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 「間違えました。ごめんなさい」。なぜ、警察はたったそれだけのことを言えないのか――。刑事事件で無実を訴える人々や支援者が5月下旬、大阪市に集まった。過ちを認めることができない組織に「共謀罪」の捜査権限を与えることに不安の声があがった。

 大阪市の「たんぽぽの会(関西えん罪事件連絡会)」による集会「救おう無実の人々」は今年で10回目。冤罪(えんざい)を訴えたり、違法な捜査への償いを求めたりしている関西の7事件1訴訟の関係者330人が集まった。

 ♪ 悪いことをしたら ごめんなさい と、いつも言える人でありましょう

 アーティストのSUN―DYU(サンデュー)さん(26)は軽やかなリズムで自曲を歌った。

 2012年、大阪府泉大津市のコンビニエンスストアから1万円をとったとして府警に逮捕され、大阪地検岸和田支部に起訴された。一貫して否認したが302日も勾留された。しかし当局が証拠として出した指紋は、事件当日の5日前に店を訪ねた際のもので無実だと判明し、14年に大阪地裁岸和田支部で無罪判決を勝ち取った。

 勾留中に自殺を5度考えた。弁護士から差し入れられ、取り調べの様子を書きとめた「被疑者ノート」には、警察による脅し・蔑(さげす)み・嘲(あざけ)りの暴言の数々や、検事に大声を出されたことが記されている。

 5人組のダンスボーカルユニットのリーダーとして芸能事務所に所属し、ライブの日程も決まっていた。「夢がかなうと盛り上がっていました」。その矢先の逮捕・起訴だった。

 「怒っても叫んでも拝んでも拘…

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