スマートフォンでは基本機能と言っていいGPS。しかし、その誤差は10m程度のこともあります。その誤差を数センチまで縮小する日本版GPS「みちびき」が打ち上げられました。果たしてどのような未来になるのか、想定されていることをお伝えします。
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無人でトラクターが働く!
北海道大学の農学研究室では、「みちびき」の誤差が数センチであることを利用して、無人でトラクターを自走させる研究が行われています。デモンストレーションでは仮の受信データを送信し、誤差数センチであることを利用して、自走だけでなく3台が協働して耕す姿を実現しました。
農業での人手不足は深刻な課題になっていますが、大規模な農場での効率化が実現できると期待されています。
視覚障害者を支援するナビ
現在もGoogleマップのナビを利用しているユーザーは多いと思われます。しかし、その誤差も実感しているのではないでしょうか。起動すると、道から外れた場所に表示され、少し歩くと道を歩いてると認識されて補正されていきます。
この誤差が数センチになるということは、視覚障害者のナビに利用できるかもしれない。新潟大学ではそのような研究がなされています。視覚障害者は白杖を頼りに障害物を避けますが、あらかじめわかっている障害物であれば「障害物があります」とアナウンスされるように開発されています。
また交差点で曲がる際にも「ピンポイントで」曲がるタイミングを教えてくれます。視覚障害者は白杖があるといっても自由に外出できないのが現状。このような活用は歓迎したいところです。
スマートフォンに搭載される??
この日本版GPSは早ければ来年春にも実用化されます。スマートフォンでも使えるようになるのか?そうなると、まだまだ先になると言わざるを得ないでしょう。日本版GPS用の受信機が必要になります。スマートフォンに搭載するためには海外のチップセット開発メーカーに実装してもらわないといけません。日本だけのために開発費を投入することは考えにくいでしょう。
逆に言えば、日本のメーカーにがんばって欲しいところです。「ガラケー」と言われるまでに携帯を発展させた日本メーカーが「ガラパゴススマホ」を開発する。そうすれば、視覚障害者の活用例のようなスマートフォンや、日本独自のアプリが出てくることにも期待できそうです。