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はじめまして。
アニメとか見て好きになって、勢いのままに書くことにしました。
今回はweb版の魔王討伐後の話です。
それと時系列とかはめちゃくちゃになると思います。書きたいと思った時間軸を書いていくので、そこら辺はご了承下さい。
第1話アニメとか見て好きになって、勢いのままに書くことにしました。
今回はweb版の魔王討伐後の話です。
それと時系列とかはめちゃくちゃになると思います。書きたいと思った時間軸を書いていくので、そこら辺はご了承下さい。
魔王の討伐を道連れという形で俺は成し遂げた。
そのおかげでレベルはとんでもない勢いで上がった。そうなるとスキルポイントは比例するわけで、何を覚えようか迷ってしまう。
もう危険なことをする必要もない。魔王討伐の報酬で一生遊んで暮らせる。……レベルとスキルポイントは実はそんなに必要なかったりする。
しかし、せっかく手に入れたものを使わないというのはもったいないというか。貧乏性が出た感じがするが、もったいないものはもったいない。
クエストを請けることはもうないとはいえ……、もうない……、俺は思った。
将来、子供ができて、その子が俺みたいな英雄になりたいと言った時、今のままでいいのだろうか。俺より子供が強くなることは別にいい。しかし、子供と一緒にモンスターを退治しに行き、まともに戦えないままというのはちょっと、その、父親として情けなさすぎるというか、せめて弱いモンスターぐらいは倒せないとね、うん。
そんなわけで俺は上級魔法を覚えることにした。
屋敷にウィズを呼んで、どんな魔法を覚えるか話をする。
「カズマさんの場合は覚えられても本職ほど威力は出ないでしょうから、使い勝手を重視した方がいいでしょうね」
「使い勝手か……。間違っても爆裂魔法は」
「ないですね。覚えてもそこまで活躍しないでしょうし、そもそも使い勝手悪いですよ」
「ですよねー。そうなると……」
俺はふとゆんゆんが使っていた魔法を思い出した。あれならわりと使い勝手よさそうだ。
「何とかセイバーってのはどうだ?」
「『ライト・オブ・セイバー』ですか。そうですね、カズマさんの魔力でもゴブリンやジャイアントトードは簡単に切り裂けますよ。それより強いのも倒せると思えますし、間違いないですね」
ウィズの反応はいいものだった。胸の前で手を合わせて、にこにこしているウィズに早速教えてもらおうとした所で、制止が入った。
「認めません、認めませんよ! カズマ、私より魔法使いらしくなってどうしようと言うのですか! 大体私の爆裂魔法があるのですから、カズマが上級魔法を覚える必要はありません」
パーティの中でアークウィザードという上級職についているめぐみんが熱く語った。どうやら自分のアイデンティティーが脅かされるのではないかと思っているようだ。
「大丈夫だめぐみん。俺が上級魔法を覚えても、お前が頭がおかしい爆裂娘なのは変わらないから。だから安心してくれ」
そう、俺が上級魔法を覚えても、こいつの他の追随を許さない爆裂道の前では霞むのみだ。むしろ、カズマってそんなのも覚えてたんだ知らなかったー、と言われるのが頭に浮かぶ。
「私のどこが頭おかしいのか問い質したい所ですが、今は置いておきましょう。……カズマ、私の爆裂魔法では不満ですか……?」
不安げに、俺の服を掴んで見上げてきためぐみんは爆裂可愛かった。
もしかしたらめぐみんは、俺が上級魔法を覚えることで、爆裂魔法しか使えない自分が必要とされなくなることが怖いのかもしれない。ダンジョンに潜る時はいらない子なのは言わないでおこう。
全く、俺がどんな魔法を覚えても火力不足になるのは確実なんだから、こいつの超火力が不必要になるということはあり得ない。何より大事な仲間をそんなつまらない理由で切り捨てるほど俺はクズでない。
「お前の爆裂魔法は頼りにしてる。俺が上級魔法を覚えようと思ったのは別の理由だ」
「別の理由?」
「いいか。俺はこれでも、これでも魔王を倒した勇者だ。これでもな!」
「そんな卑屈にならなくても、カズマが倒したのはわかってますよ」
めぐみんの言葉にウィズもうんうんと頷いた。
