「身分差別」「天皇制反対」などと書かれたバナーを掲げて歩くデモ隊=3日、東京都武蔵野市(三枝玄太郎撮影)

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 「天皇制廃止」を訴える左派団体「反天皇制運動連絡会」(反天連)を主な母体とする「6・3天皇制いらないデモ実行委員会」が3日、東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅周辺で「帰ってきた天皇制いらないデモ」を行い、反天連が動員した百数十人のほかに、数百人の機動隊、警備、公安関係者、デモに抗議する右派団体の関係者らで街は騒然となった。

 午後2時半ごろ、武蔵野市の井の頭公園・三角広場を出た反天連が「天皇制いらない」「天皇制は差別の根源だ」などとシュプレヒコールを上げて姿を現すと、右派団体が「日本から出て行け」「反天連つぶせ」と隊列に怒声を浴びせた。

 東京都中央区の会社員の女性(48)は「言論の自由はあるが、デモの趣旨には賛成できない」と話し、近くに住む家族連れの男性会社員(41)は「先日も大きなデモがあって街が騒然とした。正直言うと、吉祥寺でやるのは勘弁してほしい」と話した。

 昨年11月にも反天連はJR吉祥寺駅周辺でデモを行ったが、このときは激高した右翼団体関係者らが反天連の街宣車のフロントガラスを壊すなどし、警視庁は関係者11人を器物損壊容疑で書類送検するなどしている。

 3日のデモでは、デモ隊が通行する前後をシャットアウトするなどして右派団体の関係者が近づけないようにした。デモ隊は「公安警察は弾圧をやめろ」などとシュプレヒコールを上げて解散した。大きなトラブルはなかったが、右派団体のメンバーが「あんな連中を守るのか」などとかみつく姿が見られた。

 反天連は昭和59年、新左翼系の評論家、菅孝行氏を中心に設立され、天皇制廃止を訴えているとされる。天皇陛下が退位される意向を示されたことを「憲法違反だ」として、激しく非難している。(WEB編集チーム)