トヨタ自動車が米電気自動車(EV)メーカー、テスラの保有株をすべて売却していたことが3日、分かった。2010年に資本・業務提携してEVの共同開発を進めたが、15年以降は基幹部品の調達などの協力実績がなく、一部株式を売却していた。今後も協業が見込めないことから、提携を解消して残っていた1%超の株式を16年末までに手放したもようだ。
トヨタは10年にテスラに5千万ドル(約55億円)を出資し、約3%の株式を取得。その後、テスラの電池を搭載した多目的スポーツ車(SUV)をトヨタが発売した。
だが、14年にテスラが電池供給を打ち切ったため、トヨタは一部テスラ株を売却。16年3月時点で保有株式は約234万株になっていた。16年末の株価で計算すると、500億円規模の売却益が出たとみられる。
トヨタは次世代エコカーとして燃料電池車(FCV)に力を入れているが、EVでも独自に1人乗りの小型車「i―ROAD(アイロード)」を実験しているほか、16年12月にEVの開発組織を新設して量産化の準備を進めている。