「例えば、将来俺に子供ができたとする」
子供と聞いた時、めぐみんがぴくっと反応したが、無視して続けた。
「もしかしたら俺のような偉大な英雄になりたいと言うかもしれないだろ?」
「は、はあ……」
何かウィズが軽く引いた気もしたが、やはり俺は無視して続けた。
「そうなると当然子供は俺が戦ってる所を見たいと言うに決まってる! その時! たかが! 蛙に! 苦戦! してるのを見た子供は何を思うかわかるか? わー、パパあんな雑魚モンスターにも勝てないの? って失望する。俺はそんな恥ずかしい親になりたくないんだよ!」
「り、理由は何であれ、積極的なのはいいことだと、思います、ええ」
何だかウィズがどう反応したらいいのか困ってるように見える。俺の清純な想いはリッチーのウィズにはダメージ的な要素があったのかもしれない。
「なるほど、子供ですか。そうですね、少しはかっこいい所を見せてくれないと私も困りますね」
「あんっ?」
「カズマ、上級魔法覚えて、爆裂かっこよくなって下さいね」
どうしたんだこいつ。
急に満面の笑みを浮かべためぐみんに俺は戸惑うしかなかった。
何だこいつ。
「あ、まあ……」
ウィズは俺とめぐみんを見て、微笑ましそうにしている。ただ、その目には好奇の色もある。
何なんだ。俺は状況を確認するためにめぐみんの言葉を思い出して――
「お、お前は何で……」
爆裂言葉に俺はダウン寸前だ。何度も言うが、そういうのは本当にずるい。何なの、本当に……。
俺が気づいたのを察しためぐみんが頬を赤らめて、何かを期待するように見上げてきた。
「お邪魔虫は去りますね」
ウィズの言葉を聞いても、俺は何も言えずにいた。というか、めぐみんから目をはなせない。
めぐみんは俺に何度も好きと言ってきた。それに一線を越えそうになったりもした。魔王討伐、アクアの連れ戻し、全部果たした今、一線を越えないで止まる理由は何処にもない。
めぐみんに『ライト・オブ・セイバー』して、『エクスプロージョン』してもいいということだ。
ごくりと唾を飲み込んで、俺は勇気を振り絞り、
「カズマ、はやく爆裂かっこよくなって下さいね」
めぐみんは胸の前に手を置いて、期待するように言った。
最後に爆裂綺麗な笑みを浮かべた。
それに見惚れて、ぼーっとしてる間にめぐみんは立ち去った。残された俺はぽつりと言った。
「またお預けかよおおおおお!!」
そのおかげでレベルはとんでもない勢いで上がった。そうなるとスキルポイントは比例するわけで、何を覚えようか迷ってしまう。
もう危険なことをする必要もない。魔王討伐の報酬で一生遊んで暮らせる。……レベルとスキルポイントは実はそんなに必要なかったりする。
しかし、せっかく手に入れたものを使わないというのはもったいないというか。貧乏性が出た感じがするが、もったいないものはもったいない。
クエストを請けることはもうないとはいえ……、もうない……、俺は思った。
将来、子供ができて、その子が俺みたいな英雄になりたいと言った時、今のままでいいのだろうか。俺より子供が強くなることは別にいい。しかし、子供と一緒にモンスターを退治しに行き、まともに戦えないままというのはちょっと、その、父親として情けなさすぎるというか、せめて弱いモンスターぐらいは倒せないとね、うん。
そんなわけで俺は上級魔法を覚えることにした。
屋敷にウィズを呼んで、どんな魔法を覚えるか話をする。
「カズマさんの場合は覚えられても本職ほど威力は出ないでしょうから、使い勝手を重視した方がいいでしょうね」
「使い勝手か……。間違っても爆裂魔法は」
「ないですね。覚えてもそこまで活躍しないでしょうし、そもそも使い勝手悪いですよ」
「ですよねー。そうなると……」
俺はふとゆんゆんが使っていた魔法を思い出した。あれならわりと使い勝手よさそうだ。
「何とかセイバーってのはどうだ?」
「『ライト・オブ・セイバー』ですか。そうですね、カズマさんの魔力でもゴブリンやジャイアントトードは簡単に切り裂けますよ。それより強いのも倒せると思えますし、間違いないですね」
ウィズの反応はいいものだった。胸の前で手を合わせて、にこにこしているウィズに早速教えてもらおうとした所で、制止が入った。
