韓国外交部長官に指名されている康京和(カン・ギョンファ)氏は2日、慰安婦被害者が共同生活を送る施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)を訪問し、元慰安婦女性らと面会した。自家用車で現地に到着した康氏は「人権問題の基本は被害者が中心になるということ、その上で真正さが感じられなければならない」「長官(閣僚)になれば政府の知恵を集め、真正さに満ちた措置を取るよう最善を尽くしたい」などと述べた。
康氏はナヌムの家を訪問することで「人権問題の専門家」というイメージを高め、娘の偽装転入(実際に住んでいない場所を住所として届け出ること)問題をはじめとする数々の疑惑を正面から突破する考えを持っているものとみられる。しかし野党側からは「聴聞会も終わっていないのに、今から長官のように行動している」などの指摘が相次いだ。
元慰安婦女性らから「慰安婦問題の解決を約束してほしい」と求められた康氏は「私はかつて国連で人権問題を担当したし、韓国の国際的な立場を高めるためにも非常に重要な問題だ」「市民の権利を十分に保障する民主市民社会国家として生まれ変わった時に、この問題を解決しなければならないと思う」と語った。
しかし聴聞会を担当する国会外交統一委員会に所属する野党議員らはこれら康氏の言動に反発している。保守系野党「正しい政党」の鄭亮碩(チョン・ヤンソク)議員は「聴聞会を前に本人の疑惑がすでに明るみに出ており、それに対応すべきにも関わらず今から長官になったような行動を取るのはおかしい」などと指摘した。