圧力文書「文科省内共有」民進、メール写し公開
安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画で、民進党は2日、特区を担当する内閣府が文部科学省に早期開学を促していたとされる文書を巡り、同省職員が電子メールで情報を共有していたことを示す文書を入手したと明らかにした。入手先は明かしていないが、送信元や宛先として記載された氏名や部署名などは実在の職員と符合しており、民進党は5日の国会審議で改めて調査を求める。
メールの写しとされる文書によると、昨年9月26、27両日に計4通送信されたことが記されている。獣医師養成を担う文科省専門教育課の企画係長と同省で特区の窓口を務める行政改革推進室管理係長とのやり取りとされ「Cc」(同報メール)の宛先から専門教育課の課長補佐ら十数人にも送られていたとみられる。
同27日に専門教育課から行革推進室に宛てたメールには、26日に内閣府の藤原豊審議官と文科省専門教育課の浅野敦行課長らが出席した会議の議事概要(「藤原内閣府審議官との打合せ概要」)との文書も添付されていたとされる。概要には、内閣府から文科省に「平成30(2018)年4月開学を大前提にスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること(むしろもっと激しいことを言っている)」などと要求する内容が記されている。
27日のメールの本文とされる書面には、専門教育課の係長名で「昨日の概要を共有します。こなし方については、現在(高等教育)局内で検討中です」との記載もみられる。
藤原氏は先月18日の衆院農林水産委員会で「内閣府として(文科省に)『総理のご意向』などと申し上げたことは一切ない」と否定している。【杉本修作、遠藤拓】