「認めません、認めませんよ! カズマ、私より魔法使いらしくなってどうしようと言うのですか! 大体私の爆裂魔法があるのですから、カズマが上級魔法を覚える必要はありません」
パーティの中でアークウィザードという上級職についているめぐみんが熱く語った。どうやら自分のアイデンティティーが脅かされるのではないかと思っているようだ。
「大丈夫だめぐみん。俺が上級魔法を覚えても、お前が頭がおかしい爆裂娘なのは変わらないから。だから安心してくれ」
そう、俺が上級魔法を覚えても、こいつの他の追随を許さない爆裂道の前では霞むのみだ。むしろ、カズマってそんなのも覚えてたんだ知らなかったー、と言われるのが頭に浮かぶ。
「私のどこが頭おかしいのか問い質したい所ですが、今は置いておきましょう。……カズマ、私の爆裂魔法では不満ですか……?」
不安げに、俺の服を掴んで見上げてきためぐみんは爆裂可愛かった。
もしかしたらめぐみんは、俺が上級魔法を覚えることで、爆裂魔法しか使えない自分が必要とされなくなることが怖いのかもしれない。ダンジョンに潜る時はいらない子なのは言わないでおこう。
全く、俺がどんな魔法を覚えても火力不足になるのは確実なんだから、こいつの超火力が不必要になるということはあり得ない。何より大事な仲間をそんなつまらない理由で切り捨てるほど俺はクズでない。
「お前の爆裂魔法は頼りにしてる。俺が上級魔法を覚えようと思ったのは別の理由だ」
「別の理由?」
「いいか。俺はこれでも、これでも魔王を倒した勇者だ。これでもな!」
「そんな卑屈にならなくても、カズマが倒したのはわかってますよ」
めぐみんの言葉にウィズもうんうんと頷いた。
「例えば、将来俺に子供ができたとする」
子供と聞いた時、めぐみんがぴくっと反応したが、無視して続けた。
「もしかしたら俺のような偉大な英雄になりたいと言うかもしれないだろ?」
「は、はあ……」
何かウィズが軽く引いた気もしたが、やはり俺は無視して続けた。
「そうなると当然子供は俺が戦ってる所を見たいと言うに決まってる! その時! たかが! 蛙に! 苦戦! してるのを見た子供は何を思うかわかるか? わー、パパあんな雑魚モンスターにも勝てないの? って失望する。俺はそんな恥ずかしい親になりたくないんだよ!」
「り、理由は何であれ、積極的なのはいいことだと、思います、ええ」
何だかウィズがどう反応したらいいのか困ってるように見える。俺の清純な想いはリッチーのウィズにはダメージ的な要素があったのかもしれない。
「なるほど、子供ですか。そうですね、少しはかっこいい所を見せてくれないと私も困りますね」
「あんっ?」
「カズマ、上級魔法覚えて、爆裂かっこよくなって下さいね」
どうしたんだこいつ。
急に満面の笑みを浮かべためぐみんに俺は戸惑うしかなかった。
何だこいつ。
「あ、まあ……」
ウィズは俺とめぐみんを見て、微笑ましそうにしている。ただ、その目には好奇の色もある。
何なんだ。俺は状況を確認するためにめぐみんの言葉を思い出して――
「お、お前は何で……」
爆裂言葉に俺はダウン寸前だ。何度も言うが、そういうのは本当にずるい。何なの、本当に……。
俺が気づいたのを察しためぐみんが頬を赤らめて、何かを期待するように見上げてきた。
「お邪魔虫は去りますね」
ウィズの言葉を聞いても、俺は何も言えずにいた。というか、めぐみんから目をはなせない。
めぐみんは俺に何度も好きと言ってきた。それに一線を越えそうになったりもした。魔王討伐、アクアの連れ戻し、全部果たした今、一線を越えないで止まる理由は何処にもない。
めぐみんに『ライト・オブ・セイバー』して、『エクスプロージョン』してもいいということだ。
ごくりと唾を飲み込んで、俺は勇気を振り絞り、
「カズマ、はやく爆裂かっこよくなって下さいね」
めぐみんは胸の前に手を置いて、期待するように言った。
最後に爆裂綺麗な笑みを浮かべた。
それに見惚れて、ぼーっとしてる間にめぐみんは立ち去った。残された俺はぽつりと言った。
「またお預けかよおおおおお!!」
次の話はまだ決まってないです。
ほのぼの系って書くの難しいんですよね(笑)
シリアスも視野に入れつつ、のんびり書いていきます