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新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

世間と戦い、世界を守る

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 「ウォー・マシーン:戦争は話術だ!」(原題  WAR MACHINE) 主演 ブラッド・ピット

 

  時はアフガニスタン戦争、第二次世界大戦の時代からそのままやって来たかの様な軍人らしい軍人のグレン・マクマホン陸軍大将は駐在米軍司令官として着任します。時代が変わった今、彼らの相手は軍服を来た人間ではなく武装勢力と呼ばれる存在。一般人とそう大差はありません。そんな戦いに勝つにはあらゆる障害が立ちはだかります。グレンはそんな戦争をどう乗り切るのでしょうか。

 

  公開されたばかりのNetflixオリジナルムービーです。原作はノンフィクションの小説「The Operators 」という作品でグレンではなく、スタンリー・マクリスタルというアメリカ陸軍大将の体験した事件を元に作られた架空の事件を描いています。Netflix上ではコメディ映画と表記されていますが、実際は"現代の"戦争映画で風刺映画です。ちなみに「war machine netflix」で検索すると本作の解説文と共にローディの画像が表示されます。うん、まぁ確かに彼はウォーマシーンですけどね?確かに僕も思い出しましたけどね?

  "現代の"戦争と銘打ったのには意味があります。まず、戦争映画でありながら戦闘シーンはほとんどありません。どちらかというと政治や軍の大将という生き方、世間の意見という苦悩や重圧にグレンがどう立ち向かっていくのかを描いたものとなっています。アフガニスタンの大統領と仲良くし、街に住む"武装勢力でない人々"から信頼を得る事。そうしないと軍というのはただの"侵略者"なのです。"侵略者"になってしまえば、それは武装勢力となにも変わりません。そういったしがらみなどが描かれる事から、内容はそれなり…というか結構難しいです。アクション映画や戦闘メインの戦争映画の様に相手を倒したらオッケーって感じでは無いです。僕も最後まで観たものの、現代の戦争や世界の思惑を勉強してからもう一回観たいな、と思ってしまいました。池上先生教えて。

  先ほど言った"現代の"戦争というのはグレンに焦点が当てられている時だけではありません。上記でも書いたほとんど描かれない数少ない戦闘シーンにもそのモヤモヤは描かれます。まず、戦闘シーンは僕らが想像しているよりずっと静かです。それは異様なほどに。現実はどうなのか、僕は知らないですが、これこそが戦争のリアルなのかな?とも思います。そして向かってくる側から誰かが走っていたりっ!屋上に人影が見えたりっ!しても彼らはすぐには撃てません。なぜなら、武装勢力は軍服なんて着ていないからです。走っている人が、屋上にいる人が武装しているかを確認しなければいけないのです。確認せず撃って一般人だったら…軍は侵略者になってしまうのです。そんな苦悩の中戦うのです。

 

  そして、この作品の最後の最後のシーンがまた皮肉的かつ悲しいものになっています。そこも評価すべき点ですね。