人が塗る時代は終わりました。
そう言える日も、いずれ来るのでしょうか……? 「PaintsChainer」は、AI(人工知能)がディープラーニングに基づいて絵を解析し、自動で着色するといったWebツールです。
かつてこちらのツールを使って、人工知能に『魔法つかいプリキュア!』を着色してもらうといった試みを行いました。
上の画像がその結果です。確かにやわらかなテイストで、肌と髪、スカートを見分けているなど、塗り分けに関しては高い精度を発揮します。ただし、再現度といった面ではまだまだ未熟で、彼女たちを「女の子」といった大きな定義としては認識できているのでしょうが、「プリキュア」といった固の存在としては認識していないようです。
……あれから4カ月が経ちました。AIは僕らの知らないところで学習を重ね、プリキュアを理解したのでしょうか? 3つのAI自動着色サービスを利用して再度検証してみます。
©ABC・東映アニメーション, ©サンスター文具 via サンスター文具
ただ、4カ月の間にプリキュアは新しくなり、『魔法つかいプリキュア!』から『キラキラ☆プリキュアアラモード』に世代が変わっているため、新たな塗り絵を入手して、そちらを利用しました。
今回の元絵となっているのは、「サンスター文具 キラキラ☆プリキュアアラモード ボリュームたっぷりぬりえ B6」です。
こちらの塗り絵は1枚ずつ切り取ることができて、便箋のようにも使えます。ただし、キャラクター以外の背景部がすでに着色されているため、邪魔な背景部をカットし、線画抽出処理を行ったものをオリジナル画像として利用しました。
PaintsChainer
PaintsChainerには「さつき」「たんぽぽ」という2種類のテイストがあります(以前の検証時では「たんぽぽ」のテイストのみでした)。どちらかと言えば、現時点では「たんぽぽ」テイストの方が着色能力は上という印象です。ただし風合いは以前の検証と同じで、女の子たちという認識はあるものの、プリキュアとは認識されていない模様。
pixiv Sketch
pixivも自動着色ツールを提供しています。「pixiv Sketch」は、上記のPaintsChainerの機能を利用しているため、着色テイストはPaintsChainer準拠のようです。同じように2種類のテイストを選べ、パレットから色を選んで配色指示を与えることも可能です。
パレットから色を選んで配色指示を与えた状態です。このように、着色の方向性をAIに指示できます。PaintsChainerでも同様です。
ibisPaint X(iOS, Android)
お絵かきアプリ「ibisPaint」でも、AIによる自動色塗り機能を利用できます。結果としては、PaintsChainerに比べると人物の認識が甘く、人物の肌・服装との境界があやふやで、あくまでもおおまかなエリアを塗り分けているだけのように感じます。
検証をまとめると、まだAIはプリキュアを認識していなかったという結論となります。
ただ、どのサービスもディープラーニングによる学習機能があるため、今後正しいプリキュアのイラストが大量に投稿され、きちんとした色分けが行われれば、いずれAIも「これはプリキュアに違いないメポ!」と、一発で白やら黒やら、ピンクやらあざとい黄色やら、レアな緑やら、さまざまなキュアを塗り分けられる日も来る可能性も否定できません。
問題は年に1回、キャラクターが追加されていき、時にシリーズ中に新キャラクターが参戦するといったキャラクター追加ペースの速さ……でしょうか。
キュアパルフェさんの活躍が楽しみです。
Image: ©ABC・東映アニメーション, ©サンスター文具, © pixiv, Copyright(C) ibis mobile inc. All rights reserved. via サンスター文具, PaintsChainer, pixiv Sketch, ibisPaint
source: キラキラ☆プリキュアアラモード, 魔法つかいプリキュア!, PaintsChainer, サンスター文具, pixiv Sketch, ibisPaint
(キュアコグレ)