うといった大きな笑い、心の底からの笑いではなくつくり笑いでもかまいません。具体的には口角を上げること、この動作が自律神経を整えるスイッチとなります。
イライラした時は怒鳴ってしまったり、八つ当たりをしてしまうことがありますが、こうしたことは自分だけでなく周りの空気も悪くなります。
そのようなときは怒りをぐっとこらえ無理やりにでも笑顔をつくりましょう。たったそれだけの動作で自分や周囲の作業の効率も効果的に上げることができます。
今この画面を見ている方も笑顔をつくってみてください。それだけでも不思議と気持ちが楽になっているのが感じとれるはずです。
まとめ
以上、5分でできる副交感神経を高めて自律神経を整える方法についてご紹介してきました。
これらの方法で一番大切なことは意識的に行うということです。
自律神経は身体だけでなく精神にも大きく影響されます。リラックスできる、心を落ち着かせるということを意識して行うだけで効果的に副交感神経を高めていくことができます。
自律神経を整えるにはほかにも十分な睡眠や適度な運動も非常に大切ですが、これらは時間がかかるものですぐにできるとはいいがたいの正直なところです。
もちろん、それでも時間を確保することは必要ですが、まずはこれらの5分でできる副交感神経を高める方法を日々の生活に取り入れてみてください。
それだけでも精神が安定して次第に身体の不調も弱まってくることを感じ取れるでしょう。
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